生命保険の告知内容について解説!健康告知と職業告知とは?

生命保険に加入される際、お身体の状況についての告知が必要になります。ご加入者の保険料負担を均一化するために、リスクがある場合は保険料が割り増しになったりします。 健康に関する告知だけでなく、職業に関する告知もあるのはご存知でしょうか。

今回は生命保険の告知内容についてお伝えしていきます。

生命保険の仕組み

生命保険は加入者が保険料を負担し、病気や死亡された時に給付金や保険金が支払われる仕組みなのですが、加入者の年齢や性別、お身体の状況によってリスクの大小は異なります。基本的に若いかたは病気や死亡のリスクも低いので保険料はお安くなります。逆に、高齢であったり、持病があると保険料は高くなったり、通常よりも割り増しになったりします。保険料が決まる仕組みを確認しておきましょう。

一般社団法人生命保険協会のホームページには、生命保険の仕組みについて詳しく掲載されていますので合わせてご確認ください。

 

  • 収支相等の原則

生命保険は大勢の保険契約者が保険料を負担し、それを財源として、誰かが死亡したときや病気になったときに、保険金や給付金を受け取ることができる「助け合い」「相互扶助」の仕組みによって成り立っています。

生命保険の仕組みの図

収支相等の原則は計算式では以下のようになります。

 

保険金 × 死亡者数 = 保険料 × 契約者数

 

同じ年齢、性別でもお身体の状況によって、病気になるリスクや死亡リスクが異なります。そこで、ご加入の際にお身体に関する告知をしていただき、保険会社の査定により保険料が決まる流れとなっています。

身体に関する告知

先ずはお身体に関する告知から確認していきましょう。保険会社によって告知の内容や引き受けの目安が異なりますので、あくまで参考にしてください。

 

  • 告知内容<例>

・過去2年以内に、健康診断・ガン検診・人間ドックを受けて、要再検査、要精密検査、要治療の私的をされたことがありますか。

 

・最近3ヶ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。

 

・過去5年以内に病気やケガで7日以上の医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。

 

・過去5年以内に病気やケガで手術を受けたことがありますか。

 

・今までに、ガンになったことがありますか。

 

・視力、聴力、言語、そしゃく機能の障害、手・足・指の欠損または機能の障害、はありますか。

 

・(女性)現在、妊娠していますか。

 

過去2年や過去5年のお身体状況についての告知があります。過去のお身体の状況を思い出して告知していただきます。お身体の状況によっては、加入ができない場合や、保険料が割り増しになる場合、もしくは不担保となる場合もありますので、できるだけ健康なうちにご加入や見直しをされることをお勧めしています。

職業に関する告知

次に職業についての告知です。職業はお勤め先や業種などを告知いただきますが、「特定職種」と言って、お仕事上、ケガや病気、死亡などのリスクが高い職業の時は、お引き受け(加入)ができなかったり、保険金額が少額までとなったりする場合があります。特定職種にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

  • 特定職種<例>

アクション俳優、殺陣師(たてし)、スタントマン

競輪、競艇、競馬、自動車・オートバイレース

力士、レスラー、ボクサー

登山家、探検家

林務作業員、採石作業員

自家用航空機、ヘリコプター、テストパイロット 等

 

ビルの窓ふきなどの高所作業も特定職種になります。お身体に負荷がかかる職業や事故などのリスクが高い職業の場合、加入ができなかったり、死亡保障などの保険金額が少なくなったりします。

他にも危険な運動等をしている場合も告知で引き受けができない場合もあります。

 

<例>

自動車レース・オートバイレース・登山・洞穴探検・スカイダイビング・ハンググライダー・パラグライダー・乗馬競技・競技スキー・ボブスレー・空手・拳法・スキューバダイビング・定期航空便以外の航空機による飛行・ボクシング・レスリング・ヨット 等

 

ご加入される保険により、告知内容は異なりますが、リスクが高い職業や運動等の告知がある場合、加入制限があるということにご留意ください。

引き受け目安について

持病をお持ちのかたは、「保険の加入や見直しが難しいのでは」と思われがちですが、日進月歩でお薬や治療法が進歩しています。昔は引き受けができなかった病気も、今では条件なしでお引き受けできる場合もあります。

例えば、糖尿病なども、ここ数年でかなり引き受けが緩和されています。お薬で数値が安定していると、保険料の割増などもなく加入できる場合もあります。保険会社により引き受けの目安が異なりますので、保険の担当者やFPなどに聞いて確認してみてください。

持病もお持ちのかたも、定期的に保障内容の見直し等をお勧めしています。健康診断や節目年などに見直しをしてみては如何でしょうか。お身体やお仕事の状況、ライフスタイルなどに合わせて必要な保障内容が変わってきます。環境の変化などがあったときは、保障内容があっているかを確認しておくと良いでしょう。

最後に

保険は加入しているから安心ではなく、ケガや病気、死亡などのリスクに備え、給付金や保険金を受取り、ご自身やご遺族が使える保険でないと意味がありません。

ご加入の際は、告知が必要になりますが、告知がもれていたり、きちんと告知されていなかったりした場合、保障が受けられないこともあります。ご加入の際は、きちんとお身体について、職業や運動等についての告知も行うようにしてください。

また、持病をお持ちのかたは、保険の引き受け目安が緩和されてきていますので、見直しをして保険料が安くなったり、保障が広げられたりする場合もあります。また、十年前など、かなり前に加入している場合は、保障内容などの見直しも必要です。定期的に保障内容の見直しをされることをお勧めしています。本記事も参考にして頂ければと思います。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)