不動産投資やワンルームマンション投資において「空室」は最も重大なリスクであります。
そもそも借り手が付かないと、家賃収入が入ってこないのでローンを組んでいると、毎月の金融機関への支払を丸々オーナーが負担しなければならないことになります。
家賃保証(サブリース)で、ある一定期間の空室リスクは回避できたとしても、結局家賃保証額の見直しがあるので、空室状態が長く続くような物件であれば家賃保証額が下がるのは確実です。
ブログでも前述しておりますが、家賃保証は必ず見直しがあります。同じ保証額が生涯続くわけではありませんので勘違いしないようにご注意下さい。
※家賃保証(サブリース)については以下の記事をご参照ください。↓
ワンルームマンション投資をしているオーナー層はほとんどが、サラリーマンや公務員の方々です。
なので賃貸管理に関しては、自主管理(自分自身で管理)ではなく賃貸管理会社に管理を委託しているパターンがほとんどです。
そうすると、空室になったとしても自分自身で管理しているわけではないので、空室時の対処は賃貸管理会社にまかせっきりになってしまう場合も非常に多く見受けられます。
良い管理会社であれば、親身になって空室の相談や対策を一緒に考えてくれるでしょうが、彼らもビジネスです。
言い方は悪いですが、単価の低いワンルーム1部屋の空室に全力になって対策しようと奔走してくれる管理会社は数少ないでしょう。
では自分の所有物件が空室になった場合にオーナーサイドで率先して何かできることはないのでしょうか?一つ一つ順番に見ていきましょう。
目次
不動産投資で空室が埋まらない時に試す7つの方法
①マイソクの確認
マイソクとは物件の詳細資料のことです。駅前の不動産屋さんなんかに家賃〇万円!和風呂トイレ別!みたいな感じのA4サイズの紙が窓なんかにベタベタ貼られてますよね。
こういったやつです↓
このマイソクを使って不動産屋さんが一般のお客さんに物件紹介するわけですね。
なので、このマイソクの作りそのものがショボいと、それだけで賃貸を探しているお客さんの目にとまる確率も下がってしまいます。
基本的にこのマイソクは管理会社が作成します。
オーナー様が何も口出ししない限りは、管理会社の形式的なマイソクになってしまいます。
管理戸数が多ければどうしても業務的で形式的なマイソクの作りになってしまいますので、空室物件のマイソクはしっかり自分自身でも確認しましょう。
確認点はただ1つ。
- その物件の良さ(アピールポイント)が最大限に記載されている内容か
ということです。不動産屋さんは賃貸募集のプロではありますが、デザインやキャッチコピーのプロではありません。
なので、デザインや広告のお仕事を本業でされているような方であれば、むしろ自分で作ったほうがより魅力的なマイソクになったりもします。
②レインズに空室情報を登録しているかを確認
レインズについては以下の過去記事で詳しくお話ししておりますので、ご参照ください。
レインズに空室情報を登録していないと、所有物件が「空室で入居者を募集していること」が誰にも知られません。
ということは、入居者の紹介をしてくれる客付け仲介会社にもその情報がいきわたらない為、入居者がつくはずもありません。
うっかり掲載していませんでした、というパターンもあれば、意図的に掲載していないパターンもあります。
特に後者の場合は要注意です。
なぜ意図的にレインズに掲載しないのかというと、自社で入居者を決めて自社でその手数料を受け取りたいからです。
通常、レインズに空室物件情報を掲載して、その情報から仲介会社が入居者を決めてくるわけですが、そうなってしまうとその仲介会社に仲介手数料が入ってしまいます。
なので仲介会社を通さずに、自社でそのまま入居者を決めれば、より多くの手数料を貰うことができるわけですね。
このパターンで非常に問題なのが、一般の方々ではレインズを閲覧することができないので、自分の所有物件がレインズに掲載されているかどうか確認のしようがないということです。
もし、自分自身の物件がレインズにきちんと登録されているのかどうかご心配な方はお問合せフォームよりご相談下さい。しっかりとお調べいたします。
③入居者を限定しすぎていないか確認
昨今、日本に住む外国人の数は右肩上がりに増加しております。都内でワンルームの入居募集をしていると、入居を希望される外国人の割合も非常に多くなっています。
外国人の入居者でトラブルが多いか?と聞かれれば、私自身の経験から言えば、全くそんなことはありませんでした。
ただし、外国人でよくあるトラブルは事前に把握して、対処しておかなければなりません。
外国人入居者のトラブルで最も多いのが滞納です。
ここに関しては、外国人専門の保証会社を利用することで、ある程度のリスクヘッジは可能です。
イメージが先行してしまい「外国人=トラブル」のような思考回路になってしまう方も多くいらっしゃるかと思いますが、身元もしっかりしていて、きちんと支払をしてくれる外国人入居者さんもいるわけです。
そういった優良な外国人入居者さんを逃さないためにも、入居者を限定しすぎず、門戸は広く設定しておきましょう。
どのような入居募集をしているのか、どのような人から入居反響があるのか、逐一管理会社に確認するようにしましょう。
④保証会社の有無を確認
ワンルームマンション投資をされているオーナー様のほとんどが、管理会社に賃貸管理を委託しているかと思いますが、その賃貸管理会社で入居募集をする際に「賃貸の保証会社」について以下の3つを確認しましょう。
- 入居募集で「保証会社必須」にしているのか?
- どこの保証会社を使っているのか?
- 保証会社の審査に通らなかった場合はその他の保証会社を紹介・斡旋してるか
賃貸保証会社は簡単にいうと、入居者に家賃の滞納などがあった場合に、代わりに家賃を払ってくれる会社さんのことです。
オーナーからすれば非常にありがたい話ではありますが、当然保証会社を利用するにあたって「保証料」が必要になってきます。
保証料は保証会社にもよりますが、月額家賃の20~100%程度です。
これは入居者が支払うので、入居時の初期費用として必要になってきます。
場合によっては、この保証会社の利用必須という入居条件が募集の足かせとなっている場合も考えられます。
また、管理会社のよっては特定の保証会社しか使わない!
というところもあり、その特定の保証会社の審査に落ちてしまった人は全て入居お断りということもあります。
非常に勿体ない話ですよね。
その他の保証会社なら審査通過できる場合もある訳ですから。
賃貸の保証会社については以下の記事にまとめましたのでご覧ください。
⑤礼金を0(ゼロ)に設定しているか確認
引っ越しをするにあたり、入居者さんのことを考えると初期費用は安い方がいいに決まってます。
なので、礼金を設定してしまうと初期費用が高くなり、入居者からはそれだけで敬遠されてしまうのです。
管理会社によっては、入居が決まったらその礼金分全てが管理会社の収入となる(管理会社への入居付け手数料)為、礼金を0円にすることを嫌がる会社もあります。
その場合は、礼金を0にする代わりに、オーナーが管理会社に家賃1か月分の入居手数料を支払うことで解決できる場合が多いです。
また、入居者の感覚からしても、敷金は「最終的に戻ってくるデポジット的なお金」という感覚はありますが、礼金は「大家に払う無駄なお金」くらいの感覚でしかありません。
⑥フリーレントを設定しているか確認
フリーレントは、入居者の家賃が、入居後一定期間無料になるという意味です。
フリーレントは基本的に1カ月程度で設定される場合がほとんどです。
ただし中には2か月、3か月という物件も存在します。
私がこの業界に入ったころ、なぜわざわざフリーレントをつけるのか?その意味が良くわかりませんでした。
それなら、賃料を下げちゃった方が手っ取り早いんでは?という考え方です。
それにはいくつか理由がありました。
- 賃料を下げてしまうと、売却する際にモロに売却価格に影響が出てしまう。
- 低い賃料で入居者が住み続けると、今後家賃を上げようにも上げられない。
- 家賃を下げると、仲介会社への手数料も少なくなってしまう。
などです。
なので、賃料を下げるのは最終手段とするのが良いでしょう。
なので、まずはフリーレントを1カ月程度つけて入居者の反応を見るのも一つの手です。
以下はワンルームマンション投資のおける賃料と価格の関係性を記載した記事です。
⑦ADをつけているか確認
ADは広告料という名の仲介会社への特別ボーナスです。
例えば、同じような条件の物件2つがあったとしましょう。
片方はADが1カ月分、もう片方はAD無し。
そうなると、仲介会社は必ずADの付いている方を優先的に紹介します。
なぜなら、入居が決まればそのADが貰えるからですね。
ADについてはこちらの記事を参照ください。
ADは50%(家賃の0.5か月分)から始めて、決まらなければ、徐々に上げていく感じが基本です。
もちろん、このADはオーナーさんの全額出費になります。
なので、ADをつければつけるほど、仲介会社にとっては非常においしい魅力的な物件となりますが、その反面オーナーさんの持ち出しも増えることになってしまいます。
物件によって様々ですが、平均は100%(家賃の1カ月分)程度でしょう。
多いものだと200%(家賃の2か月分)、300%(家賃の3か月分)というものもあります。
ちなみに現状の新築ワンルームマンションの賃貸市場は悲惨なことになっているので要注意です。
⑧相場を確認(場合によっては賃料を下げる)
最終的に何をやっても入居者がつかないという場合は、相場よりも賃料設定が高いという場合がほとんどです。相場7万円のところで、10万円で募集をしていても、入居者が付くはずもありません。
ただし、この相場に関しては、空室になってから確認するのではなく、物件を購入する前にしっかりと調べておく必要があります。
そうすることで、想定外の賃料下落を避けることができますし、投資計画もより立てやすくなるからです。
⑤でもお話ししましたが、賃料を下げるのは本当に最終手段です。
できるなら、フリーレントやADでなんとか賃料を下げずに入居者を付けるように努力してみましょう。
まとめ
マンションが空室になってしまった場合、ほとんどのサラリーマンオーナーさんはどう対処したらいいのかわからず、管理会社頼みになってしまいます。
冒頭でもお話ししましたが、単価の低いワンルームに関して、そこまで一生懸命に空室対策をしてくれる管理会社は稀です。
マンションオーナーとして、賃貸管理の基本構造や、入居の募集方法を事前にしっかりと学んでおくことは自分自身の資産を守る意味で非常に大切なことなのです。
物件の管理に関してご不安、ご心配がございましたら、お問合せフォームよりメールでご相談下さい。