
東京1Rではワンルームマンション投資に関する様々な質問をLINE@やメールでお受けしております。
ご質問の内容は様々ですが、その中でも特に「セカンドオピニオンとして意見が欲しい」との問い合わせが非常に多いです。
そこで、問い合わせに対しての回答などをこちらにまとめておきますので、ワンルームマンション投資を検討する際の材料にしていただければと思います。
目次
コロナのワンルームマンション投資への影響は?
2020年、2021年、2022年の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置においては、ワンルームマンションの空室が長期化するという事例が多かったです。
特に都心部一等地のワンルームマンションの空室率が増加した傾向にあります。
しかしながら、2022年の後半から2023年においては賃貸の募集も例年通りとまではいかないものの、空室への問い合わせも多く、比較的早く入居者が回転するようになってきております。
これは単純に東京都への人口流入の数によるものだと考えます。
過去5年間の東京都への転入者は以下の通り。
2022年においては、コロナ渦に比較して非常に多くの人が東京都へ転入してきているのがわかります。
また2024年においては約80万人の転入超過です。
これだけ多くの人が東京都に転入すれば、当然その入居の受け皿となる住居は必ず必要となります。
東京都は単身世帯率が非常に高い為、その入居対象となる物件は基本的に単身者向けのワンルームマンションとなります。
よって、この先も今までのような東京都への転入超過が続けば、東京のワンルームの需要は底堅く推移していくと考えます。
毎月の収支がマイナスの物件は買ってもいいの?
皆さんから、様々なワンルームマンションの提案資料を見せていただいておりますが、毎月の収支がそもそもマイナスだから一概にダメ!というわけではありません。
勿論プラスの収支であればそれに越したことはありませんが、現在の首都圏の利回りを考えると築20年以内の物件を選択した場合、物理的にそのほとんどがマイナス収支となります。
ワンルームマンションを否定する意見としては「マイナス収支だから損をする」「マイナス収支だから投資になっていない」などの考えが根底にあります。果たしてそうなのでしょうか?実際にマイナス収支でも最終的に利益を得た事例は下記の記事記載のように多数存在します。
収支がマイナスになる理由は利回りの低さにあります。利回りが高ければ毎月の収支はプラスになりやすいですし、低ければマイナスになりやすいです。しかしながら、例えば東京都内の築浅のワンルームマンションの利回りは4%程度のものがほとんどですから、それらを2%程度の金利でフルローンで購入すると毎月の収支がマイナスになってしまうという仕組みです。
以下は東京都内の新築ワンルームと築浅の中古ワンルームの毎月の収支を比較したモデルケースです。
2020年以前であれば都内でも毎月プラス収支で運用することも可能でしたが、現在では難しいです。
しかしながら、マイナス収支であったとしても先の事例のように儲かった中古ワンルームマンション投資の事例は数多く存在します。
それでも特にマイナスの大きい新築のワンルームマンションは基本的にはお勧めしません(理由は後述します)。
※ワンルーム投資による節税効果で毎月のマイナス収支を相殺してあたかもプラス収支で運用できるようごまかすような提案をしてくる業者には要注意です。節税金額で毎月のキャッシュフローのマイナス収支を誤魔化すような業者とは絶対に取引してはいけません。
【悪徳不動産投資業者の詐欺的収支シミュレーションを大公開!】に詳しく詳細を書いておりますので、ご覧下さい。
また、銀行によっては45年の超長期ローンも組めますが、そのローン年数であれば毎月の収支はほとんど0円(もしくは若干プラス)になります。しかしながら、一般的な住宅ローン年数は35年です。よってあくまで35年ローンでの収支計算をお勧めします。
45年ローンを組むデメリットとしてはローン残債の減るスピードの遅さにあります。毎月の利息金額もその分大きくなりますから、運用中の売却を考えた際には35年ローンに比べて不利になると言えるでしょう。
新築ワンルームマンションは買っても大丈夫なの?
首都圏では物件価格高騰により、利回りがどんどん下がっております。
また、毎月の収支を良く見せられるように、相場からかけ離れた賃料設定で見た目上の収支が整っている新築物件も存在します。
そのような新築ワンルームをハメられてしまわないように注意してください。
基本的に新築ワンルームマンションの価格や家賃設定は割高に設定されているケースが多いです。いわゆる新築プレミアムと言われるものです。分かりやすく図に示すと以下のようなります。
新築ワンルームマンションは中古ワンルームマンションに比べて、価格、家賃ともに割高に設定されていますが、新築物件は購入した途端に中古ワンルームマンションとなります。当然価格も家賃も中古相場となります。価格は直ぐに下落します。家賃に関しては最初の1人目の入居者がいる間は家賃が下がることは無いでしょうが、その入居者が退去し次の入居者を募集する際に相場家賃まで下落するケースが多いです。家賃が下落すれば価格はさらに大きく下落しますので、一気に含み損が大きくなり失敗する原因となってしまいます。
新築物件を扱うデベロッパーは大手が多く、一見すると安心?出来るように思えるかもしれませんが、ことワンルームマンション投資に関していえば、「業者の規模」は実質的な投資マンションの運用成果には全く関係ありません。
物件を購入し、運用していくのは結局はオーナーさんです。
継続的なお付き合いが続くとすれば「賃貸管理会社」ですが、この管理会社も自分で自由に変更することも可能です。
よって、物件購入時の売主業者が「大手だから」「上場企業だから」という理由で顧客が得をすることは何一つないです。断言します。
「如何に条件の良い物件と金融機関を取り扱っているか?」がとにかく一番大切なのです。大手の派手な広告やCMに騙されてはいけません。
ワンルームマンション投資って儲かるの?
儲かります。
ただし、どの程度か?と言われると物件にもよるので一概に金額を伝えることは難しいですが、都心部の中古ワンルームマンション1部屋で数百万~1千万強の利益を出すことは十分に可能です。
保有期間は最短3年~20年以上とかなりバラつきがあるのも特徴の1つです。ただし短期間での運用、利確には相場や物件を見抜く目や運も必要になりますのであまりおすすめしません。あくまでワンルームマンション投資の運用は中長期の長い目で見ることが大切です。
賃料の下がりにくい都心の物件を購入し、毎月のローン返済でしっかりと元金を減らし、含み益を作っていくのです。ワンルームマンションの価格は収益還元法によって決まりますから、賃料が下がらなければ、価格も下がりにくいという性質を持っています。よって、家賃・価格を維持しながらローンの元金を減らすことで徐々にその差額が広がり利益となるようなイメージをすると分かりやすいでしょう。
ワンルームマンション投資は儲からない、失敗・損をするって本当?
残念ながらワンルームマンション投資で失敗して損をしてしまう方が多いのも事実です。しかしながら購入する物件や条件を間違えなければ前述したように利益を残すこともできる投資です。
ワンルームマンション投資で失敗するケースは大きく分けて以下の通りです。
- 新築ワンルームマンションで大きな含み損を出し失敗
- 中古ワンルームマンションを相場より高値で購入し失敗
- 儲かると思い高利回りの物件を購入し失敗
- 節税効果の誤認による失敗
- 固定資産税・現状回復費用・設備費用などの必要経費を計算せずに失敗
- 空室が続き、毎月赤字収支で失敗空室が長期化し賃料が下がる
- 無理な買い増しによる失敗
- 自宅のローンが組めなくなり失敗
- 高金利の融資を受け、月収支が大赤字になり失敗
- 入居の仕組みなどを理解しておらず、管理会社のいいなりによる失敗
- 物件周辺施設や大学などに頼った立地選びによる失敗
- サブリース(家賃保証)の内容を理解せず安易に契約し失敗
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
新築ワンルームマンションで大きな含み損を出し失敗
先にもお話ししたように、新築ワンルームマンション投資は基本的に失敗しやすいです。理由は価格と家賃の高さに起因するものです。
中古ワンルームマンションを相場より高値で購入し失敗
中古ワンルームマンション投資であれば相場通りの価格で購入できるのか?というとそういう訳ではありません。中古ワンルームマンションであっても相場よりも高値で購入してしまい、多額の含み損を抱えて失敗してしまうケースもあります。
なぜ中古ワンルームマンションで高値買いしてしまうのか?というと全ては金融機関の評価額にあります。相場よりも高値の評価の出る銀行で評価額そのままのフルローンで物件を購入してしまうと多額の含み損を抱えてしまうことになります。
投資マンションに融資してくれる銀行A、B、Cがあったとしましょう。同じ物件でも評価額はバラバラで、A銀行で2000万、B銀行で2200万、C銀行で2600万という感じです。相場が2000万の場合、C銀行を使って2600万で買ってしまうと、単純に相場よりも600万も高い値段で物件を購入することになり当初の含み損が新築並みに大きくなります。
具体的には
などは基本的に相場よりも高値の融資が出やすいことで有名なので、上記の銀行を使って融資を組む場合には物件の相場価格に注意しましょう。
儲かると思い高利回りの物件を購入し失敗
「利回りが高い物件=儲かる物件」という認識で高利回りの築古ワンルームマンションを購入し、失敗してしまうケースです。利回りが高ければ収益性が高いということですが、その収益性の高さの裏にはそれ相応のリスクがあります。
例えば以下は利回りと立地や築年の関係性を分かりやすく表にしたものです。
立地に関しては地方に行けば行くほど、築年数は古くなればなるほど価格は低く、そして利回りは高くなる傾向にあります。簡単に言えば、ボロい地方物件は高利回りになります。例えば新潟などの地方マンションでは想定利回り50%を超えるもの少なくありません。ではそのような高利回りの物件を購入すれば儲かるのか?というとそうではありません。
実際に想定の利回りは高くても入居者が付かないリスクだったり、家賃が低すぎて管理費や修繕積立金を考えると全く採算の合わない物件も数多く存在します。
例えば毎月取れる家賃が3万円で、毎月の管理費と修繕積立金が合計で2万円かかる様な物件であれば、実際の毎月の収益は約1万円程度となり、そこから管理代行手数料や固定資産税の支払いなどを考えると毎月手元に残るお金は数千円となり、ほとんど収益を生まない負動産となってしまいます。
節税効果の誤認による失敗
ワンルームマンション投資の節税効果は限定的であることをしっかりと認識しましょう。節税の恩恵を受けられるのは購入当初の数年間に限定される場合が多く、また節税効果の恩恵を受ける為には所得税率が20%以上の方に限定されます。扶養や控除など諸々の諸条件にもよりますが、おおよそ年収でいうと700万以上の方が節税対象となります。
それ以下の方は基本的に節税効果はほぼ無い思っていただいて差し支えありません。なぜならワンルームマンション投資の節税効果は減価償却に依存します。減価償却費を出せば出すほど節税になる仕組みですが、そうなると売却時の譲渡税がその分大きくなる、というデメリットが存在します。そのバランスを考えた際に、年収700万以上というのが一つの節税のポイントとなります。
ワンルームマンション投資の節税効果については下記の記事で言及しておりますのでご一読ください。
固定資産税・現状回復費用・設備費用などの必要経費を計算せずに失敗
ワンルームマンション投資では購入時、購入後に下記のような税金が掛かります。
また、購入後には下記のように設備や原状回復、リフォームなどで突発的な出費も覚悟しなければなりません。
購入後の経費を全くシミュレーションせずにワンルームマンションを購入すると、上記のような出費に対応できない可能性がでてきます。よって、上記の費用も事前の収支計算に組み込んだうえで余裕をもった資金計画を建てましょう。
空室が続き、毎月赤字収支で失敗空室が長期化し賃料が下がる
不動産投資における最大のリスクは空室です。入居者がいなければ家賃は入ってきません。空室が続けば毎月のローン返済は丸々オーナー負担となります。空室が長く続くということは、募集賃料では入居者が決まらないということですから、家賃設定を下げるしかありません。家賃設定を下げれば毎月の収支は悪くなりますし、物件の価値(価格)も低くなります。
このように賃料を下げなければ入居がつかないような立地で物件を保有することは大きなリスクです。特に地方都市でワンルームマンション投資をする場合には家賃設定や入居ターゲット層、単身者の人口や割合などより入念にマーケット調査した上で取り組まなければなりません。
無理な買い増しによる失敗
ワンルームマンション投資はローンを使って複数物件所有することが可能です。もちろん年収によっては1部屋程度しか所有できない場合もあります。しかしながら、比較的審査の緩い銀行を利用すれば所得があまり高くない方でも複数件ローンを組むこともできます。
例えば
- 楽天銀行
- SBJ銀行
- 滋賀銀行
- クレディセゾン
などがあります。
上記の銀行はオリックス銀行、イオン銀行、ソニー銀行、auじぶん銀行、住信SBI銀行などに比べて比較的審査が緩く、融資を受けやすい傾向があります。
しかしながら上記の銀行では金利が高かったり、融資そのもの評価額が高く出たりする傾向にあるため、収支が悪くなり、その分毎月のオーナ負担額も増える傾向にあります。
例えば年収が500万程度なのに対して、投資マンションを3室フルローン(2000万×3室)で保有すると借入の総額は6000満となり年収の約12倍程度にまで膨らみます。
年収の8倍(2室目)まではオリックス銀行やソニー銀行で融資が組めますが、3室目は例えば楽天銀行でローンを組んだとしましょう。以下がその毎月のシミュレーションです。
※計算を簡易的にするために全物件の価格や家賃などの設定は同じにしました。
ローンが組めるから、という理由で複数物件を買えるだけ買うというのは非常に危険な考え方です。
確かに毎月の収支で言えば、楽天銀行を使うと金利が若干高いので収支が2倍程度にまで膨らんでいるのが分かりますが3室合計しても17659円/月と家計を圧迫するほどの金額ではありません。
しかしながら、全ての物件で一斉に退去が発生した際の持ち出しを想定したものが下記の図です。
合計すると3室で1カ月あたり236659円のオーナー負担が出る計算になります。また、別途内装や原状回復、リフォーム費用なども×3室分となります。そうなるとさらに出費がかさむ可能性がでてきます。手元資金に余裕があればいいですが、そうでない場合は、支払いが不能となり破綻してしまう可能性がでてきます。何件まで買い増ししても大丈夫か?はその方の経済状況によって変わりますが、1つの目安として全物件が空室になっても6カ月程度は持ちこらえられる自己資金と1部屋当たり約20万程度の原状回復費用(3室×20万)を用意しておくことが理想です。なので今回のケースであれば236659円×6か月=1,419,954円と原状回復費用として別途60万程度(合計で約200万程度)の直ぐに使える手元資金を残しておくとよいでしょう。
そもそもそこまでの資産や貯金が無い場合は物件を無計画に買い進めることはお勧めしません。
自宅のローンが組めなくなり失敗
高金利の融資を受け、月収支が大赤字になり失敗
入居の仕組みなどを理解しておらず、管理会社のいいなりによる失敗
物件周辺施設や大学などに頼った立地選びによる失敗
サブリース(家賃保証)の内容を理解せず安易に契約し失敗
東京オリンピック後に不動産価格は下がるの?
オリンピックに向けて東京の不動産価格が上昇しているようですが、その後はどうなるのでしょうか?
との質問を多くいただきます。
その回答としましては、
特に今と変わらない状況が続くと考えます。
なぜならば、ワンルームマンション投資は言い換えれば「単身者の入居需要への投資」です。
オリンピックが終了することで、都内から単身世帯が激減してしまうようなことがあれば確かに影響はあるかもしれません。
しかし、どう考えても「オリンピック終了=単身者の減少」が結びつかないので特に影響はないと考えます。
今後の東京の人口やワンルームマンションの需要について
今後日本の人口は少子高齢化によって減少していくと誰もが予想しています。
しかし、そんな中でも人口減少の影響を最も受けにくいのが「東京」なのであります。
国立社会保障・人口問題研究所の『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年3月推計)』のデータを使用して、2045年の人口ランキングを作ってみました。
2015年から2045年の人口増減率をご覧ください。
この未来の人口予測グラフから分かること
- 東京都は2015年⇒2045年で若干の人口微増予測
- 東京23区ではほぼ全ての区が人口増加予測
- 足立区、葛飾区。江戸川区は人口減少予測
- 地方都市は全て2045年には人口減少予測
このグラフを見ていただければ、東京23区以外でワンルームマンション経営をすることがいかに危険かが分かるでしょう。
また、東京都内では単身世帯が増加し、1世帯当たりの平均人数(2人を割り込んでいます)が減少の一途を辿っております。
つまり、東京は人口そのものもが増え、その上1世帯当たりの平均人数が減少しているわけですから、人口増加の内訳として「単身世帯」がそのほとんどを占めていると言っても過言ではありません。
ワンルームマンション投資は単身世帯への居住ニーズへの投資です。
単身者の多い地域は当然居住ニーズが発生します。
よって東京でのワンルームマンション経営をお勧めしております。
居住ニーズの受け皿である、そもそものワンルームマンションの供給戸数に関しては【単身者人口が爆増!?都内の単身者人口とワンルームマンション供給戸数】に記載しております。
また、ワンルームマンションが急激に増加しない理由は【価格高騰の根源!?ワンルームマンション規制とは??】に詳しく書いておりますのでご覧ください。
東京以外でのワンルームマンション投資はお勧めできない。
最近都心の物件の仕入れ競争激化により、地方物件を販売する区分業者が増えてきました。
上記のグラフでも分かるように、京都、大阪、愛知、兵庫、福岡など、地方の主要都市であっても2045年には人口は減少します。
そんな人口が今後減少していくことが確定している都市で賃貸経営をすることはこの先の「空室リスク」に直結します。
地方都市の物件は東京都内の物件に比べて利回りが高いです。
つまり、その分毎月の収支も良くなります。
※利回りとその仕組みについては【保存版】マンション投資の「表面利回り」と「実質利回り」の違いと計算方法に詳しく記載しております。
目先のシミュレーションや収支の良さで安易に地方物件を選択してしまうと、この先長い目で賃貸経営を考えたときに非常に高いリスクを背負うことも考えておかなければなりません。
事前にしっかりとした知識を持ち、ちゃんと調べた上で物件を購入出来ればリスクは最大限に抑えることができます。
逆にいえば、所有した後はほとんどやることも無いので、購入前にしっかりと検討するための知識を付けていきましょう。