ユーチューブで有名なみねしましゃちょー(峯島 忠昭さん)が8月1日に自身の会社である株式会社水戸大家さんを9月末で解散・廃業されるようです。
みねしましゃちょーはユーチューブでかなり羽振りの良い企画で人気を集めていたようです。
- 1000万円分の宝くじ購入
- ダイヤの時計を掃除のおばちゃんにプレゼント
- 20万円相当の鞄を視聴者プレゼント
- 1億円のアパート購入
- 渋谷でJKに服奢ってみた
- 一泊120万円のリッツカールトンのスイートに宿泊
などなど不動産とはあまり関係ない企画・内容の動画も多いですが、普通に面白いです。
そんなみねしましゃちょーが代表を務める株式会社水戸大家さんを何故廃業することになったのでしょうか?
結論から言うと、「水戸大家さんのメイン商品である一棟の投資物件が売れなくなり、売り上げが激減したから」とのこと。
では、なぜあれだけ売れていた一棟の投資物件が売れなくなったのでしょうか。
今日はその理由について、詳しく見ていこうと思います。
目次
三為業者の代表格が水戸大家さん
水戸大家さんは三為業者の代表格であります。
三為業者に関しては過去ブログでまとめておりますので以下の記事をご覧ください。
三為業者はいわゆる不動産の転売屋さんで、
- リスクを抑えて物件の売買している
- 利益を大きく抜いている
などの理由で三為業者を一括りにして避難する記事も目立ちます。
私個人的には三為業者を悪いとは全く思いません。
むしろ金融機関などの融資や購入後の面倒な管理もセットで販売しているわけですから、値段が高くなるのは当然であると考えております。
そんな三為業者はどのように物件を販売していたのでしょうか。
そんな三為業者の販売スキーム
三為業者の販売する物件は主に地方の一棟アパートや一棟マンションです。
それらの物件を投資物件として投資家に販売するわけですね。
投資家といってもそのほとんどは高属性の会社員やサラリーマンの方が多いです。
投資物件の購入は基本的に自宅を購入するよりもハードルが高くなりますから、金融機関からみて「生涯にわたってローンを返済できる属性の人かどうか」というのが、融資の基準となります。
だからこそ大企業で安定した勤務先の人々が購入層となるのです。
ただし、投資物件の融資に当たって、購入者の属性だけでは流石に融資を出すことはできません。
融資の対象となる投資物件にもそれなりの価値が必要となってきます。
金融機関が投資物件に対して融資をする際の基準の1つとして「積算評価」という評価方法を使う訳ですが、この評価方法だと物件価格が上昇してきている昨今では、なかなかその評価を満たす物件が無かったりします。
積算評価については過去記事を参照してください。
⇒不動産投資における積算評価(原価法)を超分かりやすく解説。
もちろん積算評価のみで物件に対しての融資額を決めるわけではないですが、一般的なメガバンクなどは投資物件に対しての融資評価が非常に厳しいのは事実です。
そうなると、不動産業者としては、「どこかに融資基準の緩い銀行はないかなあ・・・」となりますよね。
そこで出てくるのがスルガ銀行です。
三為業者とスルガ銀行は表裏一体
スルガ銀行の4つの特徴
- 融資基準が他の銀行よりも緩い
- 築年数の古い物件でも長期間の融資をしてくれる
- 審査スピードが非常に早い
- 金利が高い
が挙げられます。
そもそもの融資基準が他行よりもゆるいので、その分不動産業者としては持ち込める物件の数も増えるわけです。
三為業者からすればスルガ様様なのであります。
また、通常は法廷対応年数内の融資年数ですが、スルガ銀行は法廷対応年数を大きく超えて長期の融資もしてくれる存在でした。
融資期間が長く取れれば、毎月の銀行への返済額が少なくなるので、投資物件の毎月の収支も良くなりますからね。
また、他行よりも審査スピードが非常に早いので、不動産業者からも非常に重宝されていたのです。
審査スピードが遅いと、審査をしているうちに他の人や業者に物件を買われちゃった、なんてことになりますから。
最後にスルガと言えば高金利で有名ですね。
通常の投資用のアパートローン金利は2~3%程度ですが、スルガ銀行は3~5%程度の金利です。
通常では融資を受けられないような物件に融資してくれているわけですから、金利が高いのは当然です。
また、スルガ銀行の高金利でお悩みの方は低金利への借り換え記事(以下リンク)をご覧ください。
シェアハウスに端を発するスルガ銀行の不正融資問題
一時期メディアでも有名になりましたが、スマートデイズ社のシェアハウス「かぼちゃの馬車」問題が浮上しました。
こちらのシェアハウス問題については以下の記事でまとめましたので、是非ご覧ください。
⇒馬脚をあらわしたスマートデイズのシェアハウス「かぼちゃの馬車」の真相
⇒スルガ銀行を使った、シェアハウス(かぼちゃの馬車)、地方一棟RC、地方一棟アパートに要注意
簡単に事の経緯を説明すると、
スマートデイズという会社がシェアハウスをたくさん作って、それを投資物件として投資家たちに販売しました。
そのシェアハウスに積極的に融資していたのがスルガ銀行でした。
肝心のシェアハウスは入居者が全然つかないので、オーナーさんには賃料収入がはいってきません。
でもスルガ銀行でローンを組んでいるから支払いはしなきゃなりません。
そもそも賃料収入を見込んでローンを組んでいますから想定外の空室により、支払い不能に陥ったオーナーが続出したのです。
そこで、事を重く見た金融庁からスルガ銀行に対して「どんな基準で融資しているんだい?」と調査がはいった訳です。
そこで、融資を受ける際の投資家さんの情報のねつ造などが明るみになったようです。
主な情報のねつ造としましては、
- 預金残高の改ざん(例えば本来30万なのに3000万に改ざん)
- 売買契約書の価格の改ざん
などが挙げられています。
これは基本的にスルガ銀行に持ち込む不動産会社が改ざんしていると思われます。
なので、スルガ銀行としては業者とお客さんに騙された!という立場をとることが出来るのですが、全てを業者とお客さんのせいにするのは少し無理があるかもしれませんね。
また、スルガ銀行ではアパートローンの融資をする代わりに、必要のないフリーローン(数百万分)を組むよう促したり、スルガのクレジットカードを作らせたりしていたようです。
そのような状態を一般の人たちが見ると、全員グルなんじゃないの?と思われても仕方ない状況ですよね。
スルガ銀行の担当者の中にはこういった事実を全て知ったうえで融資を行っていた行員もいるのではないでしょうか。
スルガ銀行の融資が実質ストップ
以上のようなトラブルにより、実質スルガ銀行の融資がうけられない状況となりました。
三為業者たちは売る物件はあっても融資を付けてくれる金融機関が無くなってしまったので、販売が出来ずに売り上げが激減です。
そんな三為業者の代表格であった水戸大家さんにもモロにその影響が及んだようです。
三為業者とスルガ銀行は表裏一体でした。
なのでスルガ銀行から融資を受けられなくなった今、三為業者が存続するのが非常に難しい状況に陥ってしまったのです。
過去に一棟の三為業者がどんどん区分のワンルーム業界に流れ込んできているという記事を書きましたが、まさにその通りになってきています。
ただし、この水戸大家さんの峯島社長は区分ワンルームの業界には絶対に行かない!と動画で断言されておりました。
その理由が「お客さんが儲からないから」という理由でした。
水戸大家さんの起業理念にも「日本一のお金持ちを作る会社」でありたいと書かれています。
だからこそ、収益性の低い区分ワンルームを販売してしまうと、その起業理念が嘘になると考えたのでしょう。
ここについては私も過去記事で書きましたが、区分のワンルームで大金持ちになることは難しいです。
そもそも大金持ちを目指すのであれば、区分のワンルームに投資すべきではありません。
もちろん損をする投資、という訳ではありませんので誤解の無いように注意して下さい。
ワンルーム投資は時間をかけてコツコツと少額な利益を積み増すイメージの投資ということです。
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まとめ
言い方は悪いですが、不動産業者なんていうのはこんなもんです。
金融機関からの融資次第でどっちにも転ぶような業界なのです。
金融機関なしに不動産業者の存続はあり得ません。
区分ワンルームに特化して融資している金融機関もある程度存在しますが、今回の件のようにいつ融資を打ち切るかわかりません。
融資が無くなれば、次は区分ワンルーム業界も廃業・倒産が続出するでしょう。
そうならない為には、金融機関に対しても顧客に対しても常に正直且つ誠実であり続けなければなりません。
このブログを通して少しでも多くの方が、「ワンルームマンション投資に対しての正しい知識」をつけてもらえると嬉しく思います。
ワンルームマンション投資の基本を以下の1記事にまとめておりますので、是非ご覧ください。