最近インターネットの広告バナーなどで、「医師専門の不動産投資」などと謳った広告が多く見受けられるようになりました。
医師は高収入の方が多く、ワンルームを複数件所有することが可能です。
また、金融機関によっては医師のみの特別優遇金利なども存在します。
一般の方々よりも有利に投資を始められる状態であるにも関わらず、ワンルーム投資に失敗して相談に来る医師が大勢いらっしゃいます。
今回は医師の方から受ける相談内容と、なぜそのような状態に陥ってしまうのか、そうならない為のポイントなど詳しく解説していきます。
目次
投資検討する時間がない
医師は長時間労働でワンルーム投資をじっくり検討する時間が取れない、という方も多いです。
その為、ワンルーム投資について少しでもネットや本で調べれば防げる簡単なトラップにも引っかかってしまうのです。
自分は投資の専門家ではないから不動産屋に全て任せよう、という丸投げのスタンスでは業者のカモにされてしまうだけです。
不動産投資に対する知識不足
そもそも医療業界と不動産業界では畑が大きく異なります。
よって、ほとんどの医師は不動産の素人ということになります。
知識が乏しい中で、業者の言われるがままに粗悪な物件を購入してしまい、後悔する医師が後を絶ちません。
医師という職業への過信
医師の給与は一般的な会社員や公務員に比べて高いです。
その収入の高さ故、自分自身が不動産投資でも成功しやすいと勘違いしてしまう方も一定数いらっしゃいます。
また、いわゆるエリートと呼ばれる人生を送って来られた方も多く、挫折や失敗の経験が少ないのも過信の1つの要因になっていると考えられます。
育ちがよく素直な人が多い
私にもたくさんの医師のお客様がいますが、皆一様に育ちが良いです。
なので、そもそも「人を疑う」ということを知らない性格の人が多いのも事実です。
良い意味でいえば「素直な人」です。
業者の営業トークをそのまま真に受けてしまい、与信の続く限り粗悪な物件を購入してしまう人もいるのです。
医師のワンルーム投資失敗事例
日々多くの相談を受ける中で、医師の不動産投資失敗事例はいくつかに分けることができます。
ほとんどの場合、購入時点で既に失敗が決まってしまいます。
- 新築ワンルームを複数購入し失敗
- 節税効果を妄信して失敗
- 購入後にかかる経費を理解しておらず失敗
- 電話勧誘から物件購入し失敗
- 知人の医師から紹介を受け物件購入し失敗
- ブローカー経由で物件購入し失敗
- サブリースで失敗
新築ワンルームを複数購入し失敗
ご相談に来るお医者様のほとんどが、この相談です。
基本的に新築ワンルームは購入してはいけません。
中には関西方面の有名デベロッパーの新築ワンルームを10件以上購入し、賃料が下がり、毎月の持ち出し(赤字キャッシュフロー)が多く負担しきれないという方もいました。
購入当初は負担も少なく、節税効果もあったので負担に思うこともなかったそうです。
以前にも書きましたが、毎月のマイナス収支を節税でごまかしてしまう悪質なシミュレーションを提案する業者が多数いるので注意が必要です。
意図的に節税額を大きくシミュレーションし、お客様を騙す業者も存在します。
また、通常の会社員なら融資を受けられないような粗悪なワンルームや一棟物件も「医師という高属性」から融資を組むことができてしまう事例も存在しますので注意が必要です。
節税効果を妄信して失敗
ワンルームマンション投資には節税効果があります。
医師は通常の会社員に比べて年収が高いく、その分納める税金も高額になります。
日本の所得税率は年収が高くなるにつれて、その分税率も高くなる「累進課税制度」が適用されます。
税率が高くなればなるほど節税の効果も高くなります。
しかしながら、ワンルーム投資の節税効果は一過性のものに過ぎません。
もっと言えば、節税になるのは購入後数年間のみで、その後は節税にならない場合が多いのが事実です。
また中長期で物件を保有し不動産所得がプラスに転じた場合には節税ではなく納税となります。
その際の納税は医師の年収に合算して不動産所得の所得税、住民税を納めなければならなくなりますから、一般の会社員や公務員よりも納税額は大きくなります。
節税目的で一度に複数の投資物件を購入し、購入後数年間は毎月のキャッシュフローの赤字も節税や還付金で上手く補填できていたが、その節税もなくなり単純に毎月の大きなキャッシュフローの赤字だけが残ってしまう・・・
このような失敗事例は非常に多いです。
ワンルーム投資がなぜ節税になるのか?
なぜ節税金額が少なくなるのか?
その仕組みを上記の記事でしっかりと理解しましょう。
ワンルーム購入後の経費について考えていない
ワンルームマンションを長期で保有するにあたって、一定の経費が掛かります。
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 原状回復費用
- クリーニング費用
- 設備の交換費用
- 入居付けにかかる広告費
- 入居付けにかかる手数料
- 火災保険料・地震保険料
- 不動産所得黒字化による納税
などです。
現状回復や設備の交換費用に関しては、管理会社からオーナーに費用の請求がきます。しかしながら、そもそも設備や原状回復の相場が分からない方が多く、管理会社の言いなりで費用を払うことになります。
悪質な管理会社だと、オーナーさんが何も知らないことを良いことに、ぼったくりともいえる高額な原状回復費用を請求するパターンも多いです。
オーナーが医師ということもあり、金銭的に余裕があることを逆手にとって高額な請求をする訳ですね。
中には、高額な費用だけ請求して、明細等を一切見せない!という信じられない管理会社も存在しました。
また、新しい入居者が入れ替わるたびに1カ月分の賃料(広告費という名目で)をオーナーさんに請求する管理会社も多いです。
マンション購入時に、管理会社と管理委託契約を結ぶ訳ですが、その契約内容について隅々まで目を通す人はあまりいません。
入退去の度に高額な費用を請求され、それが複数件に上り、しかも毎月のキャッシュフローが大きな赤字なので、経営が立ち行かなくなるわけです。
医師専用の院内携帯に直接の電話勧誘
病院に勤務している先生であれば、既にあるあるかと存じます。
一般には公開されていない、病院内の専用の携帯に直接業者からマンション投資の勧誘電話がかかってくるのです。
中には、病院関係者のフリをして連絡してくる輩も存在するようなので、注意してください。
大手のワンルームマンション投資会社でも未だに直接電話営業をしている会社もあるようです。
基本的に突然電話営業をかけてくるような会社を相手にしてはいけません。
もし本当に競争率の高い優良な物件であれば、わざわざ売り込まなくても自然に売れます。
自然に売れない物件、つまりは粗悪な物件だからこそ強力な売り込み営業によって契約させる必要があるのです。
業者のカモにされないよう注意してください。
知人の医師から紹介を受け物件購入し失敗
医師同士のネットワークは強く、知人や先輩医師からワンルーム投資の勧誘を受けることも多いでしょう。
しかしながら、紹介元の医師は「多額の紹介料」を業者から受け取っています。
そんな多額の紹介料がでるような物件もまた粗悪な物件が非常に多いです。
少し考えれば分かることですが、紹介料がなぜそんなに多く出せるのか?を冷静に考えれば分かることです。
紹介料は物件価格に転嫁されているわけです。
そんな高値の物件を購入して不動産投資で失敗してしまう医師が後を絶ちません。
ブローカー経由で物件購入し失敗
不動産ブローカーとは宅建免許を持たない(無免許)で不動産売買や仲介を斡旋する人を言います。
- 資産コンサルタント
- 不動産コンサルタント
- 不動産コンシェルジュ
- ファイナンシャルプランナー
肩書をみれば立派に見えるかもしれませんが、要は無免許のならず者です。
医師を不動産業者に紹介して多額の紹介料を得ます。
免許もないので、実際の不動産売買契約においてはブローカーの名前は出てきません。
不動産投資ブログや不動産投資のYOUTUBEを上げているインフルエンサーなどで、物件紹介や業者紹介という文言があればそれはブローカーと認識してください。
彼らは不動産業者ではない為、契約後に万が一トラブルがあっても一切責任は負いません。
何の責任も負わない中で数千万という不動産の斡旋をしているのです。彼らの話や営業トークを鵜呑みにすることが如何に危険か理解できると思います。
サブリースで失敗
サブリースは購入後の手間も少なく、忙しい医師にとってはピッタリの管理形態かのように思われます。
空室になってもサブリース会社が家賃を保証してくれます。
しかしながら、昨今サブリースは様々な問題が表面化しており、結論からいうとお勧めできません。
サブリースの主なデメリットとしては
- サブリース手数料が高額
- サブリース賃料の一方的な引き下げ
- サブリースを解除できない
- 売却価格が大幅に低くなる
など数おおくあります。
メリットももちろんありますが、それ以上にデメリットが大きすぎます。万が一サブリースを検討している場合はしっかりと契約内容を把握するようにご注意ください。
若い医師(後期研修医)が業者のターゲットに
初期研修医の間は基本的に給与が低い(例外もあるが)ので、業者もあまり営業しません。
しかし、後期研修医になるとある程度の収入となり、ほとんどの医師が投資マンションを購入できる属性となります。
年齢も若く、素直な人が多いので、非常に投資マンションを購入しやすい傾向にあります。
医師専門業者などには要注意
広告などで「医師専門」などと謳った不動産投資会社が最近目立つようになりました。
しかし、その中身を実際見てみると、単なる新築ワンルームのはめ込み業者がほとんどです。
「〇〇専門」といったような触れ込みの業者には特に要注意です。
動画でも解説しております。
医師の与信を上手に使えば有利に投資できる
医師という与信は非常に特別なものです。
普通の人であれば、借りられないような金額を、より低い金利で借り入れられます。
つまり、ワンルームマンション投資をするにあたってスタート地点が既に有利なのです。
しっかりとワンルーム投資について学び、適切な物件を適切な業者で比較検討することが大切です。
顧客の属性がダイレクトに投資結果に反映されるのはワンルームマンション投資の大きな特徴の1つです。
医師がワンルーム投資で成功しやすい理由
医師はワンルーム投資で騙され失敗する人が多くいる反面、上手に運用し成功している方も多くいます。
ではなぜ医師がワンルーム投資で成功しやすいのかその理由を記載していきます。
融資金利が優遇されている
投資用ワンルームマンションの融資で有名なイオン住宅ローンでは、通常金利は1.992%ですが、医師だと特別金利が適用され、1.788%となります。
低金利でお金を借りることができればその分投資効率は良くなり、不動産投資で成功する確率も上昇します。
与信枠が優遇されている
例えば一般的なワンルーム投資における金融機関の総額借り入れは年収の8倍までとする銀行が多いです。
しかしながら、医師は年収が高く、安定した職業であるため多額のローンをさら借り入れができます。
例えば年収2000万程度の医師であれば、年収の10倍以上の2~3億円程度の借入も可能です。
一般の会社員よりもより大きな規模で物件を購入しスケールすることが可能となります。
節税効果が大きい
日本の税金は累進課税制度により、所得が多ければ多いほど税率が高くなります。
前述しましたが、節税効果の期間が限定的ではありますが、購入当初の数年間においては節税になります。
その際には当然に税率が高ければ高いほど節税になる金額も大きくなります。
購入初年度はワンルームマンション1室の購入で50万~60万程度の還付金を受けられるケースもあります。
与信枠を過信しないように注意
与信枠をフルに使ってしまうと、新たなローンは借りられなくなります。
投資マンションのせいで自宅のローンが組めずに困っている医師の方も大勢います。
【悲報】フラット35融資基準が激変!ワンルーム投資家は自宅買えない?
また、勤務医の中には将来的に開業を考えている方も多くいらっしゃるでしょう。
クリニックや病院を開業するには多額の資金が必要になります。
開業資金は金融機関からの借り入れで調達するのが一般的です。
しかし、その融資審査で所有しているワンルームが与信を圧迫して「開業資金が借りられない」というご相談も非常に多いです。
ローンは無限に借りられるものではありません。
借り続ければいつか天井がやってきます。
よって、ワンルームを購入する場合には将来的な自宅購入や開業資金などのリスクも加味した上で、計画的に投資しましょう。
医師がワンルーム投資で失敗しない為に
ワンルーム投資にいける失敗事例のほとんどが「勉強不足、知識不足」によるものです。
よって、先ずは体系的にワンルームマンション投資について学ぶ必要性があります。
東京1Rではワンルームマンション投資の専門書を3冊出版しております。また毎週オンラインにてワンルームマンション投資セミナーも開催しております。
そこから複数の不動産業者に資料請求し、実際に物件の提案を受けてみましょう。
その提案物件を東京1Rの開発した1Rシミュレーションにご入力いただければ高確率で危険な物件は排除することができます。
また、それだけでご心配なかたは個別相談のプランなどもご用意しておりますのでご利用ください。
危険な業者や不良物件は1Rシミュレーションで解決
開発に丸1年費やしました。
東京1Rが開発したワンルームマンション投資専用のシミュレーションサイト「1Rシミュレーション」を無料プレゼントします。
単純な収支計算はもちろん、将来的な売却予測から購入物件の注意点までワンルームマンション投資について学びながらシミュレーションできる業界初のコンテンツ型シミュレーションサイトです。
・「シミュレート」機能
・「アラート(危険回避)」機能
・「診断(業者・銀行・物件など)」機能
・「シミュレーションをシートでダウンロード」機能
など多彩な機能で、購入条件を打ち込むだけで危険な物件を自動でアラートしてくれます。
悪質な業者や不良物件をこのサイト1つで簡単に誰でも見極めることができます。