ワンルームマンション投資を始めるにあたって、多くの方が「不動産投資セミナー」に参加されていらっしゃると思います。
セミナーのホームページ、ネットチラシ、広告は立派だけど、実際に参加してみるとその内容はいまいち・・・。
中にはセミナー後の勧誘で無理やり物件を購入させられるようなことも。
そんな中で、今回はお勧めできないマンション投資セミナーの特徴を7つご紹介いたします。
では、最終的にどのようなセミナーを選択すればよいのか?またセミナー参加のメリットも踏まえて解説します。
目次
不動産投資で怪しいセミナーの7つの特徴
それでは早速不動産投資で実際にある怪しいセミナーの特徴を元不動産投資営業マンの立場から暴露していこうと思います。
①大手新築ワンルームマンションデベロッパーのセミナー
先ず第一に新築のワンルームマンション投資セミナーです。
不動産投資とは謳わずに「節税」「マネーセミナー」「初心者」などのキーワードを使って集客している場合もあります。
これらのセミナーがお勧めできない理由は大きく分けて2つあります。
紹介物件が自社の新築物件に偏る
大手の新築ワンルームマンションデベロッパーは自社で物件を建築し、自社で物件を販売し、自社で物件を管理しています。
数年先の物件仕入れまで確定している訳であって、今ある在庫物件をさばかないと売れ残りは不良債権となってしまいます。
なので、おのずとセミナー内容も、
- 如何に自社のマンションが優れているか?
- 如何に自社のマンションの入居率が高いか?
となりがちなのです。
因みに都心のワンルームマンションに居住した経験のある方ならばご理解頂けると思いますが、どのワンルームマンションも設備や仕様には大差ありません。
入居率もこれに同じです。
都心の一定の設備の整っているワンルームならば、入居率に大差はありません。
ファミリーマンションや戸建てなどの自宅とは違って、あくまで入居者(単身者)にとっては仮住まいの賃貸物件であり、オーナーにとっては投資用の収益物件な訳です。
物件に設備的な付加価値をつければつけるほど物件価格が高くなりますし、それに合わせて賃料も高額となります。
ただし、あくまで入居者(単身者)にとっては仮住まいの賃貸物件なわけですから、高額な賃料になればなるほど、入居ターゲット層も狭まってしまいます。
また、高額な設備をつければメンテナンスや維持にもお金がかかってしまうので、より投資に不向きな物件となってしまいます。
なので、セミナーでは
「宅配ボックスが付いているんです!」
「浴室乾燥機までついています!」
「もちろん玄関はオートロックで!」
など当たり前の話が繰り広げられることが多いです。
またそもそも投資対象として新築ワンルームマンションはお勧めできません。
新築物件なので、どの物件も収益性はほぼ同じ
新築物件の利回りは、どこのデベロッパーの物件もほぼ同じです。
管理手数料も大差ありません。
- 通常管理(集金代行)は家賃の5%程度の管理手数料
- 家賃保証(サブリース)は家賃の10%程度の管理手数料
です。
「新築ワンルームマンション投資業者/デベロッパーの利益は?」でも紹介しましたが、どこの新築業者も一定の利益を確保した上で、物件を販売しております。
極端に利回りの高い物件も無ければ、極端に利回りの低い物件もありません。
大手のデベロッパーであれば、金融機関もほぼそろっているので、低金利の金融機関が使えないということも無いでしょう。
違いがあるとすれば、物件の立地くらいです。
ただし、物件の立地ならば、HP上で物件パンフレットを確認できますから、わざわざ足を運んでセミナーに行く必要性も無いのです。
②非公開物件・未公開物件をやたらと煽るセミナー
これはセミナーに限らず、ネット広告でも同じです。
「不動産投資で良い物件(お宝物件)は手に入らない?その理由」にも記載しましたが、本当に超優良な非公開物件・未公開物件であれば、広告などする前に売れてしまいます。
セミナーをするには時間とお金がかかります。
セミナー会場を抑え、数カ月前から広告をうち、メルマガを発行し、講師を雇い、当日の資料を作成し、無料でお客さんを招待(無料セミナー)するのです。
それだけ、時間とお金がかかる訳です。
電話1本、メール1通で売れてしまうような優良物件であれば、わざわざ時間とお金をかけてセミナーで直接販売するメリットは業者にはありません。
つまり、普通には売れないような物件(単なる売れ残り)だからこそセミナーで集客したお客様に向けて直接クロージングする手法をとっているのです。
③QUOカード&商品券がもらえるセミナー
セミナーに参加した方には、QUOカードor商品券5000円分プレゼント!といったやつですね。
セミナーの内容では集客出来ない為、付加価値をつけているのです。
ワンルームマンション投資のセミナーは無料のものが多いですが、わざわざセミナーに行かなくてもネットで情報を取得できる時代です。
セミナー内容(コンテンツ)で集客出来ない会社はこのようなQUOカードや商品券といった手法に頼りがちです。
簡単に言えば「お金をあげるから、セミナーに来てください!」
そんなセミナーで有益な物件情報が得られる可能性は非常に低いです。
結局その集客にかかった費用は物件価格に上乗せされているわけです。
なので、QUOカード!商品券!というキーワードが出た時点で、そのようなセミナーはいく価値が無いと判断してください。
④豪華海外旅行ツアーに行けるセミナー
これもとある大手の新築ワンルームマンション投資業者が実際に過去に行っていました。
まあ、普通ならこの謳い文句につられて物件を購入する人はいないでしょうが・・・。
冷静に考えれば、分かることだと思います。
豪華海外旅行を慈善事業で業者が負担する筈もありません。
全てお客様の支払った売買代金の中から捻出されているのであります。
つまり、消費者様が物件を「適正価格+海外旅行分の代金+α」で購入しているだけの話なのです。
なので、全くお得じゃありません。
逆にこういったマンション投資の内容以外の部分での特権・特典は疑ってかかるべきです。
旅行代金を支払ってくれるなら、その分安くマンションを販売してほしいものですね・・・。
⑤頭金0円、自己資金0円のフルローンを勧めるセミナー
不動産投資における頭金0円の契約はお勧めできません。
⇒ワンルームマンション投資で頭金0円はダメ!そのたった1つの理由
特にワンルームマンション投資における融資の場合は基本的に頭金を最低でも10万円支払わなければならないパターンが多いです。
これは何故かというと、頭金0円のフルローンで契約すると、購入者(消費者)側が契約解除(手付解除)ができなくなってしまうからです。
よって、手付金や頭金のない売買契約はトラブルや制約も多くなる為、基本的にお勧めできないです。
⑥節税を前面に押し出したセミナー
不動産投資は一定期間の節税メリットがあります。
しかしながら、そのメリットは一部の高所得者にのみ効果が出る限定的なものです。
その節税のメリットに大きく寄与するのが「減価償却」になるわけですが、減価償却をすればするほど物件売却時の「譲渡所得税」が大きくなるというデメリットも存在します。
⇒ワンルームマンション投資における減価償却の考え方やポイント
⇒マンション投資で売却益がでた際の税金は?計算方法も徹底解説
よって、不動産投資における節税効果を前面に押し出したセミナーはお勧めできません。
⑦サブリース(家賃保証)を謳ったセミナー
サブリースによって、毎月の家賃を保証することで、あたかも安心して不動産投資できるかのように錯覚させるセミナーが非常に多いです。
このブログで何度も警鐘していますが、サブリースはお勧めできません。
その理由は以下の通り。
サブリースに頼らずとも、賃貸経営できる「エリア」「立地」で不動産投資すべきであると考えます。
不動産投資セミナーのメリット
怪しい不動産投資セミナーも多いですが、その逆に有意義なセミナーも存在します。
実際にそのような不動産投資セミナーに参加することによって得られるメリットを記載します。
不動産投資の基礎を学べる
不動産投資といっても一棟、区分、戸建てや土地にいたるまで様々な種類があります。
その詳細を素人の方がゼロから一人で調べるとなると、多くの情報を整理、理解しなければならないので膨大な時間がかかります。
サラリーマンにとって、それらの時間を確保することは非常に難しいので、短い時間で講師から不動産投資について分かりやすく学べるのはセミナーならではのメリットといえます。
直接講師に質問や相談ができる
多くの不動産投資セミナーでは質疑応答の時間が設けられています。
自分で調べても分からないことや、不動産投資の書籍などには記載されていないことなどを専門家に質問することもできます。
不動産投資の仲間ができる
セミナーに参加している方はいわば「不動産投資仲間」といえます。
そんな仲間から聞く声はリアルで忖度のないものがおおいので、時として非常に為になる情報を入手することもできます。
最新の不動産投資情報を入手できる
不動産投資において業界の最新情報を入手することは不動産投資成功への第一歩となります。
例えば、不動産投資の融資事情や各銀行の金利状況など場合によってはキャンペーンなどで格安の金利で融資を受けられる場合もあります。
業者選びの基準ができる
複数の不動産投資セミナーに参加することで、自分自身に適した不動産投資の基準が徐々に明確になってくることでしょう。
多くの優良なセミナーに参加して、数多くの情報をインプット、整理して自分自身に最も適した不動産投資そして不動産業者を選択しましょう。
どのようなセミナーに参加すれば良いのか?
ではどんなセミナーに参加すれば良いのか?
セミナー選択時のポイントなどを解説します。
自分自身の投資目的にあっているかどうか
自分の投資目的にしっかりと合致したセミナーかどうか?
は重要な判断基準です。
投資目的によって必要な知識や情報なども大きく変わってきます。
例えば、区分と一棟では投資規模も異なりますし、投資の目的も大きく変わってきます。
運営会社や講師の実績について調べる
- 会社の規模(従業員数、資本金、設立時期など)
- セミナー自体の開催回数
- 専門家は参加しているか(税理士、大家など)
など。
もちろん会社の規模が大きければ良い!というわけではありませんが、判断の基準に迷う場合には大手会社のセミナーに参加するのも1つでしょう。
有料セミナーも参加してみる
巷の不動産投資のセミナーは90%以上が「無料セミナー」です。
開催側としてはセミナーで集客するすることが目的ではなく、そこに来た人に物件や何かしらの商材を販売することが最終的な目的となります。
だからこそ「無料」で門戸を広く集客ししているのです。
そのような無料の場で語られる情報は偏った情報が多かったり、その後の物件販売が有利になる様な業者のポジショントークが横行しているのが現状です。
不動産投資の基礎的なことを学ぶだけなら無料セミナーで十分かと思いますが、それ以上の情報を求めるならば有料セミナーの参加も検討することをお勧めします。
※ただし、有料セミナーでも高額な情報商材を買わされたり、高額なオンラインサロンに加入させられたりと、悪質な有料セミナーもあるので注意してください。
まとめ
不動産投資のセミナーに参加される場合には上記の7つの項目をチェックしてください。
逆に言えば、上記の7つに該当していないセミナーに参加してください。
どの業者もセミナーで集客し、物件を販売することを目的としております。
だからこそ、業者のセミナーでのセールストークを鵜呑みにせず、自分自身で調べ、しっかりと消化する姿勢が大切です。
間違っても、その場で勢いで申し込み何てことの無いようにご注意下さい。
最後に、投資用のワンルームマンションはまだまだ電話営業や悪徳な営業手法がはびこる業界であります。
以下のような営業からは絶対に物件を購入してはいけません。