借り換えや売却の際に家賃保証であるが故に起こるトラブル相談が非常に多いです。
区分のワンルームマンション投資を行っているサラリーマン大家さんは、家賃保証(サブリース)契約を結んでいる方も非常に多いのではないでしょうか?
なぜサブリースを選ぶのかと言えば、空室時のリスクヘッジの為なのでしょうが、実はそのリスクを回避するために契約した家賃保証(サブリース)契約そのものがトラブルの元凶となることも少なくありません。
以前にも似たような記事を記載しましたが、家賃保証のトラブルは大きく分けて4つです。
目次
家賃保証の4大トラブル
- 保証賃料の減額
- 管理会社都合の一方的な解約
- こちらから解約しようとすると多額の違約金
- 実際の貸し出し賃料の分かる書類を出してもらえない(転貸先の実際の賃貸借契約書)
前回の記事で、ワンルームマンションの売却方法や売却に関してのご説明をしましたが、ワンルームを「売却」するには必ず不動産業者に価格査定の見積もりを出してもらわなければなりません。
その見積もりを出すにあたって、「4、実際の貸し出し賃料の分かる書類」が必須となってきます。
過去記事でもお話ししましたが、実はこの書類を準備するハードルが凄く高いんです。ちなみに家賃保証(サブリース)契約の基本的な構図は下記のとおりです。
図の①でマンションオーナーと賃貸管理会社との間で賃貸借契約を結びます。
もちろん賃貸管理会社がそのお部屋に入居するわけではなく、第三者の入居者へそのお部屋を転貸するわけですが、その第三者への転貸にあたって、形式上賃貸管理会社が入居者となるのです。
通常はこの①の契約が家賃保証(サブリース)契約と言われるものです。
契約書に書いてある内容としては、大きく分けると次の5つです。
- 契約期間(一生ではありません)
- 保証賃料減額の旨(一生定額ではありません)
- 管理会社の都合でいつでも解約できる旨
- オーナー側から解約する場合は違約金を取る旨
- 転貸先の情報に関しては開示しなくてよい旨(図でいうなら②)
このブログを昔からお読みいただいている方であれば、1,2,3,4に関しては周知の事実でしょう。また、5,に関しても過去記事で触れています。
ただし、実際に「売却」や「借り換え」となった場合には、図の②の賃貸管理会社と入居者との賃貸借契約書が必要になってくるのです(転貸先の賃貸借契約書)。
でも、家賃保証契約書には図の②の実際の賃貸借契約書は見せなくても良いことになっている訳です・・・。
そうなると、オーナーとしては家賃保証契約書上、転貸先の情報(賃貸借契約書)を取得することが物理的にできないようになってしまいます。
そうなると実際の貸出賃料が分からないので、正しい売却査定額ももちろん出ません。
借り換えに際しても正しい評価が出せないので、借り換えできなくなってしまいます。
転貸先の賃貸借契約書を見せてもらえない場合の対処法
ズバリ、「借り換えするから!」と言いましょう。
「売却するから」と言ってしまうと、サブリースを打ち切られるのを回避するため、わざと転貸先の賃貸借契約書を見せないようにする悪質な管理会社も多く存在します。
借り換えであれば、賃貸管理会社も管理を切られる訳ではないので、多少状況を勘案してくれる可能性が高いです。
とにかく粘り強く管理会社と交渉することが大切です。
実際に借り換えできる属性や物件なのに、転貸先の賃貸借契約書類を管理会社が出さないせいで、今後の毎月の収支が大きく変わってくるのですから。
実際にこの方法で、転貸先の賃貸管理契約書を取得されたお客様も多くいらっしゃいます。
管理会社と揉めるのはあまり得策ではありませんが、このような状況の場合は仕方無いです。
契約書をひっくり返すには、無理を押し通すエネルギーが必要です。
サブリース契約に頼らないマンション投資を
そもそも、サブリース契約自体がおすすめできません。初めて不動産投資に挑戦する方ですと、空室を必要以上に心配される気持ちは良くわかります。
空室を埋めるためにオーナーが出来ることは実はいくつもあります。先ずは下記のため方法を試してみてください。
そして、最終的には家賃を下げるという手もある訳です。
家賃保証(サブリース)契約でも結局は管理会社都合で、なんだかんだと理由をつけて保証賃料を減額される訳ですから、結果は同じです。
むしろ、毎月の管理手数料を多く取られ、尚且つ礼金や更新料などの臨時収入も全て管理会社に持っていかれて、挙句売却も非常にしづらくなり、解約するには違約金・・・こんな契約はそもそも結ぶ必要はありません。
場所が微妙なら家賃保証をするのも分かりますが、微妙な場所なら賃貸経営をそもそもすべきではありません。
やはり、賃貸経営の基本は通常の集金代行契約です。
都内のワンルームで家賃保証契約を結ばれている方は、実際に自分のお部屋がいくらで貸しに出されているのかをしっかり把握し、一体いくら管理会社に収入が入っているのかをこの機会にしっかりと理解しておきましょう。