ライフイベントに合わせた必要な保証とは?

保険は「入っているから安心」ではなく、ライフイベントに合わせて必要な保障でないと意味がありません。人生にはさまざまなライフイベントが存在します。果たしてそこに必要な保障とは?

今回はライフイベントに合わせた必要な保障についてお伝えしていきます。

若いうちこそコツコツと

社会人になり、収入を得るようになると保険の加入を検討されるかたも増えてくると思います。それまでは親が加入していてくれた保険に入っていた、というかたもご自身で契約者となり保険に加入することができるようになります。

20代や30代など年齢が若いということは、将来までの時間が長くあります。「時は金なり」です。ベンジャミン・フランクリンの言葉「Time is money」は「時間はお金と同等に意味のあるものだから、無駄にしないように」といった意味なのですが、保険においてもこの時間はとても重要になってきます。

例えば、毎月1万円の積立て保険を25歳のかたが65歳まで続けたとすると、年間12万円×40年=480万円も積立てられることになります。では、45歳から積立てたらどうなるでしょう。積立て期間は20年なので半分の240万円です。つまり、若いうちからコツコツと少額でも積立てることで元本を増やしていくことができます。しかも利率の良い商品であれば複利の効果で元本と利息を受け取ることができます。

先ずは貯金と思って積立て保険(年金保険やドル積立て終身保険、変額保険など)にご加入されることをお勧めしています。また、若くても病気やケガのリスクもありますので、医療保険やがん保険などリスクに備えた保障も重要です。まだ収入が少ない時期でもありますので、無理のない保険料でバランス良く備えて欲しいと思います。

結婚したら見直しを

ご結婚された時は見直しのタイミングです。それまではご自身のための保障だけで良かったのですが、ご家族が増えたことで生活スタイルも変わってきます。家などを購入する際は、住宅ローンが払えなくなってしまわないように団体信用生命保険にご加入されます。

通称:団信(だんしん)は、住宅ローンの契約者に万が一のことがあったときに、保険会社が代わりに住宅ローンを返済してくれる仕組みです。家族や家を守ることができる保険です。加入していない場合は、家族に返済という大きな負担が残ってしまうため、住宅購入にあたっては団信への加入は必須といえます。

団信の仕組み図(全国信用保証協会連合会ホームページ)

参考:全国信用保証協会連合会ホームページ

 

家の購入がなくても、ご夫婦で生計を立てていて、もしものことがあった場合、遺されたご家族の生活が困らないよう死亡保障の終身保険や定期保険などの保障も必要です。もちろん、国からの遺族年金もありますが、それだけで生活をしていくのは難しいです。少しでも死亡保障で備えておくと安心だと思います。

子どもが誕生したら

お子さまが誕生した際は、さらに収入保障保険などで家計の中心者の保障をあつくしておく必要があります。お子さまが小さいうちは保障される金額が高く、大きくなるにつれて保障が低くなるのが収入保障保険です。大きな保障を比較的安い保険料で加入ができるのがメリットですが、掛け捨てなので、その点が留意点です。お子さまの人数にもよりますが、他の死亡保障でカバーすることもできると思います。また、学資保険も早めに加入されておくと良いでしょう。

子ども手当金で積立てをされているご家庭も増えてきました。子育てにお金はかかりますが、子どもの将来のために必要なお金を保険で準備しておくこともお勧めしています。

このように、ご家族構成が変わったり、ライフステージが変わったりした際は、そのときに必要な保障で備えているのか、確認しておくと良いでしょう。また、定年前にご加入されている保険の見直しをしておくのも重要です。保障内容に過不足がないか、保険料は定年後も支払える金額なのか、確認しておくと良いでしょう。

最後に

私が保険の見直しをしたお客様で、30代の独身男性だったのですが、なぜか収入保障保険に加入されていました。独身のかたでも親に仕送りをしているなど、収入を保障したい場合は適切なのですが、そうではなく、何も知らずにご加入されていました。保障内容を理解していないと、必要のない保険に加入してしまうこともありますので注意が必要です。

ライフイベントに合わせた保障、イメージがつきましたでしょうか。家族構成が変わったり、生活に変化があったりしたときはご加入されている保険を見直すタイミングです。

必要なときに必要な保障で備えていることが重要です。逆に、必要ない保険に入っていても毎月の保険料が無駄になってしまいます。毎月数千円でも年間や数年単位で考えると大きな支出です。保険は使えなければ意味がありません。しっかりとご加入の保障内容を確認して頂ければと思います。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)