頭金・諸費用ローンという商品があることをご存知でしょうか。
例えば、SBJ銀行やかつてのスルガ銀行において、物件価格の90%が融資の限度です。
足りない分の頭金と諸費用を別の金融機関を使ってローンを組むことができるのです。
その別の金融機関というのが「アプラス」なのです。
未だに、このアプラスを組み込んで投資用のワンルームを購入させる業者も多いです。
今回はその危険性についてお話ししていきます。
目次
アプラスの頭金・諸費用ローンの内容
融資条件は以下の通りです。
金利が非常に高く、融資年数も短いです。
よって、例えばSBJ銀行で2500万の物件を購入しようとする場合。
SBJからの融資は2500×90%=2250万です。
差額250万円と諸費用(約100万)の合わせて350万をアプラスで組むと考えてみましょう。
350万を5.8%の15年で組むと、毎月の返済は29,158円にものぼります。
以前の記事で、「SBJ銀行は物件の定価が高く出がちなので注意しなければならない」というお話しをしましたが、アプラスを組むことでさらに高金利・高負担の条件となってしまいます。
※SBJ銀行の物件の定価についての記事はこちら
⇒仕入れ業者が物件直売で仲介マージンカット!でも結局値段は他と同じ
アプラスの審査基準は非常に緩い
アプラスの審査基準は非常に緩いです。
基本的にSBJ やスルガ銀行で物件の決済をした後にアプラスを申し込みます。
よって、SBJやスルガで審査が通る属性ならば、ほぼ間違いなくアプラスの審査には通過します。
物件の決済(SBJ)から一、二週間程度で、アプラスの決済となります。
スルガ&アプラス、SBJ &アプラスは最悪の組み合わせ
基本的にスルガ、SBJは高金利です。
スルガの金利は3.6前後
SBJの金利は2〜3%程度です。
オリックスやソニー銀行と比較すると非常に金利が高いのです。
その分毎月の返済額も大きくなります。
返済額が増えれば毎月の収支も悪くなり、オーナーの負担が増えます。
最近ではスルガを使ってワンルームの融資を新規で受けることはそもそも難しくなっています。
※その理由はこちら
⇒スルガ銀行に金融庁立ち入り(シェアハウス)内部は不正だらけ?
よって、基本的にアプラスがでてくるとすれば、SBJ銀行との組み合わせになってくるでしょう。
アプラスを組むことはSBJに隠す
頭金・諸費用ローン(アプラス)を組むことはSBJに伏せて秘密裏に行われます。
あくまでSBJとしては、「物件価格の10%程度の頭金の出せる人」に融資している感覚なのです。
よってその頭金10%を現金で捻出できない人であればSBJとしても融資を断ることになります。
よって、アプラスを組むとなれば、SBJ側も「頭金を自己資金で捻出できない人なのね」となり、融資不可となってしまうのです。
だから、アプラスを組むことはSBJに秘密裏に行われるのです。
貯蓄0円の人はマンション投資すべきでない!
そもそもアプラスを絡めたローンの組み方になるのは、個人属性があまり良くないパターンが多いです。
貯蓄がないどころが、他で小口の借り入れ(キャッシングなど)がある場合も同様です。
そのような方はそもそもマンション投資すべきではありません。
業者としては死に物狂いで物件を販売しているわけですから、とにかくローンを通そうと一生懸命頑張るでしょう。
しかし、それはお客様の為というよりは、結局販売後のインセンティブの為なのです。
よって、お客さんが2つの金融機関(SBJ+アプラス)を使って高負担になろうが、毎月の支払に苦しもうがそんなことは営業の知ったこっちゃありません。
彼ら(営業マン)は物件を販売する事が仕事です。
よって、営業マンの進められるがままに物件を購入することは非常に危険なのであります。
まとめ
アプラスの頭金・諸費用ローンは金利も非常に高く、また年数も短いためお勧めできません。
このような提案をされるということは、以下の2つの可能性が考えられます。
- 不動産業者の提携金融機関がなく、SBJやアプラスくらいしか使えない
- 顧客の属性が悪く、アプラスを使った提案になってしまう。
前者か後者化を見抜くためには、多くの不動産業者でシミュレーションなど比較検討すれば自然と分かります。
後者だった場合はそもそも不動産投資をすべき属性ではないということなので、残念ですが諦めましょう。
不動産業者はローンが通るならばとにかくはめ込みにきますので十分に注意してください。