人生100年時代とは?「健康」と「お金」の重要性

人生100年時代という言葉も真実味が増してきました。退職後に働くかたも増えています。私たちが迎える人生100年時代はどのような感じなのでしょうか。また、「健康」と「お金」について考えておくことも重要です。

今回は人生100年時代についてお伝えしていきます。

人生100年時代とは

人生100年時代。この言葉が出てきた当初は、本当に100年?と疑問視するかたも多かったのですが、近年では現実味を帯びてきました。平均寿命は厚生労働省によると以下となります。

 

令和4年簡易生命表による平均寿命

▽女性 87.09

▽男性 81.05

 

参考:厚生労働省ホームページ

 

平均寿命が公表されている国や地域の中では女性が香港に次いで2位、男性は香港とスイスに次いで3位となりました。

これは、平均寿命です。その年齢以上に生きていく、本当に人生100年時代となってきました。私たちFPがお客様やご相談者のかたと将来について考えていく際も、この人生100年時代を念頭において考えていく必要があります。

ライフプランとは「人生設計」のことです。通常、ご相談の際には30年先くらいまでをライフプラン表やキャッシュフロー表に入れて考えていきます。10年先くらいは、ある程度の予測ができますが、30年以上先ともなると物価やその時の状況もかなり変化があると思います。ですが、最終的には100年時代となりますので、ライフプランを考える際は100歳までの計画を立てていく必要があるということになります。

「健康」と「お金」の重要性

人生100年時代のライフプランで私が重要としているポイントが2つあります。

 

1つ目は、セカンドライフも働く・収入を得られるようにするということです。

2つ目は、健康寿命をのばす努力をするということです。

 

まず1つ目ですが、現在は60歳や65歳で定年を迎えますが100歳まで考えると3540年もあります。その間を退職金、年金、それまで貯めた預貯金などで生活をしていくのですが、足りますでしょうか。老後2,000万円問題など報道されましたが、実際に長生きのリスクとして、老後資金が足りなくなるということは多々あります。

できるだけ、セカンドライフも働いて収入を得る、または、お金に働いてもらい配当や利息などが得られるような資産を作っておくということも重要です。現役時代と同じようには働けませんので、より短時間でも高単価なお仕事ができるよう、現役時代のうちから資格をとっておいたり、コミュニティーを作っておいたりするなどの準備も重要になってきます。

 

2つ目は、健康寿命をのばす努力をするということです。

平均寿命とは異なり、健康寿命とは日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のことを言います。

つまり、介護や介助の必要がなく、ご自身で暮らしていける期間のことです。少し前のデータにはなりますが、2016年の男性の平均寿命は80.98歳、健康寿命は72.14歳ですので、その差は約9年となります。女性は平均寿命が87.14歳、健康寿命が74.79歳なので差は約12年です。つまり、男性は約9年、女性は約12年という期間、介護や介助などが必要になってくるということになります。

 

平均寿命の図

参考:厚生労働省ホームページ

 

介護に必要な費用もかかりますので、できるだけ健康寿命を延ばしていくことが重要になってきます。健康寿命を延ばす方法はいくつもありますが、バランスの良い食事、適度な運動、そして人とのコミュニケーションをとり、脳に刺激を与えるということが重要だと言われています。

健康であること、お金があることが人生100年時代にとって 重要であることは間違いありません。できることから生活に取入れて欲しいと思います。

ロングライフの考え方

人生100年時代というロングライフを考える際、いかに生活の質を落とさずに暮らしていけるかが重要になってきます。

世界に比べて日本人は認知症になりやすいのですが、一人で誰とも話しをしない時間が長いことで認知症を悪化させてしまうとも言われています。毎日、身支度をして外に出て、

お友達や家族、仲間と話しをするなどの日常がとても重要なのです。

働くことは社会ともつながり、自然と健康寿命をのばすことにもつながります。私たちの暮らしには「健康」と「お金」が必要です。いつまでも活き活きと暮らせるよう、人生100年時代について、今から考え、そして実践できることを少しでもして欲しいと思います。

最後に

80代でも現役でお仕事されているかたも、たくさんいらっしゃいます。働くことで生活にも刺激があり、かつ収入も得られます。出来るだけ働き続けたいと思われているかたを職場や国もバックアップしています。今後もその傾向は強くなってくるでしょう。人生100年時代を意識した今後の暮らし方に役立てて頂ければ幸いです。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)