住宅ローンは必ず最長35年で組む!そのたった1つの理由。

皆さん住宅ローンをお組みになったことはございますか??不動産の紹介をしていると、良くご質問を受けるのですが、住宅ローンは何年で組んだらいいのか??という質問です。

最長の35年で組んだ方がいいのか?それともできるだけ短く組んだ方がいいのか?ということですね。

結論から言います。絶対に最長で組んでください先ずはそのメリットとデメリットを分かりやすく比較してみようと思います。

※オリックス銀行の45年ローンについては以下の記事にまとめました。

最長45年!?オリックス銀行にて長期不動産投資ローンが可能に⁈

居住用の住宅ローンを最長年数で組むメリット

・毎月の支払額が少なくてすむ。

・今の時代であれば、超低金利で住宅ローンが組める。

・住宅ローンの取得控除を最大限活用できる。

・団体信用生命保険の恩恵をより長い期間受けられる。

居住用の住宅ローンを最長年数で組むデメリット

・利息を多く払わなければならない(総額の支払が多くなる)。

・変動金利の場合、金利上昇の可能性が高くなる。(固定であれば特に影響なし)

居住用の住宅ローンを最長年数で組むメリットとデメリットの比較

総じて、メリットの方が多いです。

フラット35であれば、現在35年間の固定金利で1.3%程度となっております。

民間の金融機関ですと、変動で0.7%前後の銀行が多いのではないでしょうか。

いずれにしても、現状の住宅ローン借入金利は歴史的な水準で見ても、超低金利であります。

お金を貸す側の立場となると、基本的に長期になればなるほどリスクが高まりますので、高い金利が適用される傾向にあります。

ただし、いまは基準の金利自体が低いので、長期の借り入れを前提で融資を受けたとしても、その水準は非常に低いです(特に住宅ローン)。

事業用の融資でもそうですが、お金を長く借りようとしても簡単に長期間借りられるものではないんです。

なので、わざわざお金を長い期間で借りられるのに、それをわざと短く組むということは、銀行からの恩恵を潰してしまっているのと同じであります。

住宅ローンを最長で組む!たった一つの理由

借り入れ期間を決めて、一度融資実行を受けると、そのローン期間を伸張(伸ばす)することは非常に困難だからです。

その逆に最長で組んで、それを短くすることは繰り上げ返済で簡単にできてしまします

例えば、本来は35年ローンが組める状況だが、利息を払いたくない!もったいない!という理由で20年で住宅ローンを借りるとしますよね?で、支払期間中に、ちょっと毎月の支払いがきついなあ・・・という状況に仮になったとしますよね?

そうなったら、銀行に相談に行きますよね?やっぱり支払期間伸ばしてくれませんか?みたいな感じで。

そうすると。普通に断られます。基本的に住宅ローンの延長はできません!と。

もちろんきちんと相談に乗ってくれる銀行さんも存在はしますが、住宅ローンの返済期間の延長は、誰もが出来るわけではないのです

実際にローンの返済期間を延長するためには、いくつかの条件が必要となります。

条件は金融機関によって異なる場合もありますが、

・一般的には年収が一定の割合以下である事

・月収が定められている金額の水準以下である事

・現在返済が困難である理由がある事

などが条件となり、返済期間の延長が認められる場合もあります。

しかし金融機関の審査を通過するのは実際に難しいため、何度も交渉しなければならない場合も多いです

また金融機関に申請をして認められるまで期間が長くなる事もありますので、その間に滞納などになってしまうと元も子もありません。

毎月の返済が厳しい!という人はそもそも様々な支払い状況に切羽詰まっている場合が多いため、そんな中で、融資期間延長の申請を何度も悠長にやってる暇など無いのです。

つまり、銀行側が融資期間の延長という相談には乗ってくれたとしても、実際にそれが実行されるかどうかの保証もない中で、その審査に時間だけが取られのは、切羽詰まった状態の債務者に対してリスクが大きすぎるのです。

繰り上げ返済(期間短縮など)はしないほうがいいのか?

はい。

今の現状であればしないほうが良いです

その理由は、先にも述べましたが、超低金利でお金を借りられている、喜ぶべき状態だからです。

この低金利以上で運用できる投資商品が身近にある方は、繰り上げ返済ではなく、投資に回してください。

言い換えると、繰り上げ返済はわざわざ低利回りの住宅ローンに投資しているのと全く同じことです。

また、繰り上げ返済によって住宅ローンの様々な副次的なメリットも潰してしまうこととなります。

その最たるものが、住宅取得控除です。

住宅取得控除とは、ざっくりいうと、住宅ローンを組んで居住用物件を購入した場合、その年末の住宅ローンの残債×1%の金額が税額控除されるというものです。

もっと簡単に言うと、例えば今年家を買って、その年末にまだ3000万のローンがのこっていたとしますよね?

3000万×1%=30万

この30万円が給料などで既におさめた所得税から還付をうけることができるという仕組みです

なので、ローン元金が減れば減るほど還付金も少なくなります。

なので、繰り上げ返済すればするほど、還付金も少なくなるわけですね。

また、住宅ローンを組む際には団体信用生命保険にも加入します。

団体信用生命保険とはローンを組んだ方に万が一のことがあった場合に、残りのローン残債が全て保険で賄われて、残ったローン残債が全てチャラ(0円)になるという優れた保険です。

※団体信用生命保険の詳細はこちら

不動産投資の団体信用生命保険とは?保険代わりになるって本当?

例えば購入して、2年後に所有者に万が一(事故で死亡・高度障害など)のことがあったとしましょう。

そうなると、残りのローン残債は全て保険で賄われる訳です。

購入してすぐに繰り上げ返済をどんどん進めてしまうと、多くの現金が手元から出ていき、ローンの元金を減らすこととなります。

でも、2年後には結局ローン残債は保険で0円になる訳で、結局残るのは無借金の物件です。

なので、逆に言えばそれまでに使ったお金が少なければ少ないほど、団体信用生命保険の恩恵を受けやすいわけであります。

もちろん万が一の事態がいつ起こるのか?予測することは不可能ですし、おこる確率も少ないので、それを前提で考えるの話がおかしくなりますが、あくまで副次的メリットとして考えれば、合点がいく話かと思います

繰り上げ返済にベストなタイミングとは?

・金利の上昇局面など

です。

繰り上げ返済は今の低金利時代にはお勧めできませんが、あくまで今の時代だからです。

金利が上昇していく局面であれば、毎月の支払が増加してしまうので、そのリスクヘッジとして、繰り上げ返済をお勧めいたします

※繰り上げ返済には2種類あります。詳細はこちらをご覧ください。

↓下記記事は居住用ではなく投資用ローンとなりますが、繰り上げ返済の仕組みや内容は居住用も投資用も同じです。

不動産投資の繰り上げ返済は[返済額減額型」!「期間短縮」はダメ!