高齢期の暮らしは「賃貸or持ち家」どっちがいいの?

家についての考え方はさまざまで、賃貸派か持ち家派か意見が分かれるところです。

特に仕事をされている現役世代と、退職後のセカンドライフとでは状況も考え方も大きく異なります。

高齢期の暮らしにはどちらが良いのでしょうか。

今回は賃貸と持ち家のメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

賃貸か持ち家か

総務省の統計では、持ち家世帯率が60.9%と約6割となっています。核家族化が進み、持ち家率もおよそ6割前後で推移してきています。

持ち家率(総務省統計局HP)

(参考URL:総務省統計局HPより)

賃貸4割、持ち家6割となりますが、エリア(地域)別で見ると東北などの持ち家率が高く、都心部の率が低い傾向にあります。

土地の価格や晩婚化なども影響していると考えられています。

自由に住み替えができる賃貸の良さ、資産性のある持ち家、どちらが良いかは家族構成や暮らしているエリアによって異なってきます。

それぞれのメリットはあるものの、デメリットも気にしなくてはいけません。特に退職後など高齢期の 暮らしにおいては、どのような点に注意すべきなのでしょうか。

高齢期の注意点

賃貸の場合、契約を大家や不動産屋と交わしますが、契約者が高齢になると収入面が年金とそれまで貯めた預貯金等になるため、契約継続ができるだけの充分な資産があるかなどが懸念されます。

そのため、保証人をつけないと契約ができなかったり、保証人がいない場合は保証会社と契約したりしなくてはいけませんので、余分な費用がかかる可能性があります。

また、暮らしている間は家賃の支払いが続きますので、値上がりした場合なども考慮しておく必要があります。

 

一方、持ち家は所有している間は暮らし続けることができます。ローン完済後、マンションの場合は管理費や修繕費用、一軒家の場合もメンテナンス等の費用は見積りしておく必要があります。また、資産となりますので固定資産税の支払いもあることを忘れてはいけません。

 

賃貸の場合も持ち家の場合も、家に必要な費用はそれぞれありますので、支払が可能なのかなど、所有資産により事前に確認しておく必要があります。今後も物価上昇や値上げが予測されますので、退職後も安心して暮らしていけるよう事前のチェックが重要です。

 

では、それぞれのメリット・デメリットを確認していきましょう。

賃貸or持ち家のメリット・デメリット

賃貸と持ち家のそれぞれのメリット・デメリットを簡単に比較してみましょう。

賃貸<メリット>

好きな場所やエリアを選択して住み替えができる

住宅ローンなどの債務がない

管理等の手間がかからない

 

賃貸<デメリット>

契約更新ができない場合がある

保証人等が必要な場合がある

家賃や管理費等の値上げの可能性がある

 

持ち家<メリット>

所有している間は暮らし続けることができる(*補足)

資産性があるので、将来的に家を担保にお金を借りたり(介護施設等の費用)、売却したりしてお金を得ることも可能

 

持ち家<デメリット>

固定資産税、家のメンテナンス費用等の支払いがある

庭の手入れや掃除などの手間がかかる

 

 

他にもメリット・デメリットはありますが、特に高齢期という点では資金面や家の管理の手間などを比較して検討されると宜しいかと思います。

(*補足)

自宅(持ち家)を担保にお金を借り、死後に売却して返済する融資「リバースモーゲージ」や、自宅を不動産会社が買い取り、リース契約をしてそのまま暮らし続けられる「リースバック」を利用するかたも増えてきました。

こちらもメリット・デメリットがありますので、検討される際はしっかりと内容を確認して頂ければと思います。

 

最後に

賃貸か持ち家、どちらが良いかといった質問は多いのですが、家族構成や所有資産などにより異なります。

また、現役世代なのか、退職後なのかによっても暮らし方が異なる為、そのかたやご家族の状況も合わせて検討しなくてはいけません。

特に高齢期の場合は契約自体ができなかったり、家の管理が手間だったり、現役世代とは異なった視点での検討が必要です。

今後、どのように暮らしていきたいのか、どこで暮らしたいのかといった価値観も大切ですし、家の維持管理ができるだけの資産はあるのかなど資金面からも考えていく必要があります。

高齢期の引越しや移住などは心身ともに負担がかかります。

物件探しや家の売却などは時間や手間、労力が必要です。

退職後、お元気なうちにその後の暮らしについてご家族で検討されて準備できることから進めておくと安心です。

本記事も参考にして頂ければと思います。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)