マンション投資の営業マンが自分で物件を買わない3つの理由

投資用マンションの営業をしていると、お客様から良く質問を受けることがあります。

それが「ところで○○さん(営業さん)は投資物件を所有しているのですか?」という質問です。

これを質問するお客さんの心理としては、「営業さんもやっているのかな?」といった単純な興味本位から、「営業さんがやっていないなら、本当は良くない商品なんじゃ?」といった猜疑心を含めたものまで、色々考えられるかと思います。

結論から言いますと、残念ながらマンション投資の営業マンの大多数は物件を所有しておりません。

若くてイケイケな営業さんだと平気で「私3部屋持ってますよ!」なんて嘘をつきますから要注意ですね。

良い物件は業者が直ぐに買ってしまう

では、なぜ不動産投資の営業マンは物件を持っていない人が多いのでしょう。

確かに皆さんのお考えになるように、毎日毎日、投資物件情報を目の当たりにしている営業マンであれば、「お宝物件」の情報を入手する機会も多いです。

ただし、その物件情報を目にした営業マンが個人で物件を購入するとなると話は全く別です。

以前にも、「お宝物件をエンドユーザー(一般消費者)さんが手に入れるのは難しい」という記事を書きました。

良い物件情報を手に入れたとして、現金一括で買う場合を除いては基本的にローンを組むことになります。

そのローンを組むためには金融機関に様々な資料を提出しなければなりませんし、その審査自体に時間もかかる訳ですね。

そうなると、審査がOKです。となったころには物件情報を手にしてから数週間経過していることも多く、そのころには資金力のある業者なんかに物件を購入されてしまうことが多いのです。

だからこそ個人(業界の営業マンであっても)で物件を購入することが難しいのですね。

マンション投資の営業マンは与信が低い

これが最大のネックでしょう。

そもそも買えないんです

マンション投資は一般的に金融機関から融資を受けて投資を行います。

なので、その融資を受けるためには「ある一定以上の与信力」が必要となる訳ですね。

※与信についてはこちらの記事を参照してください。

不動産投資は「属性」と「与信」で成功・失敗が決まっちゃう!?

なので、そもそも与信が低い人は融資を組むことができないので、マンション投資のスタートラインにすら立つことができない訳ですね。

ご存知の通りマンション投資の業界は非常にニッチな業界であります。上場企業も数える程度しか存在しませんし、尚且つ一般的にマイナーな企業が多いです。

※マンション投資の上場会社は以下にまとめました。

投資用ワンルームマンション業者/大手上場会社9選

※マンション投資の準大手会社は以下にまとめました。

投資用ワンルームマンション業者/資本金1憶円以上の会社19選

しかも、投資マンションの業界は離職率も半端じゃなく高いので、金融機関からすると例え高い年収を得ているような優秀な営業マンであったとしても、あまり融資したくないというのが本音でしょう。

もし、投資マンション業界の営業マンが融資を受けてワンルームを購入するとなると、先ず金利1%台での融資は難しいでしょう。そうなれば、高い金利でなければ融資を受けられないということになります。

そうなってしまうと、せっかく掘り出し物の物件を購入したとしても、借入金利が高いせいで、イールドギャップが狭まり、投資効率は悪くなってしまいます。

※イールドギャップが分からない方は以下の記事を参照してください。

不動産投資における「イールドギャップ」について徹底解説

マンション投資の営業マンは即金性を重視する人が多い

これはそもそもの営業マンの性格にもよりますが、マンション投資の業界に入社してくる人達の目的は大半が「お金」です。

また、マンション投資会社の求人広告も「給与」「インセンティブ」「ボーナス」と言ったハード面にフォーカスしている会社が非常に多いです。どんな求人かと言うと・・・以下のような求人ですね。

年収3000万越え!?シノケンハーモニーの求人年収がヤバイ・・・

上記の求人を見て頂けると分かるかと思いますが、マンション投資業界の営業マンは「とにかく稼ぎたい」「いい生活がしたい」「海外旅行にいきたい」などの即物的な人達の集団なのです。

なので、そもそも長いスパンでコツコツと成果を出していくマンション投資のスタンスとは全く考え方が合わない訳です。

少し極端ですが、「10年後の100万円よりも、明日の10万円」というか感じでしょうか。

そもそも短期間で稼ぎたくて、業界に入社してきている訳ですから、数十年先の未来を見据えて長期で・・・というとちょっと目的とズレてきますよね。

まとめ

いろいろ書きましたが、実際に物件を所有している営業さんもいるのは確かです。ただし割合でいうと相当少数です。

物件を紹介する営業マンがマンションを所有していないんじゃ話になりません!」というスタンスのお客さんもいるかもしれませんが、これはあまり合理的な考え方とは言えません。

マンション投資はその人の目的や考え方が如実に分かる商品であります。だからこそ、マンション投資に合わない人もいるのです。

なので、営業マンがマンションを持っているか否かではなく、マンション投資のスタイルが自分に合っているか否かが最も大切なのであります。