意外とかかる住宅購入の「諸費用」を初心者にも分かりやすく解説

マイホームを購入するぞ!と家探しをされる際、予算はしっかりたててますか。

年収から返済額を算出したり、年収と返済額の割合で決めたり、予算をたてる目安はあるのですが、そこに家の購入に必要な「諸費用」を入れず、結果、予算オーバーになってしまうことが多々あります。

今回は住宅購入の諸費用についてお伝えしていきます。

住宅購入の諸経費とは

家を購入するにあたり、物件自体の価格だけでなく諸費用を考えておかないといけません。意外とかかる諸費用なのですが、どんな費用があるのか詳しくチェックしていきましょう。

 

仲介手数料

対象物件の売買価格が400万円以上の場合の簡易計算は以下のようになります。

(売買価格×3%+6万円)×消費税

 

<例>売買価格3,000万円の場合

仲介手数料 :売買価格3,000万円×3%+6万円=96万円

消費税   :96万円×消費税率10%=9.6万円

合計    :96万円+9.6万円=105.6万円

 

登記費用

・登録免許税等税金

目安は固定資産税評価額×税率

・司法書士報酬(司法書士に登記申請を依頼した場合)

・その他雑費(登記完了後の証明書等の発行手数料など)

 

住宅ローン

住宅ローンを利用する際は、金融機関に支払う事務手数料にあたる融資手数料と、金融機関が指定した保証会社に支払う保証料がかかります。

融資手数料や保証料は、金利上乗せや一括払いなどさまざまなケースがありますが、融資手数料の目安は約3万円、保証料は融資額の2.0%程度が目安です。

 

その他

火災保険、不動産取得税、固定資産税精算金、水道加入負担金、などがあります。

概算では、新築のマンションを購入する場合、購入価格の4%(3~7%)程度、中古のマンションでは7%(6~13%)程度の諸費用が必要になるケースが多いので参考にしてください。また、戸建ての場合、新築一戸建ては4%程度、中古の一戸建ては8~10%程度となるのが平均的です。

 

これに加えて、家具・家電・インテリアなどの購入費、引越し代もありますので忘れずに準備しておく必要があります。

諸費用やこれらの費用を計上せずに住宅ローンをくんでしまい、後から資金が足りなくて追加でローンをくむかたも少なくありません。諸費用を考慮して住宅ローンの申込みするようにしましょう。

購入費用の予算

住宅ローンを取り扱う銀行などに住宅ローンの借入額を算出するシミュレーションがあります。全国300以上の金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う「全期間固定金利型住宅ローン」のフラット35には、以下のシミュレーションがあります。

 

  • 借入金額から毎月の返済額を調べる
  • 現在の年収から借入可能額を調べる
  • 毎月の返済額から借入可能額を調べる

 

初めて家を購入するかたは、欲しい物件を探されて、その価格が借入れできるかを試算しがちなのですが、「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら、その後の生活も安心して暮らしていけるか」を考慮して頂きたいと思います。住宅ローンの返済が厳しくて、お子さまの教育資金が足りなくなってしまったり、ご夫婦の老後資金が貯められなくなってしまったりと他のライフイベントに影響が出てしまうからです。

シミュレーションでは、「現在の年収から借入可能額を調べる」を先ずは確認して頂き、そこから諸費用やその後の税金なども引いて、残りの金額が物件価格とするよう逆算してみてください。

シミュレーション<例>

年収:500万円

金利:1.8%

返済期間:35年

借入可能額:4,541万円

4,541万円-諸費用-固定資産税等=物件価格

(参考URL:)住宅金融支援機構HPより

購入後の税金にも注意

賃貸の場合、家賃と管理費・修繕費が毎月の支出となりますが、家を購入した場合は毎月の住宅ローンの支払と、マンションの場合は管理費・修繕費、そして毎年の固定資産税という税金の支払が新たに発生します。

賃貸の頃にはなかった税金ですので、初めて家を購入されたかたは、この固定資産税を意識していない場合があります。

購入前に固定資産税がいくらなのか、不動産屋に確認しておく必要があります。

最後に

家を探していて「この家が欲しい!」と思うと、どうしても予算を物件価格に合わせがちなのですが、その後の生活が逼迫してしまっては元も子もありません。家探しの前に、無理なく支払える金額を算出し、そこから諸費用や税金をひいて購入する物件の価格を設定するよう心がけてください。

家の購入後のライフイベントは多々あります。大切に家を保有し続けるには家のメンテナンス費用も必要です。購入費用はそれらを考慮して試算して頂けると、その後の暮らしも安心ですし、他のライフイベントにも影響が出ず、資産計画をたてていくことができます。

家の購入は大きなイベントです。夢のマイホーム、その後の生活も安心して暮らせるような資産計画の参考にしてください。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)