急増する空き家、田舎の家や土地の管理はどうする?リスクと対策

年末年始に帰省されたかたも多いと思いますが、都心部だけでなく地方の空き家が増えているのに気づかれましたでしょうか。

後継者がいなく、家や土地がそのままになっている「空き家」は全国的に問題となっています。

今回は空き家の問題と対策についてお伝えしていきます。

空き家の状況

住宅・土地統計調査(総務省)によると、空き家の総数は

この20年で約1.5倍(576万戸→849万戸)に増加しています。

特に地方の空き家率は17%から21%と高くなっています。

核家族化が進み、実家を引き継ぐ後継者がいないことなどから、今後も空き家は増えていくと予測されています。

 

(参考URL:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001426966.pdf)国土交通省空き家の現状と課題より

空き家のリスク

空き家にしておくと、どのようなリスクがあるのでしょうか。

国土交通省による全国1,804全市区町村を対象とする

アンケート(H21.1)の結果から以下のようなリスクがあげられました。

 

●防災性の低下

倒壊、崩壊、屋根・外壁の落下、火災発生のおそれ

●防犯性の低下

犯罪の誘発

●ごみの不法投棄

●衛生の悪化、悪臭の発生

蚊、蝿、ねずみ、野良猫の発生、集中

●風景、景観の悪化

●その他

樹枝の越境、雑草の繁茂、落ち葉の飛散 等

 

田舎の家が売却できず、年1回、庭の手入れに約20万円かけて

依頼しているかたや、ご近所のかたに管理を依頼しているかたもいらっしゃいます。

固定資産税や火災保険、家の管理にかかる費用などを合わせると家計にも負担がかかります。

空き家はご近所にも迷惑がかかりますので、きちんと管理する、賃貸にする、売却するなどの対策が必要になってきます。

さまざまな対策について

国や自治体が行っている4つの空き家問題解決策をご紹介します。

 

1:空き家対策特別措置法

2:空き家バンク

3:低廉(ていれん)な空き家等の売却手数料

4:相続空き家の3,000万円特別控除

 

1つ目の空き家対策特別措置法とは、危険な空き家を「特定空き家」として指定し、最終的には行政がその空き家を強制的に取り壊すことができるようになった法律です。但し、空き家取り壊し費用は所有者の負担となります。

 

2つ目の空き家バンクは、空き家を「貸したい・売りたい」と思っているかたが各市町村に情報を提供し、「借りたい・買いたい」と思っている人が利用を申し込むことができます。

市区町村の自治体HPなどで検索をしてみて下さい。

 

3つ目の低廉(ていれん)な空き家等の売却手数料ですが、 地方の空き家の売却は総額が400万円以下となることが多く、仲介手数料の総額があまりにも低いため、不動産会社の協力が得られないという問題がありました。そこで、不動産会社が最大18万円まで手数料を受領できるようにしたことで不動産会社の協力が得やすくなるようになりました。

そのため、以前よりは地方の低廉な空き家も売却しやすくなっています。

 

4つ目の相続空き家の3,000万円特別控除では、相続で取得した空き家も売却しやすくなっています。その理由は、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」という税金特例が設けられたためです。

 

空き家が増える理由の一つに相続があります。

相続した不動産は取得費が不明なことが多く、売却すると税金が発生しやすいため、その税金が売却の阻害要因となっていました。

相続空き家の3,000万円特別控除が適用できると、空き家を売却したときの譲渡所得は以下のように計算されます。

  • 譲渡所得=譲渡価額(売却額)-取得費(購入額)-譲渡費用(売却に掛かった経費)-3,000万円

計算の結果、譲渡所得がマイナスになるようであれば、税金は発生しないことになります。

3,000万円特別控除を利用するには、要件がありますので国土交通省のホームページでご確認ください。

(参考URL:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000030.html)国土交通省HPより

最後に

使わなくなった家や土地を市区町村へ寄付することも可能ですが、維持管理費がかかるため、断られるケースもあります。また、接道義務を果たしていないなどの理由から売却することが困難な物件も数多くあります。その為、田舎の家の状況を確認しておくことも重要です。

今後、田舎暮らしに魅力を感じたり、定年後は自分の育った土地で生活したいと思ったりするかもしれません。

その場合、現在暮らしている自宅を人に貸して田舎に移住するといった方法もあります。いろいろな対策や選択肢がありますので、地元金融機関や司法書士、税理士、不動産業者などに幅広く相談し、情報収集をしておくことをお勧めしています。

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)