今年こそ起業!と思ったら資金不足?融資を受けるノウハウを伝授

最近は自由な働き方が推奨され、副業や起業をするかたも増えてきました。

いざ、起業しようと思っても設備費用や登記費用が足りない!?というケースもあります。

資金不足で起業できずタイミングがずれてしまうと、やる気も落ちてしまいます。

今回は起業する際の融資についてお伝えしていきます。

起業に必要な費用

先ずは起業にあたり、どのような費用があるのかを確認しておきましょう。

融資を受ける際も考慮して「設備費用」と「運転資金」に分けてお伝えします。

 

●設備費用

(1)店舗・工場

(2)土地

(3)機械設備

(4)車両

(5)その他

 

●運転資金

(1)商品、材料仕入

(2)買掛、手形決済

(3)諸経費支払

(4)公庫資金借替

(5)その他

 

起業する事業内容にもよりますが、法人登記をしたり、パソコンなどを購入したり、色々と費用がかかります。

何にいくらくらい必要なのかを項目別に整理しておくことで、融資の申請書も書きやすくなります。

では、融資はどのように申請すれば良いのでしょうか。

融資を受けるには

私たちがお金を借りるところ、といえば銀行などですが、 事業系の資金でしたら通称「公庫」、日本政策金融公庫がお勧めです。

私も個人事業主の頃から法人化後も利用させて頂いていますが事業をする上での設備費用や運転資金を低金利で融資してくれます。

創業計画書などのひな形もありますので、公庫のHPをチェックしてみてください。

日本政策金融公庫の融資制度の一部

(参考URL:https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html)日本政策金融公庫HPより

初めて融資を受けるかたは、借入申込書、創業計画書、月別収支計画書などの書類が必要になります。記入例に習いながら、ご自身のビジネスの事業内容をしっかりと、明確にしておくことが重要です。

書類を公庫に提出し、その後、担当者との面談となります。

どのような事業をしていくのか、借入金の返済目処はあるのかなど質問されますので、準備した書類をもとに回答していく流れとなります。

審査が通りますと、無事に融資を受けることができます。

公庫以外にも、銀行や信用金庫に融資を申し込むことができます。

はじめての起業の場合、メガバンクなどは審査が厳しい可能性がありますので、地元の信用金庫などにご相談されたほうが良いと思います。

起業後の返済プランも重要

融資を受けるイコール返済をしていくことになります。

事業の収支を計画し、きちんと返済していけるのかも提示しなくてはいけません。

創業時は手探りの部分も多いかと思いますが、事業が無事にスタートできて、1年後、3年後、5年後、10年後と発展していけるようなビジネスモデルを考えておくと良いでしょう。

また、資金繰り計画を策定する場合に使うのが「資金繰り表」です。家庭でいうところの家計簿にあたりますが、事業の収入や支出を記入することができます。

最初は慣れないかもしれませんが、重要な書類となりますので創業前に準備をしておいてください。

どうしても書類作成やお金の試算が難しいというかたは、FPや起業支援会社のサポートを受けるのも良いでしょう。

法人設立のサポートなどをしてくれる会社も多数ありますので、費用やサービス内容を確認してみてください。但し、実際の事業を展開していくのはご自身となります。

事業計画やお金の流れなどはしっかりと把握されるよう心がけてください。

起業後は会計ソフトなどを使って、事業でのお金の流れを会計管理していきます。会計ソフトの「free(フリー)」は法人でも個人事業主でも対応し、起業をサポートしてくれます。こちらのホームページも参考にしてください。

最後に

コロナ以降、副業や起業のご相談が増えてきました。本業だけでは不安、ご自身の知識や経験を活かして起業したいなど理由はさまざまです。人生100年時代となりました。企業に勤めるだけでなく、ご自身で事業をしていき、退職後も働き続けるというかたも増えています。

最初は不安なことも多いと思いますが、税理士や司法書士、既に起業されている起業家などから意見をもらったり、起業セミナー等に参加したり、情報収集することもお勧めです。そして、起業することが目的ではなく、事業を展開し続けるという「継続」が次のステップとなります。

良いビジネスパートナーや取引先、お客様を増やし、事業を継続していくことが重要です。創業計画書や資金繰り表などは事業を継続していく上での指針となります。定期的に見直しをして上方修正や下方修正していくこともあります。お金の流れを把握し、事業を大きく展開していけるよう、最初の起業準備をしっかり行って頂ければと思います。

本記事も参考にして頂ければ幸いです。

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)