現状の結論から申しますと、一棟の借り換えは非常に難しいです。
なぜならば、そのほとんどがスルガ銀行より融資を受けているからであります。
正確に言うとスルガから融資を受けているからダメなのではなく、スルガからしか融資をしてもらえないような物件だからダメなのです。
先ず、不動産には法定耐用年数というものがあります。
各不動産の大まかな法定耐用年数は以下の通りです。
軽量鉄骨造 19年
木造 22年
鉄骨造 34年
鉄筋コンクリート造 47年
一般的なRCマンションは一番下の鉄筋コンクリート造にあたります。
ちなみに、それぞれの建物構造の違いは過去の記事で説明しておりますので、ご確認下さい。
基本的にどちらの銀行さんも法定耐用年数以内の融資期間を設定されることが多いです。
一般的に融資の最長年数は(オリックス銀行やリコーリースなどを除いて)35年が普通です。
つまり、鉄筋コンクリートのマンションなどに関して言うと築年数が13年以上の物件をフルローン(35年)で購入すると、必然的に法定耐用年数を超えてしまうのです。
例えば築15年程度の鉄筋コンクリートマンションをフルローン(35年)で購入すると、ローンを完済するころに物件は築50年となっています。
ということは法定耐用年数の47年を3年超えてしまっているわけですね。
金融機関によっては、この法定耐用年数以上の融資期間を受けられない場合が多いのです。
目次
スルガ銀行における一棟マンションでよくあるパターン
①法廷対応年数を大きく超えてフルローンで融資を受けている。
築20年から30年程度の物件をフルローンで購入しているので、法定耐用年数を数十年オーバーしているパターンです。
一般的な金融機関ではそこまで大きく法定耐用年数を超えて融資を受けることができません。
ところが、スルガ銀行に関してはそれが出来てしまっていたわけです。
当然築年数が経過している分ある程度の利回りは確保できますので、フルローンで融資が引ければキャッシュフローを残すことも容易でした。
②都心の物件ではなく地方の物件が多い
東京都内などの都心の物件ではなく、地方都市の物件が非常に多いです。
都心の物件だと競争率が高くどうしても利回りが低い(理由はこちらの記事を参照してください)のでスルガの高金利だと、キャッシュフローが出ないからですね。
だからこそ、地方の比較的競争率が低い一棟物件というパターンが多いです。
③サブリース(家賃保証)
これは半々くらいのイメージですが、中にはサブリース(家賃保証)で一括借り上げとなっている物件も多いです。
前にブログでも言及しておりますが、このサブリースが非常に大きな問題を抱えているパターンが多いです。
実際にサブリース契約をしてしまうと、実際の貸出賃料が分からなかったり、そもそもの一棟の物件の入居率がどのくらいなのか?を把握することも難しかったりします。
なぜなら、サブリース契約ですとその一棟のお部屋の入居者は名目上「管理会社」となるからです。
つまり、その管理会社が一般の入居者さんにお部屋を貸し出す(転貸)訳ですが、その転貸先の情報をオーナーに知らせる必要はないからですね。
そのサブリース契約に関しても数年でサブリース賃料が引き下げられてしまい、結果収支が大きくマイナスになってしまうパターンなどもあります。
こちらは非常に悪質なパターンですが、最初から入居者が付かないような高額な賃料設定のサブリース契約をして、スルガ銀行に対して高めの評価依頼をし、数年経った頃に一気にサブリース賃料を引き下げるというものです。ほとんど詐欺ですよね。
④積算評価を大きく割っている
通常、1棟マンションなどの融資を受ける際に積算評価というものを計算します。
積算評価に関しては過去記事で詳しくお話ししていますので、ご参照ください。
この積算評価に関しては、金融機関にもよりますが、多くの金融機関はこの積算評価を上回るような融資をしません。
つまり、購入しようとする物件が積算評価以上の価格設定だったりすると、必然的にローンを組める額が低くなりますので、その差額は自己資金を使わなければならなくなります。
ただし、スルガ銀行に関してはこの積算評価に関して他の金融機関よりも甘めに融資を出してくれていたのです。
なので積算評価の低い物件であっても自己資金をほとんど出さずに物件を購入出来ていたのです。
⑤購入者属性が年収700万~1000万層が多い
一般的に年収の7倍から10倍程度までの融資額を限度として貸し付けをする金融機関が多いですが、スルガ銀行に関しては年収の20倍から30倍程度まで貸し出している事例が多いです。
その中でも年収のボリュームゾーンでいうと700万から1000万くらいの方が一番多く、次に1000万から1500万くらいの方が多いイメージですね。
この年収層ですと、一般的にメガバンクから融資を受けることは難しいです。
そんな方々が、一棟物件を購入するためにはスルガ銀行を使わざるを得ないのであります。
しかも先にも述べたように、年収に対しての数十倍という借り入れをしている方が多いので、他の金融機関で借り換えの相談をしても既に基準オーバーとなってしまうのです。
借り換え持ち込みは提携業者かINVASE社から
業者にとって借り換えは何のメリットもありません。
手間だけかかってお金が入ってこない・・・
そんな案件です。
なので、一般的には
- 借り換え手伝ってあげるから新規の物件も購入してね
というパターンがほとんどです。
また、借り換えをにおわせて先に新規物件を購入させて、借り換えをせずに逃げるという「借り換え詐欺」も横行しておりますので注意しなければなりません。
※マンション投資ローンの借り換え詐欺に要注意!詐欺業者の手口を暴露
借り換え詐欺の相談。
ワンルーム2件保有で、仲介業者から1件売却すれば残り1件は借り換えできる!と言われ、売却損だして売却(足りない分はフリーローンまで組ます)。結果借り換えできず。
そちらの仲介業者の企業理念がこちら
「我々は目先の利益を追及しない!」だって。— 東京1R (@fudousan_toshi) February 3, 2022
それらのリスクを考えると、借り換え専門業者のINVASE社からの借り換え持ち込みが現状最も効率的と考えられます。
こちらの会社様は投資物件専門の借り換え業者様になります。
独自の提携ローンなどを開拓しており、想像以上の借り換えメリットを享受できるかもしれません。
無料で借り換え診断ができますので、是非下記リンクよりお試しください。
まとめ
以上の5つの理由から、スルガ銀行で一棟をお持ちの方が借り換えをするのは非常に難しい現状はありますが、実際に上記のサービスを使って借り換えに成功した事例もございます。
また、三為業者による一棟セミナーなどの広告も多いかと思いますが、このスルガを使った地方一棟物件には本当に注意してください(三為業者に関しては過去記事を参照してください)。
また、スルガ銀行で既に物件を所有しており、毎月の収支でお困りの方に関しては最大限収支改善の努力をしていきましょう。
収支改善に関しては以下の記事を参照してください。