ワンルームマンションを所有していると自宅に大量の売却DMが届くようになります。
相場より高値の金額であたかも購入検討者がいるかのような文面で、思わず問い合わせしたくなってしまいます。
また、突然に携帯や自宅に売却勧誘の電話連絡がくることも。
もちろん真っ当にやっている業者さんもいらっしゃいますが、中には非常に危険な業者も紛れ込んでいます。
今回はそんな被害にあったお客様(Aさん)の事例を詳しく解説していきましょう。
※動画ではさらに詳しく解説しております。
目次
きっかけは不動産仲介会社からの電話
Aさんは都内に中古ワンルームを3件保有している会社員の方です。
購入したのは2017年。
全てフルローンで物件を購入しています。
そんなある日、不動産仲介会社を名乗る業者からDMが。
興味本位で連絡してみると、
「ご所有されている物件を2000万(相場は1700万)で購入したい人がいるんですが、話を聞いてください!」
とのこと。
2000万は当時購入した金額(1800万)を大きく上回る金額なので、試しに話を聞いてみようと思いファミレスにて面談することに。
面談でいきなり契約を迫る
面談当日、現れたのはスリーピースのスーツに身を包んだ、いかにも不動産屋という感じの男。
物件情報のヒアリングの後に、男の口から
「思ったより家賃が安く、修繕積立金が高い。これでは2000万は絶対に無理。1600万なら売れる」
「せっかく来たので、これでとりあえず任してくれ!」
と売却をごり押しし、契約を迫ります。
価格が大きく違うので、断ろうとするも
「修繕が上がればさらに価格は下がる」
「この辺りは空室も多いし、そうなるとさらに売れなくなる」
「築年数も売れる限界(実際の築年は15年程度)だから、これ以上先だと売れなくなる」
などセールストークの応酬でしつこく食い下がります。
とにかく今日は決められない!となんとか無理やり商談を終わらせることになりました。
翌日再度電話連絡が
翌日、その仲介会社から再度連絡があり
「1800万で買いたい人がいる!直ぐに契約しないと逃してしまうから、とにかく自宅にいきますので話を聞いてくれ!」
との連絡が。
「予定があるので、厳しい!」
と伝えるが、
「もう近くにいるからとにかく行きますから!」
と一方的に電話を切られてしまいました。
Aさんは本当に用事があったので、自宅は留守にしていました。
その日の夜に再度業者から電話が
その日の夜、Aさんは自宅に戻ると仲介業者から電話が
「なんで約束したの自宅にいないんだ!」
「早くしないと売れなくなってしまう!」
ととにかく売り煽ってきます。
最初に言っていた価格とそもそもの売却価格が大きく違うことを理由にこの話は断ります!
とはっきり伝えると業者の態度が急変します。
驚きの「迷惑料」を請求される
仲介業者から
「あなたの為にこんなに時間を使った」
「あなたが売るというからこちらも経費を使って会いに行ってる」
「これで売却にならなかったら私の会社での立場がない」
などかなり自分本位の話をされ、最終的には
「あなたに振り回されてこちらは損失しかない。もう契約はしなくていいが、迷惑料として仲介手数料分はきっちり払って貰う!」
とのこと。
仲介手数料について
仲介手数料は、不動産売買契約成立後に仲介会社に支払われる「成功報酬」です。
媒介契約などを結ぶ時点ではお金はかかりません。
今回の例でいえば、そもそも媒介契約も結んでいないですし、売買契約も結んでいません。
なので、仲介手数料を支払う必要性は全くありません。
迷惑料というのも正直聞いたこともありません。
悩んだAさんは都庁に相談
不動産の売却に慣れていないAさんは、東京都庁(東京都住宅政策本部)に電話で相談することに。
2. 不動産取引(売買・賃貸)のうち、宅地建物取引業法の規制対象となる内容についての相談
【電話相談】
都庁開庁日 9時~17時30分
指導相談担当 03-5320-5071(直通)【面談による相談】 ※要予約 (電話による事前予約制)
予約は相談日の1週間前から電話で受付(相談日の1週間前が都庁閉庁日の場合は、直前の開庁日から受付します。)時間はお一人あたり30分間です。(電話予約)都庁開庁日 9時~17時30分
指導相談担当 03-5320-5071(直通)
(相談窓口)新宿区西新宿2-8-1 都庁第2本庁舎3階北側 不動産業課内
(相談時間)都庁開庁日 10時~12時、13時~16時
もちろん都庁からの回答としては、仲介手数料は支払う必要はない!との回答。
業者名や担当者などの詳しいヒアリングはあったようですが、大事になることを恐れて、そこは伝えずに電話を切ったそうです。
仲介業者にその旨を伝えると手のひら返し
仲介業者から迷惑料の振り込みについて、電話連絡があった際に
「東京都庁に相談した」
「仲介手数料を支払う必要はないと言われた」
と伝えると、態度が急変し、
「もうお金は支払わなくていい」
「これ以上ことを荒立てないで欲しい」
と手のひらを返したように謝罪モードに。
電話を切った後に謝罪のメールが2通きて、そのあとにその上司を名乗るものからも謝罪の電話があったそうです。
1週間後何事もなかったように再度売却の電話勧誘が
それ以来、一週間ほど連絡もなく落ち着いていたようですが、
また同じ業者から(今度は別の担当者)から
「お手持ちの○○の物件売却しませんか!?」
と勢いよく電話営業がかかってきたそうです。
Aさんも呆れて以前の担当者の名前や経緯を話して電話を切ったそうです。
それ以来電話はかかってこなくなったとか。
悪質な業者にあるあるな話ですが、社内で情報共有が全くできていない、という特徴が挙げられます。
既に断ったのに、また新しい担当者が電話してくる。
同じ内容の電話を人を変えて何回もかけてくる。
基本的にこのような業者は社内のコンプライアンスの意識も非常に低い傾向にありますので、注意しましょう。
その後その不動産仲介会社は行政処分に
そこから数か月後、その不動産会社は東京都庁より30日間に業務停止処分を受けました。
その内容は仲介手数料の上限を超えて報酬を受け取ったとのこと。
処分内容を見ましたが今回の件とは全く別の方ですが、様々な方に似たような行為を繰り返していたことが分かりました。
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まとめ
どこからともなく送られてくる不動産売却や買取のチラシやダイレクトメール。
自宅や携帯に突然かかってくる売却電話。
SNS(FACEBOOKなど)を通じて送られてくる売却メッセージ。
自宅に突然押しかけてくる仲介会社も。
これらのように、基本的に自分が意図せず、向こうからやってくるような案件は全て断るのが基本です。
これは物件の購入に関しても同じことが言えます。
不動産会社はあの手この手で物件を売却させよう、購入させようとしてきます。
自分自身の中にしっかりとした基準や指標が無い限りは、不動産の購入・売却はお勧めしません。
その為にも先ずはしっかりと不動産投資の知識をつけるところから始めましょう。