現在ワンルームを保有しているほとんどの方は、大家業務を賃貸管理会社に委託しています。
この賃貸管理に関しては、基本的に「契約期間」が存在し、一定期間を経過すると自動的に更新するシステムになっております。
いままでは自動更新だったのに、急に新しい賃貸管理の契約書が郵送されてきて、内容も見ずにサインしていませんか?
昨今のワンルーム業界の情勢もあり、オーナーにとって非常に不利な管理契約が散見されます。
ではそのオーナーにとって不利な管理契約とはどういった内容なのか?
ふたを開けるととんでもないトラップ(罠)が満載でした。
※動画ではさらに詳しく解説しております。
目次
集金代行がサブリースに変更
集金代行とは一般管理のことを言います。
通常の管理会社では「集金代行契約」と「サブリース契約」のどちらかを選択することができます。
しかしながら、昨今では管理契約がサブリースのみとなり、集金代行をそもそも選択できないパターンの管理会社(売主業者)もかなり増えてきています。
手数料で考えると、
- 集金代行契約は家賃の約5%
- サブリース契約は家賃の10%
と言われています。
なので、今回のように集金代行をサブリースに変更すると、手数料が増加し、毎月のオーナー手取りが少なくなるのでは?
との懸念が出るわけですが、いままでの手取り賃料は変わらず、集金代行契約をサブリース契約にしてしまう管理会社が増えているのです。
既存の集金代行オーナーとしては、
「毎月の手取り収入が変わらないなら、空室の心配をしなくて良いサブリース契約に変更した方が絶対お得じゃん!」
と安易になってしまう訳です。
しかしながらサブリースにはいくつものデメリットが潜んでおり、基本的にお勧めできるものではありません。
ここで1つ大きな疑問が。
「低い手数料でサブリースする=サブリース会社のリスクになるのでは?なぜそもそもそんなリスクを冒してまでサブリース契約を推奨するの?」
結論からいうと、「管理契約を解除できないようにするため」です。
なぜ管理を解除できないようにするのか?と思うかもしれませんが、それは
「物件を他社に売却できないようにするため」です。
昨今のワンルーム売却価格の高騰によって、ワンルームを手放すオーナーが増えました。
もちろんその手放したワンルームは三為で次の買い手が提携ローンを使って購入する訳ですが。
ワンルームを管理している管理会社からすれば、管理しているワンルームを売却されると、同時に管理を外されてしまうので毎月の管理手数料が入ってこなくなってしまいます。
賃貸管理は非常に安定したビジネスモデルですが、その収益源となる管理物件が減少すればその経営も危うくなります。
また、管理を外せないようにすることで、他社への物件売却を阻止することができるようになり、将来的に自社で物件を買い取り再販売できるようになるという仕組みです。
もちろん買取価格は業者次第なので相場よりも大きく下がります。
管理解約時の違約金が大幅にアップ
集金代行契約を解除する際に、ほとんどの管理会社で違約金がかかります。
違約金の相場としては
- 賃料の3カ月分から6カ月分の解約手数料
をとる会社が多いです。
以前は集金代行手数料の数カ月分という会社も多かったですが、それだと容易に管理契約を解除されてしまうので、管理を解約させないように違約金をアップさせたという訳ですね。
これもまた他社への売却を阻止する意味合いが強く、多額の手数料を取ることで、他社に売却しにくくする意図があります。
管理解約のタイミングに縛りを設ける
集金代行契約を解約する際に、基本的に違約金を払えばいつでも解除できるパターンと、違約金を支払ったうえで集金代行契約の更新のタイミングで解除できるパターンも存在します。
更新のタイミングの3カ月~6か月前に書面で解約の旨を申請しなければならないことがおおです。
集金代行契約の契約期間に関しては2年~5年程度の会社が多く、解約申請期間が長期化すればするほど管理解約は難航する傾向にあります。
まとめ
賃貸管理の契約書は非常に重要です。
物件購入時に売買契約書の内容をしっかり把握することももちろん大切ですが、管理契約の内容もそれと同じくらい大切です。
ワンルームマンション投資は保有中にインカムゲインを得て、売却することでキャピタルゲインをとることができる投資です。
不利な管理契約の内容によって、売却できないなどの最悪の事態にならないように注意しましょう。