一昨年からレオパレス21が何かとメディアを賑わしています。
ネットを調べれば「集団訴訟」「スパイ」「脅迫」など、物々しいワードのオンパレードです。
日本中にヤバい管理会社はたくさんありますが、その中でも今回はレオパレス21について詳しく見ていこうと思います。
目次
レオパレス21がガイアの夜明けで特集される
2017年5月29日に放映された「ガイアの夜明け」にてレオパレスが以下の内容で報道されました。
界壁施工の不備問題にて発覚した建築基準法違反という大問題
「界壁」とは、天井裏にある火事になった際の延焼防止&防音のための壁のことです。
ご覧のように、界壁が無いことで火事が起こった際に火が燃え広がりやすくなります。
また、防音性も低くなります。
あとは、天井伝いに隣の部屋にも行けてしまうので、防犯上も好ましくありません。
この天井裏の界壁が「設計上は記載があるにも関わらず、実際には界壁が無かった」というものです。
建築基準法違反です。
これに対し、レオパレス側は現状で全国の物件を調査し、順次界壁の設置工事を行っているようです。(現在進行中)
レオパレス21によるサブリースの解約や一方的減額での訴訟
- 平成29年2月22日家賃増額訴訟
- 平成29年9月7日 錯誤に依る家賃減額合意の無効訴訟
- 平成29年11月27日脅迫に依る家賃減額合意の無効訴訟
借地借家法32条の存在
サブリースの解約・賃料減額は非常に大きな社会問題となっていますね。
このブログでも既に何度もお話ししていますが、スマートデイズのかぼちゃの馬車も記憶に新しいかと存じます。
【馬脚をあらわしたスマートデイズのシェアハウス「かぼちゃの馬車」の真相】
サブリース(家賃保証)の仕組みに関しては
【ワンルームマンション投資での家賃保証(サブリース)の闇に迫る!】で説明しておりますので、ご覧ください。
簡単に言うとサブリース会社がお部屋を借り上げて、そのお部屋を入居者に貸し出す仕組みのことです。
不動産の賃料の増減をめぐる法律は、借地借家法32条であります。(以下条文)
(借賃増減請求権)
第32条1、建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
2、建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
3、建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。
オーナーと入居者は賃貸借契約を交わすわけですが、当初定めた賃料に対してお互いに増減を請求できる権利を持っています。
そして今問題になっているのが、入居者側(サブリース会社)からオーナーに対しての賃料の減額請求です。
不動産投資をするにあたってオーナーがサブリース(家賃保証)を選択すると、その貸し出すお部屋の入居者は形式上「管理会社(今回の件でいうならレオパレス)」になる訳ですね。
よって、お部屋の借主である管理会社(レオパレス)は賃料の減額をオーナーに対して請求できるわけです。
これがまさに「保証賃料の減額」というやつであります。
ただし、理由も無く減額(増額も)はできません。
条文にある通りです。
分かりやすく言うと以下の3つの理由の何れかに当てはまらなければなりません。
- 土地とか建物の税金(固定資産税とか)が増減して、賃料が不相当になった時
- 土地とか建物の価格が上昇・下落したり、その他の経済事情の変動で賃料が不相当になった時
- 回りの物件と比べて、賃料が不相当になった時
30年一括借り上げ・10年間賃料減額なしと謳っていたが・・・
サブリース(家賃保証)には「賃料の見直し」の条文が存在します。
レオパレスの場合は当初10年間は家賃不変をうたっていたようですが、リーマンショックなどにより業績が悪化し、各オーナー(築10年未満のオーナにも)に保証賃料の減額が提示され、中にはそれに仕方なく応じたオーナー様も多くいらっしゃったようです。
しかし、レオパレスの業績が回復した後も賃料の減額提示などが続き、怒ったオーナー様達が集団で訴訟に踏み切ったという訳ですね。
レオパレスの終了プロジェクトなるメールの流出
こちらの流出メールに書いてあることをまとめると以下のようになります。
- サブリース(家賃保証)を打ち切る為のスキーム(解約トーク)を構築しよう!
- サブリースの家賃保証額を大きく引き下げる努力をしよう!
- 10年未満の物件の家賃保証額を今以上に頑張って引き下げていこう!
- 10年越えの物件は家賃保証を打ち切る!その認識を強く持ちましょう!
という感じです。
自分がオーナーだったらと思うと、怒りがこみ上げてきますよね。
30年一括保証を謳っておきながら、減額!保証打ち切り!のオンパレードですから。
その他のレオパレス21に対する数々の集団訴訟
- 平成28年11月25日家具架電メンテナンス三バラ請求
- 平成29年8月29日・9月20日建物メンテナンス契約不履行
- 平成29年12月20日プロパンガス工事代金返還請求訴訟
- 平成30年4月8日レオネット費用返還請求訴訟
賃料の減額以外にも様々な訴訟を起こされているようです。
同社がオーナーに提供している「家具・架電総合メンテナンスサービス」もその訴訟の1つです。
このサービスは築7年、場合によっては14年経過した物件の家具・家電を随時新しく交換して、以降、同社からのレンタルサービスとして提供するサービスです。
もちろん毎月掛け金が掛かる訳ですが、その掛け金は1部屋あたり2000円です。
それをオーナーさんが毎月レオパレスに支払う契約なわけですね。
しかし、一向に家具・家電が新しくされることは無く、怒ったオーナーさん達が訴訟を起こしているのです。
レオパレス側の言い分をしては「新品には交換していないけど、ちゃんとメンテナンスしてるから返金できません!」とのこと。
レオパレス21社員によるスパイ問題も
不動産大手レオパレス21と賃貸契約をしてアパート経営をするオーナーは全国で2万人を超えるが、いま一部オーナーたちが同社への不信感を爆発させている。
「リーマン・ショック後に同社の経営が悪化して以来、レオパレス側が家賃の減額をもちかけてくるなど不誠実な態度が目立ってきました。
本来、オーナーとレオパレス側は持ちつ持たれつの関係なのに、オーナーたちの主張をまともに聞かない一方的な対応に出てきたため、昨年11月には一部オーナーたちが家具や家電の修繕費を徴収されながら実際には修繕が行われなかったことなどを理由に、レオパレスと集団訴訟に踏み切りました。
今年に入ってからも集団訴訟が相次ぎ、すでに裁判は5件になっています。そうした最中、レオパレスが『スパイ』を送り込んで我々の動きを監視していたことが発覚したのです。まさか一部上場の大企業がそんなことをするとは思いもしなかったので、仰天しています」
そう語るのは、レオパレスのオーナーたちで構成する「LPオーナー会」の前田和彦代表である。
「スパイ」とは物騒な話だが、いったいなにが起きたというのか――。
裁判資料や関係者の証言によれば、「事件」が起きたのは今年5月28日のこと。この日は神奈川県海老名市にある商業施設「リコーフューチャーハウス」の会議室で、LPオーナー会の会員による研修会が開催されていた。
研修会というのは、目下レオパレスと訴訟をしているオーナーたちが情報交換をするために定期的に全国で開催されるもの。レオパレスとの係争にかかわる機密資料などが配付されることもあり、出席者はLPオーナー会の会員に限られるクローズドな会合だ。
この日は午後2時から研修会がスタートして、オーナーたちがいつものように活発な議論を交わしていた中、開始から約1時間が経過した午後3時頃に、「その男」は受付に姿を現した。
当日、受付を務めていたLPオーナー会西関東支部の支部長が言う。
「白いシャツに黒いスラックス姿の男が、突然、会議室に入ってきたんです。まったく面識がなかった人物だったので、私が『会員の方ですか? とたずねると、彼はなにも言わずにただ頷いたのです」
そして、男性はおもむろにアパートの「物件報告書」を取り出して、支部長に示して見せた。
物件報告書はレオパレスがオーナー宛てに送る書面のひとつで、オーナーでないと所持し得ない文書だった。
「これで、私は彼がオーナー会の会員であると信じてしまったのです。受付では氏名と住所、携帯の番号を記帳してもらい、入室を許可しました」(前出・支部長)
しかし、会議室に入ると、男性はさっそく異様な動きを見せ始めた。
「彼は会議室の端のほうに座って、他の会員と会話すらしない。私がプロジェクターを使って説明を始めても、ずっとうつむいたままで顔を上げようともしなかった。ただひたすらに持ち出し禁止の配付資料を読み込んでいるだけなのです。
とはいえ、彼にとっては今回が初めてのオーナー会なので、臆するのも致し方のないこと。会の終了後に声をかけてみようと思っていたら、彼は終了間際に会議室を出て行ってしまった。
どうしたのかと不審に思っていたら、持ち出し厳禁の資料が一部なくなっていました」(支部長)
オーナー会のメンバーは慌ててその男性が受付で記帳した番号にかけたが携帯は不通。さっそくLPオーナー会の本部に問い合わせて会員登録の有無を調べてもらうと、男性は会員ではないことが発覚し、オーナー会は大騒ぎとなった。
さらに調べると、男性と同姓同名の人物が、レオパレス横浜支店に勤務していることが判明したので衝撃が走った。調査にあたった西関東支部の幹事が言う。
「係争中とはいえ、我々にとってレオパレスは一蓮托生のパートナーのはずです。それが仲間に『スパイ』を送り込まれたようなものですから、そのショックは大きかった。
我々はレオパレスに監視されているのかと、言いようのない不安にも包まれました。ICレコーダーで我々の会話が録音されていた可能性もある。
男性の入室を許可した支部長も、『オーナー会の活動に支障をきたすのではないか』『会員かどうか、しっかりチェックをしなかった私に落ち度があるのではないか』とふさぎ込んでしまいました」
レオパレス伝説とは
レオパレスの物件はネット上で様々な噂がささやかれています。
そして、以下がネット上を賑わしている伝説のコピペである。
・エアコンが勝手に切れる
・チャイムならされたと思って玄関を開けたら、四軒隣の部屋だった
・チャイムが聞こえ今度こそはと思ったけど、やっぱり隣の部屋だった
・チャイムを鳴らしたら住人全員が出てきた
・ティッシュを取る音が聞こえてくるのは当たり前、携帯のポチポチが聞こえることも
・爪切りの音も聞こえる
・納豆をかき混ぜる音も
・壁ドンしたら壁に穴が開いた
・というか、穴が開いたあとも開くまえと聞こえてくる音は変わらなかった
・壁に画鋲をさしたら隣の部屋から悲鳴が聞こえた
・隣二部屋を借り、「これで防音ばっちりだ」と思ったが、さらにその向こうの部屋の音が聞こえてきた
・右の隣の部屋の住人が屁をこいたら、左の部屋の住人が壁ドンしてきた
・すかしっ屁の音が聞こえる、というか臭いもする
・だけど家賃6万
・業績悪化でさらに壁が薄くなる
・将来的には壁がなくなる可能性も
確かに壁が薄い、音が漏れる、などは良く聞く話ですよね。
後半部分はちょっと・・・という感じですが・・・。
不動産のポータルサイトの「楽待」もユーチューブでレオパレスの物件に潜入調査してましたね。
まとめ
サブリース契約は基本的にお勧めできません。
また、それと同時に地方の一棟アパート、一棟マンションも同じくお勧めできません。
【【まとめ】危険な不動産投資とワンルームマンション投資で失敗する物件の特徴】
相続税対策や節税対策で、安易に地方で一棟アパートなどを建築すると悲惨なことになります。
この問題からも言えることですが、「管理会社の保証に依存した不動産投資は絶対にやってはいけない」ということです。
大手のレオパレス21でさえこのようなことが起こる訳です。
巷の不動産会社や管理会社のサブリースなんて全くあてになりません。
安易に「サブリースや家賃保証」を進めてくる不動産投資会社は信用してはいけません。
「サブリースだから安心」ではなく「サブリースだから危険」なのです。