皆さん、ローンを組む際やクレジットカードの新規申し込みをして、「否決」になったり「通らなかった」ご経験はありませんか?
ローン審査に通らない、クレジットカードが作れない、のは理由があります。
何を隠そう私自身が、20年ほど前に一時期「ほぼ金融ブラック状態」に陥ってしまいました。
そうなってしまったのはたった一つの出来事が原因でした。
目次
お金を借りていないのにほぼブラック状態に
ウィルコムって携帯知ってますか?当時、私はそのウィルコムの携帯機種代金を分割払いで毎月の通話料と一緒に支払いをしていたのですが、一時的にその支払いを忘れてしまい、支払いを遅延してしまった時期がありました。
ちょっと前に「携帯電話の機種代金を分割払いにして、その支払いを遅延してしまい、金融ブラック状態になる若者が増えている」というニュースもあったかと思いますが、まさにそれです。
なんなら私がその先駆けでしょう。
携帯の機種代金って結構高いですよね?iPhone だと普通に8万円くらいしますし。
手持ち資金に余裕があっても、一気に支払っちゃうより、分割払いで毎月少しずつ支払ったほうが気が楽なので、一括よりも分割を選ぶ方が多いのではないでしょうか?
個人的には、分割払いだったら別にお金借りてないよね?って考えてたんですが、実際は違うようです。「携帯電話会社とローン契約を結んで毎月支払いをする」という契約なので、一時的に携帯電話会社が購入代金を立て替えて、その建替代金を毎月少しづつ返済していく、という見方なのです。
そうなると、携帯電話会社に携帯機種代金分の借金をしているのと全く同じ見られ方になる訳です。
携帯の分割代金を遅延するとその情報は何処へ?
遅延や延滞情報はCIC(シーアイシー)へいきます。
会社シー・アイ・シーは、クレジット会社の共同出資により、昭和59年に設立された、主に割賦販売や消費者ローン等のクレジット事業を営む企業を会員とする信用情報機関です。また、CICは、割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関として指定を受けた唯一の指定信用情報機関です。
分かりやすく言えば、借り入れ情報のデータベースのようなものですね。
審査をするクレジット会社や銀行は申請者のCICを見る
例えば、あなたがクレジットカードを作るために、カード会社に申請をしたとしますよね?その申請を受けたクレジット会社はあなたが、
・ちゃんと返済能力があるのか?
・過去に遅延や延滞はないか?
・今の借り入れ状況はどうなっているのか?
などを審査する必要がある訳ですね。とは言っても一人一人面接する訳にもいかないので、CICに登録されているあなたの今現在と過去の借り入れ情報を参照するのです。
そこで、遅延や延滞が確認されると審査が「否決」になります。もちろんカード会社や銀行によって、程度の差こそありますが(ある一定までの遅延や遅延であれば審査OKなど)審査にマイナスな影響を与えるのは間違いありません。
実際にCICとはどんなものなのか見てみましょう
これは私の取得したCICです。
ちょうど、携帯の機種代金を分割払いにしておりましたので、そのページをお見せします。
実際のCICはこんな感じ↓
注目すべきは下の赤枠部分です。
これがいわゆる返済の履歴ってやつですね。
H25の4月からH27年の3月まで約25か月分の支払履歴が残っていますね。
小さくて分かりずらいかもしれませんが、枠内に記載してある小さい文字は‘‘$(ドル)‘‘のマークです。これが通常に支払いをしましたよ。という記号ですね。
なので支払履歴が$マークであれば問題ありません。
ではこれが遅延をしてしまうとどうなるかというと・・・こんな感じになります↓
これは上からパワーポイントで作成しましたが、$以外にいくつかアルファベットと記号が出ていますよね?
それではそれぞれの記号の意味を見ていきましょう。
CICにおける4つの記号のそれぞれの意味
その記号は$・P・A・-の4つです。
- $は請求額通りの支払いが支払日にきちんとあったことを示しています。
- Pは請求額の一部しか支払いがされていないことを示しています。
- Aはまったく支払いがなかったことを示しています。
- -は請求そのものがなかったことを示しています。
記載してあっても問題ないのが1の「$」マークと4の「‐」マークです。
記載してあるとまずいのが2の「P」マークと3の「A」マークです。
一体いつまで遅延情報はCICに乗り続けるのか
延滞に関する情報は延滞解消から5年間残ると言われております。
遅滞解消とは、即ち支払いを全部済ませ、借金を完済した日から5年間ということになりますね。
遅滞をしてしまった場合にはとにかく直ぐに支払ってください。
数日程度の遅れであればCICに乗せられる可能性も低いでしょう。
金融ほぼブラックの、ほぼとは?
2枚目の信用情報を見てもらえれば分かるかと思いますが、「遅れながらも支払いはしている」のであります。
なので、遅延はしているが、踏み倒したりはしていません。
これを放置し、最終的に支払わなかったりすると俗にいう完全な金融ブラック状態となるのです。
※「異動」などの記載があった場合にはローンを組むことがほぼ絶望的となります。
CICに遅延があると、賃貸物件も借りられない可能性も
上記のように信用情報に遅延があると、賃貸マンションやアパートを借りられなくなる可能性が出てきます。
ローンやカードの遅延で何故賃貸マンションが?と思われるかもしれませんが、賃貸物件を借りる際に保証会社の審査を受けなければならない場合があります。
保証会社の中にはこちらのCICを見て審査する保証会社も存在しますので、遅延情報があると審査に落ちてしまいます。
保証会社が必須の賃貸物件も数多くありますので、そういった場合には
保証会社の審査に通らない=賃貸物件が借りられない
という可能性も出てきてしまいます。
詳しくはこちらの記事でまとめましたので、ご一読下さい。
CIC以外にも信用情報機関がある
信用情報機関は大きく分けて3つ。
- クレジットカードや携帯の機種代金の情報は基本的にCIC
- 消費者金融系のJICC(日本信用情報機構)
- 銀行系の全国銀行個人信用情報センター(全銀協)
それぞれの銀行やクレジット会社によって見る場所はバラバラです。
もちろんどれか1つという場合もありますし、3つのうちの2つを見る場合もありますし、3つ全て見る場合もあります。
もちろん見る組み合わせもそれぞれの銀行やクレジット会社によって異なります。
最後に
マンションの販売営業をしていると本当に様々な人と出会います。
中でも全く借り入れ等したことが無く、しっかりと預貯金もあるのに、携帯の機種代金を遅延したせいで、マンションのローン審査が否決になってしまう人が何人かいらっしゃいました。
また、私自身も同じような経験がある為、皆さんにはできるだけ同じ過ちは繰り返してほしくありません。
とにかく、携帯の機種代金の分割払いはできるだけ避けてください。現金があるのであれば、とにかく一括でのお支払いをお勧めいたします。