ワンルームマンション投資で信用棄損?一棟物件購入時に要注意

不動産投資で今後一棟物件も視野に入れて規模をどんどん拡大していきたい。

そんな野望の有る方にはワンルームマンション投資はお勧めできません。

タイトルにも書きましたが、基本的に投資用の区分ワンルームマンションは、一棟物件の融資審査においてマイナスになることが多いからです。

ではなぜマイナスとなるのか?だとしたらワンルーム投資の良さは何か?注意点も含めて詳しく解説していきます。

※動画でも詳しく解説します。

業者のセールストークに騙されてはいけない

代表的なセールストークとしてよく見受けられるのが、

「最初から一棟は敷居が高いので、区分ワンルームでしっかりと賃貸経営の実績を積んでから一棟に移行しましょう。」

というもの。

このようなセールストークがワンルームマンション投資の営業界隈では教科書のように言われています。

しかしながら、実際にふたを開けてみればこれは少し危険な営業トークです。

いままで何人もの方から不動産投資の相談を受けていますが、区分ワンルームから一棟物件に規模を拡大する場合においてワンルームのローン残債が邪魔になり、希望の一棟物件の融資を受けられない、という方が数多くいらっしゃいました。

区分融資が一棟融資の邪魔になる理由

区分も一棟も同じ賃貸物件なのになぜ?と思う方もいるでしょう。

大きく分けてその理由は3つあります。

担保評価が低く見られるから

金融機関が融資する際に重要視する指標が大きく2つあります。

それは

  1. 個人属性
  2. 物件

です。

ワンルームなどの区分融資においては、基本的に1.の個人属性が主にメインで見られる傾向にあります。

勿論、物件も投資対象として適正か否か?は見られますが、主に収益還元法をメインに賃料収入と相場の利回りから逆算する形で融資金額が決まります。

しかしながら、一棟物件に関しては個人属性もはちろん区分よりもさらに厳しく見られますし、物件の融資評価もワンルームに比較すると厳しく見られます。

また、融資評価に関しては、一棟物件の場合は収益還元法はもちろんですが、「積算評価」も重要視する銀行が多いです。

都心の区分ワンルームマンションをこの積算評価で評価すると、例えば販売価格2000万のワンルームが700万~800万程度になってしまう場合が多いです。

そうなると、

  • 2000万(購入価格)-800万(積算評価)=-1200万

という形になり、フルローンで物件を購入している場合だと、積算評価で-1200万の債務超過つまりは信用棄損の状態とみられてしまうのです。

これこそが都心の区分ワンルームが一棟物件購入時の足かせになる最も大きな原因です。

確定申告で赤字申告の場合が多いから

確定申告における赤字申告はワンルーム投資でよくみられる光景です。

特に購入から数年は物件購入時の諸経費や設備部分の減価償却の経費計上で大きく不動産所得が赤字になる場合が多いです。

例えば確定申告をして不動産所得が赤字でー200万だったとしましょう。

それに対して会社員での年収が1000万だった場合。

  • 1000万(給与)-200万(不動産所得)=800万

になります。

そうなると年収1000万ではなく、年収800万として審査されます。

区分ワンルームの融資であれば、不動産所得が赤字があったとしても基本的に会社員の給与の方を年収(1000万)として審査してくれますが、一棟の融資になると申告後の所得(800万)で審査される傾向にあります。

赤字申告で節税になること自体は購入者にとってはメリットですが、一棟の融資審査や居住用の住宅ローン審査においてはマイナスに働くこともあるので注意しましょう。

CFがそもそもマイナスの場合が多いから

都心のワンルームは利回りが低いです。

  • 新築なら3%~4%
  • 築浅中古なら4%~5%

になります。

この場合、実質利回りは3~4%程度になります。

この場合、借入金利が2%程度と仮定すると、毎月のキャッシュフローは若干赤字になります。

これもまた、一棟の融資を受けるのに際してマイナスの評価となりやすいです。

自宅購入時にも要注意

一棟の融資とは関係ありませんが、ワンルームを複数ローンで保有すると自宅を購入できなくなる可能性があります。

これも上記の理由同様に信用棄損とみなされることが多いからです(銀行にもよる)。

よって、ワンルームを購入する場合は将来的な自宅購入時の与信枠を残して投資するように注意しましょう。

最初に区分か一棟かをはっきりする

そもそも一棟物件でどんどん物件を買い増し、とにかく攻めの投資をしたい方はそもそも最初から区分マンションは買わない方が無難でしょう。

区分マンション1部屋程度であれば、ある程度の与信があればその後に一棟の物件購入も可能です。

しかしながら、自身の与信枠を区分ワンルームの融資で全て使ってしまうと、一棟物件の融資の足かせとなることは間違いありません。

よって、自身の投資スタンスを最初から明確にすることが最も効率的です。

区分マンション投資の良さは?

都心部の区分マンションの良さはその運用の手堅さにあると考えます。

値段は高く、利回りはそこまで高くないわけですから短期間で大きく利益をだしたり、投資規模を急拡大していくような事業ではありません。

しかしながら、賃貸需要の底堅さだったり、経年による値崩れのしにくさから非常に安定性のある投資と言えます。

また、設備費用やメンテナンス費用に関しても1室だけであれば、たかが知れています。

建物の共用部分に関しても区分所有のため、基本的には建物管理会社に一任することでオーナーとしての手間も省けます。

時間をかけてじっくりと利益をだしていく投資といえるでしょう。

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まとめ

区分マンション、一棟マンションそれぞれにメリットデメリットがあります。

自分自身の投資スタイルを明確にしたうえで、自己資金や与信など加味し合理的に物件を選択するように注意しましょう。