投資商品を学ぼう!「債券・株式・投資信託」の違いは?

今年から新NISAも始まり、投資に興味を持たれているかたも増えてきたと思います。しかし、投資する商品は数多あるため、どのような商品に投資すれば良いか悩んでしまうかもしれません。先ずは投資商品の概要について確認して頂ければと思います。

今回は投資商品の「債券・株式・投資信託」についてお伝えしていきます。

投資の入口

投資商品の内容を確認する前に、先ずは投資の入口についてお伝えしていきます。投資をするには色々な方法(入口)があります。例えば、確定拠出年金(イデコ)、積立NISA、株式、債券、投資信託など入口がたくさんあるので悩んでしまうかもしれません。先ずは基本的な商品から、その内容を知り、メリット・デメリットをふまえて投資先の選定に役立てて頂ければと思います。

また、目的に合わせて入口を選ぶこともできます。例えば、「私的年金を貯めるために確定拠出年金で積立てしよう」

「家の購入費用を運用しながら積立NISAで貯めよう」などです。それぞれの特性を活かして、入口を決めるのもお勧めです。

楽天証券のHPより投資商品一覧

楽天証券のホームページには、色々な商品が掲載されていますので合わせてご参考ください。

債券とは

債券とは、国や企業などが投資家からお金を借りる(資金調達をする)際に発行する借用証書のようなものです。債券には国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、一般事業会社が発行する社債、金融機関が発行する金融債などがあります。

よく広告やCMで「個人向け国債」など目にしたり聞いたりしたことがあると思いますが、個人向け国債は購入者を個人に限定した国債となります。債券は定期的に一定の利息が支払われる「利付債(りつきさい)」と、利息の支払がない代わりに額面金額より低い金額で発行される「割引債」があります。

 

  • 債券投資の仕組み

投資家は、債券の購入を通じて、発行体(国や会社)に資金を提供します。発行体はその見返りとして、満期までの期間、決められた利子の支払いを行います。満期時には、発行体が破綻しない限り債券の額面金額が払い戻される仕組みです。投資家は最終的に当初投資した債券の額面金額と利子の両方を得ることができます。

但し、リスクがゼロというわけではありません。例えば価格変動リスク(金利変動リスク)があります。市場金利の変動にともない、債券の価格が変動するリスクです。

市場金利が上昇すると、債券を持っているよりも銀行にお金を預けたほうが得なので債券が売られ、債券価格は下落します。逆に、市場金利が下落すると、債券のほうが得なので債券が買われて債券価格が上昇します。

 

他にも、債券の元本や利息の支払いが遅延、一部または全部が支払われないリスクを信用リスク、デフォルトリスク、債務不履行リスクとも言います。信用リスクの目安として「格付け」があります。「AAA(トリプルエー)」や「BB」「C」など記号で表され、格付けの高い債券ほど債券価格は高くなります。「BBB以上」を投資適格債、「BB以下」を投資不適格債と言います。債券を購入する際はこの格付けを参考にしていただくと良いでしょう。

株式とは

株式とは、株式会社が資金調達のために発行する証券をいいます。株式を購入した人を株主といいます。株式の取引単位のことを単元株(たんげんかぶ)といい、現在ほとんどが100株単位の取引となっています。単元未満でも売買できる方法として、株式累積投資(るいとう)や株式ミニ投資があります。

株はひと言でいうと「安く買って高く売る」ことがポイントとなります。これから成長しそうな企業に投資(株を買う)して、企業が成長し株価が高くなったときに売ることで利益を得ることができるという仕組みです。また、株主優待などを楽しみにして買われるかたもいます。お米券、ギフト券、旅行券、お食事券などがありますので、ご自身が良く使われるものから選ぶというかたもいらっしゃいます。

株式投資を行うときの判断基準となる指標がいくつかあります。株価が1株あたり純利益の何倍になっているかを見る株価収益率、株価が1株あたり純資産の何倍になっているかをみる株価純資産倍率、株主が出資したお金を使ってどれだけの利益をあげたかをみる自己資本利益率、配当利回りや配当性向、自己資本比率などがあります。

株式投資はとても面白いのですが、少し投資の経験や知識が必要となりますので、投資初心者のかたがすぐにやるにはハードルが高くなります。少額で行える株式投資などで勉強してみて、ステップアップしていくのも良いでしょう。

投資信託とは

最後に「投資信託」です。投資信託とは、多数の投資家から資金を集めて1つの基金とし、この基金を運用の専門家が株式や不動産などに分散投資して、そこで得た利益を投資家に配分するしくみの金融商品です。

小口投資ができ、専門家が投資・運用を行います。元本は保証されていません。プロが運用してくれるので安心なのですが、投資信託にはコストがかかります。購入時手数料、運用管理費用、信託財産留保額など手数料が意外とかかりますので、そのあたりも確認してから投資するようにしましょう。

前述で債券と株についてお伝えしましたが、株式を一切組み入れないで運用する「公社債投資信託」や株式を組み入れる「株式投資信託」があります。

運用スタイルでは、ベンチマーク(日経平均株価やTOPIX)に連動した運用成果を目標とする「インデックス運用」と、ベンチマークを上回る運用成果を目標とする「アクティブ運用」があります。アクティブのほうが手数料は高い傾向にあります。

最後に

今回は投資商品の中で「債券、株式、投資信託」についてお伝えしてきました。商品の特性を確認して、ご自身の投資経験や投資金額に合わせて選定していただき、そしてステップアップして欲しいと思います。

投資は分散投資が重要です。それぞれの商品のメリット・デメリットをふまえ、分散して投資するよう心がけましょう。また、投資の入口もたくさんありますので、目的に合わせて選んで頂ければと思います。本記事も参考にしてください。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)