コロナ渦においてもワンルーム投資の人気は健在です。
しかしながら、一部の物件や立地においてはその影響が徐々に出始めているのも確かです。
具体的に影響が出ているのは「賃貸市場」でしょう。
コロナ渦で空室になり、入居付けに苦労したオーナーさんも少なくないでしょう。
そんな中でもとりわけ新築のワンルームマンションの賃貸市場は非常に厄介なことになっています。
今回はそんな新築のワンルームマンションの賃貸募集状況について詳しく見ていきましょう。
※ブログで紹介しきれなかった事例を動画に大量に掲載してますのでご覧ください。
目次
新築ワンルームは大量のAD祭りに
ADをご存じでしょうか?
ADとは広告費のことで、客付け仲介(実際に入居者を決めてくれる賃貸の仲介会社のこと)に報酬として支払われるお金です。
※詳しくは以下の記事で解説しております。
そのADの金額がとてつもないことになっているので、一部をご紹介しましょう。
こちらの物件は東京都墨田区にある2021年3月に建てられた物件ですが、2022年2月になっても入居が付いていないお部屋があるようです。
右下に業務補助料という名のADが付いているのが分かりますね。
つまり、この物件を客付け仲介として入居者に紹介すると、その仲介業者には以下のようなお金が入ってきます。
最大で賃料の5カ月分(AD400%+仲介手数料1か月分)の報酬です。
客付け仲介業者としては非常に美味しい案件となるのが分かりますね。
通常のADはマンションオーナーが支払う訳ですが、新築のワンルームに関して言えば、そのADのほとんどを売主業者やデベロッパーが負担しています。
地域によっても異なりますが、東京都内の通常のADの相場は大体100%(賃料1か月分)程度ですから、その約4倍です。
むしろ、都内の中古ワンルームであればADを付けずに入居者を募集しても即座に入居者が決まってしまうことも少なくありません。
ちなみに以下の記事にもあるように、関西圏に関してはデフォルトのAD設定が東京よりも高めなので要注意です。
少し専門的な話になってしまいましたが、結局のところ言いたいのは
「新築ワンルームマンションは全然入居者つかない!」
ってことです。
最初の入居者が抜けた後は・・・
新築時の1人目の入居者が退去してしまった後のことを考えてみましょう。
新築時は売主業者やデベロッパーが大量のADを負担してくれていました。
しかしながら、2人目の入居募集から、ADは完全にオーナーの自己負担となります。
新築ワンルームマンションを購入すると、毎月のCFはほとんどの場合赤字になります。
そのうえ入居者が退去し、空室になった場合、毎月のローン支払いと募集に必要なAD400%は全てオーナー負担となります。
しかも上記の図面にあるように現在進行形で1年間賃貸が付かない部屋も存在するわけですから、
毎月の持ち出し、長期にわたる空室期間、入居者獲得に必要な大量のADを考えると恐ろしくなりますね・・・
知らぬ間に賃料が減額されている「減賃」の闇
購入した新築物件の賃料が知らぬ間に下げられている・・・
私の部屋に限ってそんなハズは無い!
と思われるかもしれませんが、実は全然あり得ます。
以下の図面をご覧ください。
こちらは2021年7月に建築された都内の新築物件です。
先ずはADが250ですね。
そして、賃料の下に「賃料発生一週間以内で5000円減賃可能!礼金1か月追加でさらに5000円減賃も可能!」と記載が・・・
つまり、条件次第で98000円の賃料が88000円になるということですね。
購入してしょっぱなから賃料減額・・・
購入時のシミュレーションも何もあったもんじゃありません。
減賃(賃料の減額)の事実はオーナーには分からない
このお部屋を購入した方は、賃料98000円+共益費15000円で合計113000円の家賃が入ってくる!とおもっているハズです。
よく考えてみれば、
購入者も113000円の賃料が入る前提で物件を購入しているわけだから、いきなりそれが103000円にダウンしました!
なんて聞いたらトラブルになるんじゃないの?
と思いませんか?
毎月のオーナー持ち出しが単純に1万円増加する訳ですからね。
オーナーがそれを許すとも思えません。
しかしながら、オーナーとしては賃料が減額された事実すら把握できません。
なぜなら業者がサブリースで物件を販売しているからです。
※サブリースについては既に過去の記事で警鐘を鳴らしていますのでご確認ください。
サブリースはサブリース会社がお部屋を借り上げて、そのお部屋を第三者(入居者)に転貸する仕組みです。
つまり、サブリース会社が第三者(入居者)にいくらで貸し出しているのか?はオーナーは基本的に知ることができない仕組みになっているのです。
サブリース会社が入居者にいくらで貸し出そうが、オーナーに毎月定額のサブリース賃料をきちんと払っていれば問題ないよね?
という考え方なのです。
売却時に初めて明るみになる貸出賃料
ワンルームマンションを売却する際には基本的にサブリースを解除することになります。
次にその物件を購入する人の立場になるとわかりやすいです。
なぜなら、実際にいくらで貸に出されているか分からない物件は誰も買いたくないですし、金融機関もそんな物件には融資したくないからです。
よくある売却時のトラブルは以下のようなイメージです。
売却する時になって初めて「サブリースって解約しないといけないんだ」と理解し、そこからサブリースの解約に動き出します。
先ずは第一関門です。
- そもそもサブリースが解約できない
- サブリース解約に多額の違約金(賃料の〇カ月分)が必要
などがよくある事例です。
ここを突破して初めて貸出賃料が分かり、正確な売却価格が出ます。
しかしながら貸出賃料が明るみになることでのトラブルもあります。
- サブリース賃料>実際の貸出賃料
という逆ザヤ状態です。
つまり、サブリース会社が損をしている状態ですね。
オーナーとしては複雑な気持ちになりますね。
サブリース会社が赤字でサブリース賃料を補填してくれていたことはうれしいですが、売却になれば貸出賃料が低いので売却価格が大きく下がってしまうからです。
サブリース契約は最初からしない
このようにサブリース契約はオーナーにとってのデメリットやトラブルが非常に多く、基本的にお勧めできません。
毎月定額の賃料が保証される!と聞けば初心者の方は非常に安心かもしれません。
しかしながら、サブリース契約の裏には深い闇が存在します。
上記のように逆ザヤでサブリース会社がオーナーの出費を負担してくれているような場合も稀に存在しますが、そんな逆ザヤ状態をサブリース会社がいつまでも許容するハズもありません。
サブリース賃料はいつかは必ず減額されますから。
危険な業者や不良物件は1Rシミュレーションで解決
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まとめ
新築ワンルームマンションの危険性はかなり前からブログでも提唱しております。
これは別に今に始まったことではなく、昔からそのような意見はありました。
しかしながら都内の賃料相場の上昇によって、新築であっても賃料を下げなくてもすむ事例が多かったので問題が表面化しなかっただけであると考えております。
昨今の新築ワンルームの賃料相場はあまりにも中古相場とかけ離れているものが多く、購入後数年して賃料が下落する可能性が非常に高いです。
現状で、都内の新築ワンルームにこれだけ大量のADが付与されていることを考えれば、検討時に細心の注意を払わなければなりません。