NISAやiDeCoにFXなどの投資に対して興味を持つ方が増えている昨今、儲かるか損するかの判断材料として期待値という言葉を耳にする方も少なくはないでしょう。今回は、ギャンブルや株式投資などでよく聞く「期待値」とは、なに?についてお伝えします。
「期待値」とは
株式投資やギャンブルのパチンコなどでは「期待値」と呼ばれる数値を大事とされることがあります。
パチンコなどのギャンブルでも、期待値やボーダーという言葉が出てくるため、一度はパチンコに興味を持ったり、やったことのある方ですと馴染みのある言葉だと思います。
例えば、1000円あたりチャッカーに20回入り大当たりの抽選を受けられる台と、1000円あたり18回の抽選を受けられる台があれば、前者の方が大当たりする可能性があります。
どちらが得かと言えば、前者となります。
だれもが、得をしたいと考えるのは当然のことですよね。
そして、株式投資における期待値とは、一回の投資で得られる損益に対してを言います。
一回の取引きでいくら賭けて、いくらの見込みがあるのかを把握するための数値と考えると良いでしょう。
株式における計算式は、
期待値=(勝率×平均利益)-(負け率×平均損失)
で算出することが可能となります。
期待値を計算できずに、運任せで取引きを重ねて結果を残すというケースは稀ですので、しっかりとギャンブルではなく、投資によって利益を多く取れるようにするためには、期待値を重ねていくことが重要だとされているのです。
期待値を考えてみよう
期待値についての考え方を開設していきます。
目の前に、お年玉袋が二つあります。
この袋のうち一つをもらう事が可能です。
どちらかの袋には倍額が入っています。
最後に一度だけ交換のチャンスがあります。
では、片方の袋を引いてみましょう。
引いた袋には、1,000円が入っていました。
もう一方の封筒の中身は見ることが出来ません。
そうなると、もう一方の袋には「500円」か「2,000円」が入っていることが分かります。
期待値を計算してみると、
交換しない場合だと、1,000円×100%=1,000円。
交換する場合だと、(500円×50%)+(2,000円×50%)=250円+1,000円=1,250円。
といった公式が成り立つため、交換した方が高い期待値を得られることになります。
ですので、期待値が高い取引の回数が多くなれば利益が大きくなります。一方で、期待値の低い取引回数が増えれば損失が増えて、資産を失うことになるのです。
投資はリスクが伴うからこそ長期的な視点が大事!
短期間で利益をあげようとすると失敗するリスクも大きく、損失が思いのほかデカくなる可能性があります。投資において、長期視点、試行回数が多いほど、勝てる確率が高まるということが、期待値計算によっても分かるようになります。
また注意しなければならないのが、いくら勝率が高くても平均損失額が大きければ、損失が発生しますし、勝率が低くても平均利益率が大きければプラスへと転じるため、勝率が重要ではなく、期待値が大事であることを理解していきましょう。
ですので、何も一回の投資にウン百万円と資産を投入するのではなく、分散や積立式で投資して、平均して利益をあげられる様にするなど、資産運用を考えていかなければ、リスクとリターンに見合っていない可能性も出てきます。
だからこそ、期待値に見合った銘柄選びであったり、投資のタイミングも非常に重要となってきます。そして、日々変化の起こる国際情勢や株の値動きにトレンドなどを日々確認しながら、調整していくことが大事とされる理由でもあるのです。
投資で成功する人の割合
なぜ、投資で成功することが難しいのかと考える方も多いことでしょう。
これは、金融庁が2020年に発表した情報によると、投資信託で運用損益がプラスになった人の割合は約3割程度とされており、株式投資以外の投資も含まれてはいますが、確実に成果を齎した人が3割程度という情報が発信されています。
そうなると、投資で成功するのは難しいのでは?と考える方も多いかもしれません。
しかし、株式市場は日々変動するため、長期的な投資であったり、冷静さを保つことで、結果的に利益が上りやすくもなります。
短期間で大きなリターンを得ようとすれば、リターンは大きいかもしれませんが、リスクも非常に高く付く恐れがあります。短期的な動きに惑わされず、冷静さを忘れて感情的に行動してしまう方にとっては、投資は非常に危ない賭け事になり兼ねません。
ですので、少額からでも経験値を高め、実績を積んでいくことも非常に重要なのです。
そのなかで、負けることもあるでしょうが、儲けるためには実践と分析を繰り返すことが非常に大切ですので、期待値を稼ぐためにも実践と勉強を行って研鑽していきましょう。
まとめ
損失や利益の生まれる投資において、期待値の高い株式であったり、証券を購入した方が良いというのは当然のことです。しかし、そのロジックさえも知らずに、投資を行えば、損をすることは概ね確定しています。
そういった状況を作らないためにも、投資をおこなって勝っている方は、リスクとリターンのトレードオフを数値化して、リスクカットしているのです。取引パフォーマンスを向上させるためにも、期待値を算出し利益を生み出していきましょう。