キャッシュフロー表を自分で作る際の注意点とポイントを解説

子どもが生まれて、これから家も欲しい!でも教育資金も貯めないとだし・・・と今後のライフイベントに向けて実現したい気持ちと、お金の不安とが混ざり合って思考がまとまらないことありませんか?お金の不安は可視化すると解決策が見えてきます。ご自身でキャッシュフロー表を作ってみましょう!

今回はキャッシュフロー表を作る方法についてお伝えしていきます。

キャッシュフロー表とは

キャッシュフロー表とは、1年間の収入と支出を計上し、その結果、増減する貯蓄残高が確認できる表となっています。

現在および将来の年間収支と、それに伴う貯蓄残高の推移が可視化できるため、今後の家計を把握することができます。家の購入や学費など大きな支出がある年や、満期金や退職金など大きな収入がある年などを確認することもできます。 貯蓄の推移により、家計の見直しをしたり、仕事を増やしたりするなどの判断材料にすることもできます。ご自身やご家族のライフプランが資金面からみて実現可能かどうかを検討する材料となるわけです。

キャッシュフロー表の作成手順

キャッシュフロー表の上段には基準年(作成した年)から2030年の年度を西暦と和暦で記入します。次にご家族のお名前と年齢を入れていきます。そして、お子さまの進学状況やご両親のお仕事の状況などをライブイベントの行に入れていきます。

上段の作成ができたら、次は収入と支出の項目です。収入は給与や年金、満期金など入ってくるお金を入力します。支出は家賃や光熱費、通信費、食費、学費など項目を分かりやすく分類して年単位で入力していきます。既に家計簿をつけられているかたは、家計簿の支出項目に合わせて分類すると分かりやすくなると思います。

  • キャッシュフロー表の必要項目<例>

・年次

・家族構成と年齢

・ライフイベント

・収入

・収支

・年間収支

・貯蓄残高

キャッシュフロー表の元データ(日本FP協会HP)

日本FP協会のホームページには、キャッシュフロー表の元となるデータが掲載されていますので、ダウンロードしてお使いください。

そして、作成したから安心ではなく、その後のお金の管理をしながら貯蓄の推移も確認してください。予定通り貯蓄ができているのか、ライフイベントに変更がないのかなど見直しも重要です。適宜、キャッシュフロー表の見直しや更新をするようにしましょう。

参考記事はこちら

お金の流れを可視化してから対策を

キャッシュフロー表の作成ができたら、先ずは全体のお金の流れを確認します。ポイントとしては以下となります。

  • キャッシュフロー表のチェックポイント

1.毎年の貯蓄額

2.大きな支出がある年度と資金対策

3.老後資金

先ずは、家計の見直しと同様に、1年間の収支結果をご確認ください。現在の収入と支出では、年間いくらの貯蓄ができているのかを確認します。支出項目の見直しをすることで支出額を減らし、その分で年間の貯蓄を増やしたり、投資にまわしたりするなどの対策をたてていくことができます。

次に、大きな支出がある年度を確認します。住居の購入資金や教育資金などです。必要な年度まで、あと何年あるのか、そのために貯めている貯蓄や保険などはあるのか、といった資金対策をたてていきます。まだ準備ができていない、という場合は必要資金に向けての貯蓄や積立を増やして頂ければと思います。

そして大事なのが老後資金です。さまざまなライフイベントで貯蓄を使ってしまうと、退職後の老後資金が枯渇してしまうことも少なくありません。そうならないよう、キャッシュフロー表で貯蓄残高を確認し、必要な資金を私的年金などで貯めていくこともお勧めしています。

最後に

キャッシュフロー表はご自身でも作成することができます。家計簿では毎月や毎年のお金の出入りを確認することができますが、キャッシュフロー表では年間の結果と中長期のお金の流れを確認することができるのです。両方あると便利だと思います。

私たちファイナンシャルプランナーにご相談頂くと、ライフイベント表やキャッシュフロー表などの作成をさせていただき、一緒に対策をたてていくこともできます。ご相談前にご自身でお金の流れを把握したいということで、作成されるかたも多くいらっしゃいます。

キャッシュフロー表の元データはエクセルなどで管理しやすくなっていますので、対策前と対策後の貯蓄推移を比較しても良いでしょう。お金の流れを可視化することで、もやもやしていた悩みや不安を軽減することができます。ライフイベントの実現に必要な資金が明確になると、その資金を貯めるための対策をたてていくだけです。

必要資金に合わせた貯め方や投資方法などもありますので、ファイナンシャルプランナーや専門家にご相談いただいても宜しいかと思います。本記事も参考にして頂ければ幸いです。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)