昨年から、不動産投資に対して積極的に融資していた西武信用金庫に金融庁が立ち入り検査を行ったようです。
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金融庁が西武信金(西武信用金庫)に立ち入り検査
記憶に新しいかぼちゃの馬車(シェアハウス)事件を発端とする、スルガ銀行の不正融資問題で、金融庁がスルガ銀行に立ち入り調査を行いました。
その結果、スルガ銀行は金融庁より
- 投資用不動産向けの融資業務を数か月停止する命令
- ガバナンス崩壊に対する抜本的な対策、再発防止策を求める業務改善命令
を受けることになりました。
今回も、以前のTATERUやスルガの不正融資問題と同じように、キーワードは「エビデンス(預貯金)のねつ造」です。
シェアハウスやTATERUについては以下の記事を参考にしてください。
「スルガ銀行を使った、シェアハウス(かぼちゃの馬車)、地方一棟RC、地方一棟アパートに要注意」
「スルガ銀行に金融庁立ち入り(シェアハウス)内部は不正だらけ?」
「TATERUでも預金残高改ざん(23万円を623万円に!?)」
預貯金のねつ造見抜けず?
TATERUの一件でも明らかとなりましたが、預貯金のねつ造をするのは「不動産業者」です。
金融庁としては、そのねつ造された預貯金や金融資産状況を見抜くことが出来なかった社内体制に問題があるのでは?という見解のようです。
スルガ銀行の場合はそのねつ造を一部の行員は知りながら融資を通すという状態でしたが、今回の西武信金はどうなのでしょうか。
実態は立ち入り検査で明らかになるでしょう。
西武信金は区分マンションにも積極的に融資してくれる非常に投資マンション購入者にとってはありがたい金融機関でした。
しかも、スルガのように金利も高くありませんし、融資年数も比較的長めに出してくれていました。
このブログでも去年、西武信金の使いやすさについては言及しております。
「投資用ワンルームマンションの融資で「西武信用金庫」はかなり使いやすい!」
今回の一件で今後の西武信金の融資基準は間違いなく厳しくなっていくでしょう。
預貯金の原本確認が今後必須に?
預貯金のねつ造は大体が、預金通帳のコピーやネットバンキングのログイン画面のコピーを細工したものです。
つまり、預貯金の原本確認を必須とすれば、このようなねつ造行為は減少するのです。
当たり前のことですが・・・。
もし、今回西武信金が預貯金の原本確認を怠っていた(コピーでOKなど)とするのなら、行員もねつ造の可能性を知ったうえで融資したのでは?と疑われても仕方ありませんね。
投資マンション業界は冬の時代へ?
スルガ銀行の融資停止により、三為業者の代表格ともいえる水戸大家さんが廃業しました。
「水戸大家さんことみねしましゃちょーが破産(倒産)?会社解散の理由」
スルガスキームを断ち切られた地方一棟販売業者たちは続々と区分投資業者に流れ込んできております。
このブログで何度もお話ししていますが、不動産投資で特に区分マンションは融資がカナメです。
なぜなら都心の物件であればあるほど利回りが下がる傾向にあり、価格、利回りともに非常に物件によって差が出ずらい仕組みだからです。
だからこそ、借り入れできる金融機関の融資金利がとても大切なのです。
スルガが融資をしなくなり、西武信金が融資をしなくなり、・・・・
このような状況が続けばいずれ投資用のマンションに融資する金融機関も無くなってしまいますね。
また、融資するにしても一切不正の出来ないような、ガチガチのルールに縛られた融資基準となります。
そうなれば、不正融資を斡旋するような不動産業者はどんどん淘汰されていくこととなるでしょう。
ある意味、優秀な業者だけが残り、本当に与信能力のある方が物件を購入できることになるので、決して業界的に悪いことではありません。
まとめ
不動産投資と言えど、幅広い種類の不動産投資があります。
その中でも区分のワンルームマンション投資は一般のサラリーマンやOLにも手軽に始められるということで非常に人気です。
何故ワンルームマンション投資が良いのかは以下の記事でまとめておりますので是非ご覧ください。
「【まとめ】危険な不動産投資とワンルームマンション投資で失敗する物件の特徴」
しかし、融資が一旦引き締まれば、投資できる人も限られてきます。
そうなれば、本当に金融資産のある限られた人にしかできない投資となる日もそう遠くないかもしれませんね。