中古ワンルームマンション投資会社の最新の利益事情を大公開

昨今のワンルーム販売業者の売買利益率は低下の一途をたどっています。

中古のワンルームマンション販売業者はどのくらいの売買利益を得ているのでしょうか?

実際のワンルーム1部屋当たりの業者の売買利益を公開します。

提携ローン制度から成り立つ現在の業界を取り巻く環境、今後のワンルーム投資の展望も踏まえて解説していきましょう。

※動画で詳しく解説してます。

ワンルーム1部屋当たりの売買利益は約150万程度

2023年現在の中古ワンルームマンション販売業者の1部屋当たりの売買利益は約150万程度です。

ここでいう利益とは

  • 販売価格ー仕入れ価格=業者の売買利益

という計算です。

ほんの数年前までは業者利益300万程度が相場でしたが、業者利益がどんどん圧縮されています(現在進行形)。

築年数が古い物件(20年以降)に関しても同利益幅程度です。

販売価格に関してはオリックス、ジャックスが基準

ワンルームに融資してくれる提携金融機関はいくつか存在します。

そんな中でも多くのワンルーム販売業者が利用する銀行がオリックスとジャックス(ソニー・イオンなど)です。

既に物件をお持ちの方も上記の金融機関から融資を受けて物件を購入されている方も多いでしょう。

金融機関によってはオリックス・ジャックスよりも高い融資評価を出すような銀行も存在します。

しかしながらどこの会社もメインで使っているローン会社がこの2社なのです。

よって、物件の仕入れに関してもこの2社の融資評価がメインとなります。

ちなみにこの2社においては細かな違いはありますが、おおよその融資評価は同じです。

  • 販売価格ー仕入れ価格=業者の売買利益

この計算式でいうところの「販売価格」とはすなわちこの「2社の融資評価」ということになります。

基本的に業者売主のワンルームの販売価格は各社の提携ローン会社(銀行)の融資評価額を定価として販売しております。

各ローン会社の融資評価額については東京1Rの行っているオンラインセミナーにて計算方法も含めて詳しくお話ししておりますので、是非ご参加ください。

※一部の大手業者などに関しては評価額以上の販売価格となっている事例も多いので注意が必要です。

築浅物件の仕入れが枯渇

都内の築浅物件に関しての業者間の仕入れ競争は激化しております。

また売却するオーナーの目線(売却しても良いと思える金額)もそれに比例して高くなっており、業者からすると相場よりも安値で物件を仕入れることは昔に比べて至難の業となっております。

都内の物件に関して言えば、築浅物件(築20年以内)の仕入れ競争激化によって、築年数の古い物件(築20年以降)に仕入ターゲットがうつり、そこでも仕入れ競争が激化し、最終手段として地方の投資物件(大阪、名古屋、福岡など)を仕入れ販売する業者が急増しております。

また、中古ワンルームの売買利益の縮小によって、新築物件を販売する中古ワンルーム業者も多くなってきています。

銀行の評価額=適正相場ではないことも

基本的に銀行の評価額を定価としてどこの会社も物件を販売しています。

そこまで聞くと

「しっかりと銀行評価が出る物件ならどれを買っても大丈夫なんじゃないの?」

と安易にワンルームを購入してしまう方が一定数いらっしゃいます。

しかしながらこれは非常に危険な考え方です。

基本的に金融機関の算出するワンルームの評価額計算は「収益還元法」に基づいています。

家賃設定が高ければその分高い評価が、家賃設定が低ければその分低い評価がでる計算になります。

1棟のマンションの中には当然複数の同じような間取りのお部屋が存在し、築年が経過すればするほどマンション内でも家賃の高いお部屋や家賃の低いお部屋がでてきます。

それは空室になるタイミングやオーナーの懐事情など様々な要因が絡んでくるからです。

賃貸閑散期に空室になれば入居付けに苦戦しますし、空室に耐えられないオーナーは早めに入居を付けようと家賃を下げることもあります。

その逆に多額のAD(広告費)やフリーレントを使って相場よりも高めの賃料設定で入居募集するオーナーも存在します。

単純に割高な賃料は割高な評価額となりますので、購入後に赤字になる可能性が極めて高いです。

また、サブリースという隠れ蓑を使い、相場よりも高値のサブリース賃料で金融機関から高額な評価額を取得し割高な価格で物件を販売する悪徳業者も存在します。

サブリースを使った詐欺的な販売手法

某管理会社の家賃未納問題について

また冒頭にも記載しましたが、一部の大手業者のおいては評価額以上での販売を金融機関から容認されていたり、通常よりも金融機関から高い評価額がでる事例も散見されるようになってきたので注意しなければなりません。

大手ワンルーム業者の融資評価が割高になっている図

高い評価額がでれば業者はその分売買利益を大きく得ることができますが、消費者は単に物件を割高で購入することになります。

中小のワンルーム業者は廃業する会社も

仕入競争の激化と売買利益の縮小によって、ワンルームを廃業する業者もでてきております。

今後さらに仕入れ競争が激化すれば廃業や倒産する会社も出てくるでしょう。

既存のワンルームオーナーにとっては好況

単純にワンルームの売却価値が上昇しているので、物件保有者にとっては非常に好況と言えるでしょう。

4、5年前に適正価格で中古ワンルームを購入した人は既に含み益を獲得している人も数多くいらっしゃると思います。

それ以前より物件を保有されているかたであれば、尚更です。

新規ワンルームオーナーにとってはどうなのか?

価格は確かに数年前に比べて上昇しております。

しかしながら、仕入れ価格の高騰によって購入後の売却価値が高騰していることも事実です。

売主物件のワンルームを購入直後は必ず含み損がでます。

ワンルームマンション投資の含み益の考え方

含み損の金額の大小はありますが、これは新築ワンルームも中古ワンルームも同じことです。

ひと昔前に比べると業者利益が少なくなった分、ワンルームオーナーの購入直後の含み損額も小さくなっておりますので、そういった意味では決して悪い状況ではないと言えます。

まとめ

ワンルーム販売業者様にとっては非常に厳しい時代になっています。

そうなれば会社を存続させるためにあの手この手で消費者を騙そうとする業者も増えてくるでしょう。

そのような悪質な業者や営業手法に騙されない為にもワンルーム投資について学ぶことが何より大切です。