都内の中古ワンルームは投資用物件としてサラリーマンや会社員に非常に人気です。
価格も新築ほど高くはなく、それに対して賃料は安定して取れるからです。
そんな中古ワンルームの購入に際して、購入の種別が2種類存在します。
それが「業者売主物件・仲介物件」です。
特に築浅の中古ワンルームマンションを保有しているオーナーのほとんどが「業者売主物件」を購入されています。
今回はそんな業者売主の中古ワンルーム価格に変化の兆しがみられたので、その詳細を解説していきます。
※動画でも詳しく解説しております。
目次
中古ワンルーム価格=金融機関の融資評価額
先ず第一前提として、業者売主の中古ワンルームの売り出し価格は不動産業者が決めているわけではありません。
基本的には「その物件に融資する金融機関」が決めています。
業者が売主で中古ワンルームを販売する場合、そのほとんどが不動産業者が提携している金融機関(オリックス・ジャックスなど)を使って物件を販売します。
つまり、融資銀行がその物件にいくらまで融資するのか(評価額)?で価格が決まります。
そして、これまではほとんどの場合が「融資評価額=販売価格」という下記の図式でした。
金融機関の評価額以上の値付けに
ここ最近ですが、様々なワンルーム業者の提案内容を見ていると、金融機関の評価額以上の価格で販売している業者も出てきました。
通常は、提携金融機関と販売不動産業者との取り決めで、評価額以上の価格では基本的に販売しない仕組みになっていました。
しかしながら、最近は例外的に一部の売主業者では評価額以上での販売が認められているようです。
そのような場合の販売価格の仕組みは以下のようになります。
融資金額は今まで通り2300万です。
しかしながら、それ以上の金額(2400万ー2300万=100万)に関しては頭金として現金で回収する仕組みです。
販売価格が2400万、融資金額のマックスが2300万、差額100万は頭金。
このような提案内容の物件が徐々に増えてきております。
今後予想されること
このような状況になっている最も大きな要因は「仕入れ価格の値上がりによる販売業者の利益率低下」によるものです。
売主不動産業者がワンルームを販売する為には物件を仕入れなくてはいけません。
その仕入れ値が昨今どんどん高値になっているのです。
それに対して、不動産業者は販売価格を値上げして一定の利益幅を確保したいわけですが、金融機関の融資評価が一定以上伸びないのでそういう訳にもいきません。
つまり、不動産業者がどんどん薄利になっているのです。
融資評価が伸びないなら、その分頭金を取る形で販売価格を上げて利益率を確保しよう、という考えです。
2023年3月現在においてはこのような販売をしているのは一部の業者そしてその中でも一部の物件に限られています。
しかしながら、今以上に仕入れ値が高騰すればこのような販売をする業者も当然に増えてくるでしょう。
そうなれば、もはや当たり前となっている「ワンルームマンション投資=フルローン」の公式が大きく崩れることになります。
既存のワンルームオーナーにとっては自分の保有するワンルームの価値が上昇するので非常に良いことです。
しかしながら購入層にとっては頭金の多さが購入のハードルを上げることになるので、今よりも「買いにくい」状況になるでしょう。
注意点
中古ワンルーム購入に際して「頭金が必要=割高」と決めつけるのは時期尚早です。
なぜなら、頭金が必要な場合というのは上記のように評価額以上の価格で販売している場合に限ったことではないからです。
可能性として考えられるのは
- 金融機関がそもそも頭金10%程度を入れる前提の銀行を使う(SBJなど)
- 購入者属性が弱く、金融機関からの与信審査で問題がある場合
などです。
このような可能性も加味した上で総合的に考えなければなりません。
価格に関してはエリア・築年数ごとの評価利回りをマスターすれば自然と金融機関の評価額は計算できるようになります。
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まとめ
ここ数年ワンルームマンション投資業界を取り巻く状況は大きく変化しています。
昨年には金融機関の評価利回りが1段階下がることで、価格が全体的に値上がりしました。
築浅中古ワンルームの仕入れ競争は激化し、詐欺まがいの物件買取や犯罪スレスレの営業手法で物件を仕入れる業者もでてきました。
物件保有者には毎週ご自宅に山のように仲介業者から売却DMがくることからも予想できると思いますが、とにかく築浅の中古ワンルームが市場では品薄状態が続いています。
既存の物件保有者にとっては物件が高値で売却できる非常に良い時期とも言えます。
しかしながら、購入に関しては今回のように評価額以上での購入になると回収に時間がかかり損益分岐が今以上に先になってしまう可能性が高いです。
現状では当たり前のフルローン融資が近い将来当たり前でなくなる可能性も加味した上で、慎重に物件検討していく姿勢が必要になるでしょう。