ワンルームマンション投資において賃料は最も重要な投資指標の1つです。
そこで東京23区のワンルームの家賃相場を区・築年別に独自に調べてみました。
いくつか面白い発見があったので一緒に見ていきましょう。
※動画で詳しく解説してます。
目次
ワンルームマンションの区・築年別平均家賃相場
以下はホームズの家賃相場を参考に作成したものです。
※基準の家賃相場:駅徒歩10分以内賃貸物件の平均賃料(管理費・駐車場代などを除く)を軸にLIFULL HOME’Sの過去データを基にした独自のロジックで算出しています。
※建物種別:マンション(1R、1K、1DK)で検索
これだけだとちょっとわかりずらいので、新築時の賃料設定をそれぞれ100とした場合の各築年数の数値を出したのが以下の図です。
新築時と築古の家賃の乖離が大きい区TOP5
- 中央区(乖離19.58)
- 新宿区(乖離18.01)
- 渋谷区(乖離17.29)
- 品川区&豊島区(乖離15.66)
- 港区(乖離15.49)
新築時と築古の家賃の乖離が小さい区TOP5
- 目黒区(乖離10.89)
- 荒川区(乖離11.07)
- 江戸川区(乖離11.60)
- 葛飾区(乖離11.95)
- 杉並区(乖離12.20)
築10年~15年と築20年~30年の家賃相場の比較
築10~15年と築20~30年の家賃相場の差を現したのが以下の図です。
築中と築古の乖離が大きい区TOP5
- 中央区(乖離9.71)
- 新宿区(乖離8.92)
- 渋谷区(乖離8.50)
- 豊島区(乖離7.78)
- 品川区(乖離7.74)
築中と築古の乖離が小さい区TOP5
- 目黒区(乖離5.44)
- 荒川区(乖離5.54)
- 江戸川区(乖離5.80)
- 葛飾区(乖離5.97)
- 世田谷区(乖離6.10)
乖離率が大きい=家賃が下がるではない
単純に乖離率が大きいとその分家賃が下がるようなイメージを持つかもしれません。
今回の調査で乖離率の大きい区はいずれも都心の区(中央、新宿、港区、品川区、渋谷区)が多かったです。
この調査だけをみると、都心は古くなると家賃が大きく下がるのでは?
と思うかもしれません。
しかしながら、都心部で物件を所有していて大きく賃料を下げたなどの事例はあまり聞きません。
この賃料の乖離は新築物件の賃料相場の上昇によるところが大きいと考えます。
都心部の賃料上昇率は郊外に比較すると大きいので、その分築浅と築古の賃料乖離が大きくなっていると考えることができます。
葛飾、足立などの地域は要注意
乖離率でみると、葛飾、足立などは築浅と築古の乖離も小さく、意外に良いのかも?
と思われるかもしれません。
しかしながら、これらの立地は一部の金融機関で融資の評価が出なかったり、評価額が低くなったりする傾向にありますので注意が必要です。
保有中はいいかもしれませんが、いざ売却するとなった際の価格下落率が予想以上ということが考えられます。
都心にこだわる必要はない
ワンルーム投資で物件を検討する際に、都心の一等地でのみ物件を探している方も多いでしょう。
しかしながら、今回のデータをみることで、築年が古くなった際の賃料相場を加味して考えれば、必ずしも都心の物件のみが賃料が下がりにくい、という訳ではないのが分かります。
例えば荒川区、江戸川区、世田谷区などは築中と築古の賃料乖離も小さいので、中古物件を検討する際にはそれらの区は築年によっては狙い目と考えることもできるでしょう。
また、ワンルームの売却価格は基本的にエリア・築年・賃料で決まります。
特に一定の売却価格を維持できるかどうかに関しては、エリアよりも賃料が重要視される傾向にあります。
一等地の物件でも賃料がさがれば価格は下がってしまいます。
逆に都心でなくとも賃料が下がらなければ価格は一定値をキープすることが可能です。
このロジックに関しては東京1Rの開発したワンルーム売却くんでシミュレーションしてみてください(無料)。
家賃や築年を自分自身で設定して価格をだせば、何となくワンルームの売却価格のロジックが理解できると思います。