皆さん、銀行や郵便局に口座を持っていると思いますが、NISAなど投資をする際は、銀行などとは別に「証券口座」を作る必要があります。今年こそ投資をスタートしたい!というかたは、先ずは証券口座の作り方からチェックしていきましょう。
今回は証券口座の作り方についてお伝えしていきます。
証券口座とは
証券口座とは証券会社で株式や投資信託などの投資商品を買う時に必要となる口座のことで「総合取引口座」とも言います。証券会社にはネット系の証券会社と店舗を持つ証券会社がありますが、どちらも口座開設は無料で行うことができます。口座維持費は証券会社によって差があり、ネット系の証券会社では口座維持費は無料です。
一方、店舗を持つ証券会社では口座維持費が必要な所もあります。手数料や口座維持費などを考えると最近ではネット系の証券会社を使う人が増えてきていると思います。
ネット系の証券会社では、証券口座の開設はご自身でインターネットを通じて行います。
<例>楽天証券
最短5分~!3ステップで口座開設
- メール登録
- 本人確認
- お客様情報入力
楽天証券の場合、上記の登録が行われてから最短で翌日から4日でログイン情報がメールか郵送で届きます。その後、資金を入金して、すぐに取り引きがスタートできるようになっています。
口座開設には本人確認書類などが必要になります。事前に何が必要なのか、確認しておくと良いでしょう。店舗がある証券会社では実際に店舗へ行き、窓口の担当者が一緒に口座の開設をサポートしてくれます。ネットが不慣れというかたは、店舗で開設するほうが安心かもしれません。ご自身にあった証券会社を選ぶところからスタートです。
2種類の口座
証券会社が決まったら、次は口座の種類を確認します。証券口座には、「特定口座」と「一般口座」の2つの種類の口座があり、それぞれに特徴があります。
特定口座はさらに「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2つに分かれ、年間取引報告書というものを証券会社が作成してくれます。一般口座は自分で年間取引報告書を作成する必要があります。
口座名 | 年間取引報告書 | 確定申告 |
特定口座
源泉徴収あり |
証券会社が作成 | 必要なし |
特定口座
源泉徴収なし |
証券会社が作成 | 自分で行う |
一般口座 | 自分で作成
|
自分で行う |
投資に慣れているかたでしたら、一般口座でも良いのですが、投資が初めてのかたは特定口座の「源泉徴収あり」にしておくと、年間取引報告書も証券会社が作成してくれ、確定申告も行わなくて良いので納税等の手間ははぶけます。
一方、一般口座では損益通算や損失の繰り越しができます。複数の投資を行っている経験豊富な投資家のかたは、損益通算や繰り越しができるので一般口座が適しています。また、 特定口座では取り扱えない金融商品に投資したい場合は一般口座が必要となりますので、ご自身の投資経験などに合わせて口座を準備されると良いと思います。
証券口座には、それぞれのメリット・デメリットがありますので、開設前に確認をしておくと良いでしょう。
NISA口座の留意点
NISA口座は通常の証券口座(特定口座や一般口座)と異なり、複数の金融機関に同時に申込むことができません。各年分の非課税枠でのお取引は1つの金融機関のNISA口座となります。金融機関により、取扱商品や取引手数料等の諸条件が異なりますので、どの金融機関でNISA口座を開設するか、事前に確認しておきましょう。
ネット系の証券会社もたくさんありますので、手数料やサービス、投資できる商品などを比較して検討してみてください。楽天証券のホームページには、NISAや口座開設の方法などが分かりやすく掲載されていますので、合わせてご参考ください。
通常、私たちが投資で得た利益には税金がかかりますが、NISAでは利益に対して税金がかかりません。NISA口座で投資をすれば、非課税で資産運用ができるのでお得です。
投資をスタート!
証券会社も決めて、証券口座も開設し、投資の準備ができたら、次はどこに投資するのかを決めていきます。口座開設までで疲れてしまい、投資先を決めるのが面倒になってしまうかたも少なくありません。せっかく口座を用意したのですから、毎月コツコツと積立てられるよう投資先も頑張って決めていきましょう。
投資の大原則は「分散投資」です。投資先の商品を分けたり、投資先の国や通貨を分けたり、値動きの違う商品を組み合わせたりして分散させていきます。
今年2024年から新しいNISAが誕生しました。これまで以上に非課税で投資ができる枠が広がり、保有できる期間も無制限となりました。長期的な運用に向いていますし、長期で分散投資をすることでリスクも軽減できます。
- 投資の流れ
1.証券会社を決める
2.口座を開設する
3.投資金額、投資先を選定する
投資が無事にスタートできたら、あとは中長期で運用していくことが重要です。短期的な投機(とうき)とは異なり、投資は中長期で行う資産運用です。1年間の運用実績はどうだったのかなど、確認しながら運用をしていきましょう。慣れてきたら商品を増やしたり、投資金額を増やしたりとステップアップしていくと良いでしょう。
最後に
投資を始めたいけれども、口座開設が面倒でやめてしまったというかた、口座開設したけれども投資先選びで苦戦してしまうかたなど、投資をスタートするまでの準備段階でやめてしまうことも多々あります。公的年金だけでは、老後の生活は大変です。現役時代から私的年金となる積立てをしておくことは重要です。預貯金でも良いのですが、利息は微々たるものなので、少しでも運用で増やしていくことが次の目標となります。
非課税で運用できるNISAなどは、投資初心者のかたから
上級者のかたまで、幅広いかたが利用できる制度です。最初の準備段階である口座開設は手間がかかりますが、開設してしまえば、すぐに投資がスタートできます。本記事も参考にして頂ければ幸いです。
筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)