マンション投資で医師が失敗しやすい理由

最近インターネットの広告バナーなどで、「医師専門の不動産投資」などと謳った業者が多く見受けられるようになりました。

医師は高収入の方が多いので、ワンルームを複数件所有することが可能です。

また、金融機関によっては医師のみの特別優遇金利なども存在します。

一般の方々よりも有利に投資を始められる状態であるにも関わらず、ワンルーム投資に失敗して相談に来る方が大勢いらっしゃいます。

今回はそんな医師の方から受ける相談内容と、なぜそのような状態に陥ってしまうのか、その理由について詳しく解説していきます。

新築ワンルームを複数購入し、毎月大赤字に

ご相談に来るお医者様のほとんどが、この相談です。

基本的に新築ワンルームは購入してはいけません。

500万の赤字!新築ワンルームマンション投資の失敗で大損

中には関西方面の有名デベロッパーの新築ワンルームを10件以上購入し、賃料が下がり、持ち出しが多く負担しきれないという方もいました。

購入当初は負担も少なく、節税効果もあったので負担に思うこともなかったそうです。

以前にも書きましたが、毎月のマイナス収支を節税でごまかしてしまう悪質なシミュレーションを提案する業者がいるのも事実です。

悪徳不動産投資業者の詐欺的収支シミュレーションを大公開!

節税額を大きくシミュレーションし、お客様を騙す業者も存在します。

上記の動画は、実際にワンルーム業者が架空の減価償却費を出し、お客さんに突っ込まれて焦っている様子がうつっています。

恐らく業者もよくわかっていないのでしょう。

そもそも経費の説明も上手にできていませんし。

こんな担当者や会社から物件を購入すると考えると・・・ゾっとしますね。

しかし、ワンルーム業界の営業マンなんて、学歴不当で年中求人募集しているような業界ですからね。

ワンルームマンション投資の営業マンの日常を大公開

このような担当者がいても全然おかしくありません。

また、通常の会社員なら融資を受けられないような粗悪なワンルームや一棟物件も「医師という高属性」から融資を組むことができてしまう事例も存在しますので注意が必要です。

節税効果を妄信して失敗

ワンルームマンション投資には節税効果があります。

医師は通常の会社員に比べて年収が高いく、その分納める税金も高額になります。

日本の所得税率は年収が高くなるにつれて、その分税率も高くなる「累進課税制度」が適用されます。

税率が高くなればなるほど節税の効果も高くなります。

所得税率

しかしながら、ワンルーム投資の節税効果は一過性のものに過ぎません。

もっと言えば、節税になるのは購入後数年間のみで、その後は節税にならない場合の方が多いのが事実です。

節税目的で一度に複数の投資物件を購入し、購入後数年間は毎月のキャッシュフローの赤字も節税や還付金で上手く補填できていたが、その節税もなくなり単純に毎月の大きなキャッシュフローの赤字だけが残ってしまう・・・

下記のような失敗事例は非常に多いです。

ワンルームマンション投資で節税?危険な落とし穴の正体

ワンルーム投資がなぜ節税になるのか?

なぜ節税金額が少なくなるのか?

その仕組みを上記の記事でしっかりと理解しましょう。

ワンルーム購入後の経費について全く考えていない

ワンルームマンションを長期で保有するにあたって、経費が掛かります。

  • 固定資産税
  • 不動産取得税
  • 原状回復費用
  • 設備の交換費用
  • 入居付けにかかる広告費

などです。

現状回復や設備の交換費用に関しては、管理会社からオーナーに費用の請求がある訳ですが、そもそもオーナーさんは設備や原状回復の相場が分からない方が多く、管理会社の言いなりで費用を払うことになります。

原状回復費用や設備交換費用はこちらでまとめてます。

悪質な管理会社だと、オーナーさんが何も知らないことを良いことに、ぼったくりともいえる高額な原状回復費用を請求するパターンも多いです。

オーナーが医師ということもあり、金銭的に余裕があることを逆手にとって高額な請求をする訳ですね。

中には、高額な費用だけ請求して、明細等を一切見せない!という信じられない管理会社も存在しました。

また、新しい入居者が入れ替わるたびに1カ月分の賃料(広告費という名目で)をオーナーさんに請求する管理会社も多いです。

マンション購入時に、管理会社と管理委託契約を結ぶ訳ですが、その契約内容について隅々まで目を通す人はあまりいません。

入退去の度に高額な費用を請求され、それが複数件に上り、しかも毎月のキャッシュフローが大きな赤字なので、経営が立ち行かなくなるわけです。

医師専用の院内携帯に直接の電話勧誘

病院に勤務している先生であれば、既にあるあるかと存じます。

一般には公開されていない、病院内の専用の携帯に直接業者からマンション投資の勧誘電話がかかってくるのです。

中には、病院関係者のフリをして連絡してくる輩も存在するようなので、注意してください。

大手のワンルームマンション投資会社でも未だに直接電話営業をしている会社もあるようです。

※以前に以下の記事で記載しました。

投資用ワンルームマンションの危険で悪質な営業手法を大暴露!

基本的に突然電話営業をかけてくるような会社を相手にしてはいけません。

もし本当に競争率の高い優良な物件であれば、わざわざ売り込まなくても自然に売れます。

自然に売れない物件だからこそ強力な売り込み営業によって契約させる必要があるのです。

業者の養分にされないよう注意してください。

若い医師(後期研修医が危ない)が業者のターゲットにされる

初期研修医の間は基本的に給与が低い(例外もあるが)ので、業者もあまり営業しません。

しかし、後期研修医になるとある程度の収入となり、ほとんどの医師が投資マンションを購入できる属性となります。

年齢も若く、素直な人が多いので、非常にマンションを購入させやすいのです。

育ちの良い人が多く、営業の話を信じやすい

私にもたくさんの医師のお客様がいますが、皆一様に育ちが良いです。

なので、そもそも「人を疑う」ということを知らない性格の人が多いのも事実です。

良い意味でいえば「素直な人」ですね。

業者の営業トークをそのまま真に受けてしまい、与信の続く限り物件を購入してしまう人もいるのです。

イオン住宅ローンでは医師の特別金利の存在も

医師という属性は金融機関も大好物です。

イオン住宅ローンでは、通常の金利は1.992%ではありますが、医師だと特別金利が適用され、1.788%となります。

※投資マンションの提携金融機関の金利ランキングは以下にまとめました。

【2023年度】ワンルームマンション投資の融資・ローンの特徴やポイントを解説

医師同士の紹介による被害の連鎖

医師はどうしてもコミュニティが狭くなりがちです。

仲が良くなるとすれば同じ医師同士でしょう。

○○先生の紹介だから大丈夫だろう・・・

などと安易な思考で比較検討もせずに二つ返事で物件を購入してしまう医師も大勢います。

また、医師同士の紹介は非常に成約につながりやすいので、営業マンも紹介を貰うために必死です。

今後も継続して紹介を貰うために、

  • 多額の紹介料
  • 高級な接待

など、至れり尽くせりです。

※ワンルームマンション投資と紹介料の闇は以下の記事でまとめています。

不動産業者とFPでやり取りされる紹介料の闇

多額の紹介料を出せる物件はそれだけ多くの利益が上乗せされているということです。

つまり、投資としては不適格な物件の可能性が非常に高いのです。

医師専門不動産業者などの存在

広告などで「医師専門」などと謳った不動産投資会社が最近目立つようになりました。

しかし、その中身を実際見てみると、単なる新築ワンルームのはめ込み業者がほとんどです。

「〇〇専門」といったような触れ込みの業者には特に要注意です。

動画でも解説しております。

ワンルームマンション投資で医師・公務員専門業者は要注意

医師という与信を上手に使えば有利に投資できる

医師という与信は非常に特別なものです。

普通の人であれば、借りられないような金額を、より低い金利で借り入れられます。

つまり、ワンルームマンション投資をするにあたってスタート地点が既に有利なのです。

そんな有利な状態であるにもかかわらず、粗悪な物件で自身の与信を潰してしまうのはあまりにも勿体ないです。

しっかりとワンルーム投資について学び、適切な物件を適切な業者で比較検討することが大切です。

顧客の属性がダイレクトに投資結果に反映されるのはワンルームマンション投資の大きな特徴の1つです。

与信枠を過信しないように注意

医師は年収が高く、安定した職業であるため多額のローンを借り入れることができます。

例えば年収2000万程度の医師であれば、2~3億円程度の借入も可能です。

その与信枠をフルに使ってしまうと、当然新たなローンは借りられなくなります。

投資マンションのせいで自宅のローンが組めずに困っている医師の方も大勢います。

【悲報】フラット35融資基準が激変!ワンルーム投資家は自宅買えない?

また、勤務医の中には将来的に開業を考えている方も多くいらっしゃるでしょう。

クリニックや病院を開業するには多額の資金が必要になります。

開業資金は金融機関からの借り入れで調達するのが一般的です。

しかし、その融資審査で所有しているワンルームが与信を圧迫して「開業資金が借りられない」というご相談も非常に多いです。

ローンは無限に借りられるものではありません。

借り続ければいつか天井がやってきます。

よって、ワンルームを購入する場合には将来的な自宅購入や開業資金などのリスクも加味した上で、計画的に投資しましょう。

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