ワンルームマンション経営を始めるにあたって、ほとんどの方が売主業者提携の金融機関(銀行ローン)を使って物件を購入すると思います。
銀行との面談をご経験したことがある方であれば、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、マンション経営を始めている方でもあまり理解していない金融機関の‘‘ある仕組み‘‘をこれからお話ししていきます。
目次
金利上昇リスク
投資用マンションローンは一般的に変動金利の商品がほとんどです(少なくとも私は、固定金利の不動産投資ローンを使っている方と会ったことがありません)。
当然その融資金利は将来見直しが行われ、上昇する可能性もある訳です。
そうなると、毎月の返済額もそれに合わせて上昇するのが普通です。
ご自宅の居住用ローンで変動金利の融資を使っている方も大勢いらっしゃると思いますが、金利が上昇すれば返済額が増え、金利が下落すれば返済額は少なくなっていることと思います。
これが普通なんです。
でも、そうじゃないのが投資用マンションローンなのであります。
投資用マンションローン
先ほども述べましたが、投資用マンションローンはどこの銀行で借りてもほぼ変動金利のみの取り扱いです。
以前の私のブログでもお話ししておりますが、投資用ワンルームマンションは売主提携の金融機関を使って購入に到るケースがほとんどです。
その売主提携金融機関は無数にある訳ではなく、数限られた銀行のみの取り扱いとなっております。
詳細は以下に記載してあります。
そんな限られた銀行の中で、変動金利で、仮に金利に変動があったとしても、5年間返済額は変わらないという金融機関もあるのです。
金利に変動があっても5年間の毎月返済額は一定
基本的に投資用マンションローンの金利見直しは年2回です(4月と10月)※金融機関による。
なので通常であれば、その金利見直しのタイミングで金利が上昇、もしくは金利が下落していた場合、翌々月くらいに返済額がダイレクトに変更されるのです。
ただし、いくつかの金融機関に限って言えば、金利変動の影響をダイレクトに受けずに初回(第一回目)の返済額が5年間継続するという金融機関(オリックスなど)があります。
正直、文章で書くと非常にややこしいので図を見ながら説明させていただきます。
そもそもの住宅ローンの仕組み
以前にも詳しくお話ししましたが、そもそもの住宅ローンの仕組みは上図のような感じです。
金利が変動しなければ、上図でいうと、毎月8.46万円を35年間支払って、住宅ローンが終了となります。
前項でも話しましたが、金利の見直しが年に2回あります。
なので、通常であれば、金利に変動があれば、毎月の8.46万の支払額も変動するわけです。
返済額5年間一定パターンの金融機関ですと、金利変動があった場合でも、毎月の8.46万の支払額は5年間変わりません。
?
では金利の変動を受けないということ?変動金利の意味ないじゃない?と思われるかもしれませんね。
確かに返済額は変わりません。
ただし、その返済額に占める元金と利息の内訳が変わるのであります。以下のような感じ。↓
金利が上昇すると、利息の割合が増えて元本の割合が少なくなります。
金利が下落すると、利息の割合が減って元本の割合が多くなります。
金利が上昇し続けると発生する1.25倍のセーフティーネット
5年間返済額が一定だが、その5年間の間に金利が上昇し続けたとしましょう。
そうなると、返済利息の割合が多くなりますので、思った以上に元本が減らない!という状況に陥ってしまう可能性があります。
当然5年後には毎月の返済額が見直される訳で、毎月の返済額が多くなるという形で5年分の金利上昇のしわ寄せがくる仕組みとなっております。
その5年後の返済額が再度5年間の毎月の定額返済の基準となる訳です。
そうなると金利が急上昇し続けていくと、5年後の毎月の返済額が8.46万円から一気に15万円とか20万円とかに上昇しちゃう可能性もでてくるわけです。
怖いですよね。
そうなった際に、1.25倍のセーフティーネットが起動します。
当初5年間の毎月の返済8.46万円×1.25=10.575万円となります。
この10.575万が次回返済額の上限金額となります。
なので、当初5年間が毎月8.46万円の支払だとすると、5年後から10年後までの5年間は10.575万円以上の支払にはなりません。
10年後から15年後の5年間は10.575万円×1.25=13.2187万円以上の支払にはならないわけです。
なので、どんなに短期間で金利が急上昇しようが、一気に毎月の支払が2倍になったり、3倍になったりすることはないのです。
投資マンションをローンを使って購入する際に、必要以上に金利上昇を心配される方がいらっしゃいますが、こういったセーフティーネットのある金融機関であれば、5年間の返済額は一定で次回の返済額上限も決められているので少し安心できるのではないでしょうか。
5年間返済額一定方式を採用している投資マンションの金融機関
- オリックス銀行
- ダイヤモンドアセット
- 楽天銀行など
即時金利見直し方式を採用してい投資マンションの金融機関
- SBJ銀行
- イオン銀行(イオン住宅ローンサービス)など
早い段階で融資をローンを組むのが吉
今後の金利上昇リスクなどを考えると、ローンを組むことが不安だと声をよく聞きます。
しかしながら、低金利で融資を引けるうちに購入することこそが一番のリスクヘッジとなります。
なぜなら、ローン金利の上昇はその時のローンの残債に対して計算されるからです。
ローンは年数が経過するごとに嫌でも減っていきます。
つまり、年数が経過すればするほど、金利上昇によって受ける影響が小さくなります。
なので、金利の低いうちにローンを組み、年数の経過とともにローン残債を減らすことで金利上昇のリスクヘッジが自然と行われる仕組みになっているのです。