マンションは一般的に60年程度持つと言われています。
また、コンクリートの性能向上により、100年は大丈夫だろうとの説もあります。
ただし、「モノ」である以上、いつかは寿命がきますが、そうなった時には・・・
①建て替える
②更地にして売る
大きく分けると、この2つのどちらかを選択せざるを得なくなるかと思います。
目次
建て替えには所有者の合意が必要
いずれにしても、区分所有者さんたちの賛成・反対の投票になりますが、全体の3分の2以上の合意があれば、建て替え可能となります。
以前までは5分の4以上の賛成が必要だったのですが、法改正にて、規制が緩和されております。
物件建て替えにはいくつかの問題点があるようですが、「投資物件」に関しては「居住用物件」よりも建て替えしやすいかと思われます。その理由として
投資物件が建て替えしやすい理由
①そもそもの物件を持つ目的が収益性
「投資物件」はあくまで、貸して家賃を得る目的での物件購入になります。
「居住用物件」は当たり前ですが、自分や家族が住む目的での物件購入になります。
②所有者と入居者の違い。
「投資物件」は所有者と入居者が異なります。
「居住用物件」は所有者と入居者が同じです。
建て替えに関して、やはり一番難しいのが、「合意形成」です。
まず、建て替え派が多数でないと、建て替えることはできません。
「居住用物件」ですと、どうしても建物に愛着がでてきてしまったり、所有者(入居者)が高齢になると、「住環境の変化に消極的」になりがちなので、「余生もあまりないから、このままでいい!」という意見も多いようです。
投資物件に関して、皆さんが収益を目的とされているので、建物老朽化により、収益性が下がれば、必然的に収益をいかに上げるか??を考えられるようになりますので、そういった意味で「居住用」に比べると合意形成しやすいと考えます。
しかも、築60年などになれば、ローンも完済されているはずなので、しっかりと入居者さえついていれば、投資分の回収はすでに終わっていることが予想されます。
建て替えにより超高利回りに
で、実際に建て替えするときですが、土地代金は既に既存所有者達が所有しておりますので、建て替えにかかる代金は上物の値段だけとなります。
今の相場ですとワンルームの建築コストが800~900万程度といわれております。
なので、手出しの出費が800~900万程度で新築マンション一部屋が手に入る訳ですね。
月8万程度の家賃収入が見込めると仮定しても利回り10%を超えてきます。
投資対象として、新築で、しかも利回り10%以上となると凄く魅力的な数字になります。
場合によっては無料で新築に建て替えも
また、建て替えに関して、容積率が今以上に多く取れる場合には、デベロッパー(不動産会社)に多くとれた容積率部分を売却することで、建て替え費用が全額「無料」になるケースもあります。
つまり、無料で新築のワンルームが一部屋手に入る訳ですね。
「容積率」によって、建物を建てるうえで、そもそも建てられる物件の大きさが制限されているのですが、その容積率が2倍になれば、極端な話、建てられる建物の大きさも2倍になる訳です。
なので、今の例でいくと、倍に増えた建物の部分をデベロッパーに売却するという感じですね。
結局ここでも大事になってくるのが、物件が魅力的な立地に立っているかどうか?ということなんですね。
結論から言って、ワンルームマンションの建て替えはオーナー様にとって悪い話ではない、ということです。ただし、魅力的な立地でなければ、建て替えのメリットもありませんので、デベロッパーからの建て替え提案も恐らく無いでしょう。
なので、長い目で見たときに、地方都市ではなく「東京」で物件を持つことがいかに大切かが分かるかと思います。
いずれにしても、建て替えの決断をするのは「購入者様」ではなく「購入者様の子供」や「購入者のお孫さん」の世代になるのではないでしょうか。
実際の建て替え事例
一応、参考資料としてマンション建て替え円滑化法による、実際に建て替えられた物件一覧を掲載しておきます。↓