金利と聞くと、何だか分かっているようで詳しくは知らないことも。利子と利息の違いは?そもそも金利って何?今さら聞けない金利のこと、詳しく確認していきましょう。
今回は金利についてお伝えしていきます。
金利とは
金利(きんり)とは、利子(りし)または利息(りそく)のことをいいます。金額に対してどれくらいの割合で利子や利息が発生するのかを表すのが「金利」です。通常はパーセント(%)で表記します。
<例>金利3%
実は、利子と利息は同じ意味を持つ言葉ですが、所得税法では「利子所得」のように「利子」が用いられ、利息制限法等では「利息」が用いられることが一般的です。但し、実際には利子と利息を使い分けているケースが多いので、今回は利子と利息がどのような時に使われている言葉なのかをお伝えしていきます。
まず、利子から確認していきましょう。利子は、金銭の貸借(貸借=貸し借り)が行われた場合に、 その使用の報酬(対価)として、借り手が貸し手に支払う金銭のことをいいます。住宅ローンで例えると、お金を貸してくれる銀行に元本だけでなく利子も合わせて支払いをします。住宅ローンを借りている人は、借りたお金だけでなくプラスで利子を支払う必要があります。
では、利息はというと、利息は、金銭等の貸借が行われた場合に、貸し手が借り手から受け取る使用料(金銭その他の代替物)のことをいいます。私たちが銀行や郵便局にお金を預け入れた場合、私たちが貸し手となり、銀行や郵便局は借り手となります。通帳記帳をすると利息が数円、数十円など入りますよね?今は低金利時代なので分かりにくいと思いますが、お金を預け入れた私たちは預け先から利息を受け取ることができます。
さらに詳しく確認していきましょう。
利子と利息の違い
具体例で利子と利息について確認していきましょう。
- お金を借りる場合
住宅ローン、教育ローン、車のローンなど各種ローンは金融機関からお金を借ります。借りているお金を返済しますが、その際、利子も合わせて支払いをします。
参考記事はこちら
- お金を預け入れる場合
預貯金、定期預金など銀行や郵便局にお金を預け入れる場合、お金を貸すことになるので、利息を受取ることができます。また、債券などに投資をする際も同じです。投資先にお金を預け入れていますので、債券であれば年2回などで利息を受取ることができます。
お金を借りる場合は、金利が低いほうが支払う利子も少なくなりますのでお得であるといえます。現在、住宅ローンは1%をわり、0.4%など低くなっていますので、借りるかたにとっては良い時期といえます。
一方、お金を預け入れる場合は、金利が高い方が受け取れる利息も高くなります。できるだけ金利の高いところにお金を預け入れたり投資したりしたほうがメリットはあるといえます。
現在、低金利の日本では金利が高い商品は少ないのですが外貨建てなどの商品は金利が高く、人気となっています。
金利の違いで大きな差が
金利の違いで、どのくらいの差がでるのでしょうか。
現在、日本の銀行に普通預金でお金を預け入れると金利は0.001%となります。仮に1,000万円を預け入れると、1年間に受け取れる利息は100円となります。(そこから税金が差し引かれます)
一方、外貨建ての商品などは3~4%の金利のものがありますので、同じく1,000万円を預け入れると年間の利息は3%の場合は30万円、4%の場合は40万円となります。(そこから税金や手数料等がひかれる場合があります)
<例>
1,000万円×0.001%=100円
1,000万円×3%=300,000円
1,000万円×4%=400,000円
同じ1,000万円ですが、金利が違うだけで受け取れる利息はかなり違います。これが数年続くとなると、その差はさらに大きくなりますので、資産運用をする際は、この金利を確認しておきましょう。金利と時間を組み合わせることで、よりお金に働いてもらい、多くの利息を受取ることができます。金利はとても重要なものなのです。
参考:ソニー銀行ホームページ
その他、外貨建て保険、外国債や外国株式などがあります。
金利が高いというメリットもありますが、為替リスクや信用リスクなども確認しておきましょう。
最後に
今回は金利についてお伝えしてきました。利子や利息は基本的には同じ意味なので、利息(利子)など合わせて使われることも多いです。
お金を借りる、貸す場合に金利は影響してきます。借りる場合は返済額が少なくて済むように金利が低いものを選び、貸す場合(投資する場合)は受け取れる金額が高くなるよう金利が高いものを選ぶ、と覚えておきましょう。
金利の差はかなりあります。数%でも、その差は大きくことなりますので、金利をしっかり確認しておくことは重要です。ローンなどお金を借りる際や、お金を投資する際は、必ず金利をチェックしてみてください。今後の家計や資産運用の参考にして頂ければと思います。
筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)