自賠責保険が活用されてる!?事故防止対策や被害者支援について

車の安全機能が高まり、以前よりは減ってきた交通事故。

しかし、毎年多くの交通事故が発生し、多くの死傷者が出ています。自賠責保険などで備えておくことが義務づけられていますが、その保険料を運用することで様々な対策や支援に活用されています。

今回は自賠責保険と、その活用についてお伝えしていきます。

事故等の件数

先ずは現在の事故等の件数から確認しておきましょう。

 

  • 令和4年

交通事故発生件数:4,357

死者数:26

負傷者数:5,530

*負傷者数のうち重傷者数は1,177人、軽傷者数については4,353人。

事故類型別交通死亡事故発生件数(内閣府HP)

参考:内閣府ホームページ

 

交通事故発生件数と負傷者数は18年連続で減少していますが、負傷者数は5千人を超え、毎年多くのかたが事故の被害に合われていることが分かります。

事故にあわれたかたは身体へのダメージもありますが、その後の生活や仕事ができないなど経済的な負荷もかかります。

ご自身だけでなく、一緒に暮らしている家族への影響もありますので、事故の影響は計り知れません。

また、事故をおこしてしまったかたは、被害者のかたに損害賠償金を支払うことになります。そこで必要なのが自賠責保険です。必ず加入する自賠責保険について詳しく確認していきましょう。

自賠責保険と対人賠償保険

自賠責保険は、自動車損害賠償保障法で加入が義務づけられているため「強制保険」とも呼ばれています。すべての自動車は、自賠責保険(強制保険)に加入することが法律で義務づけられています。

自賠責保険で補償されるのは、交通事故などで他人を死亡させたり、ケガをさせたりした「人身事故」の場合です。また、自賠責保険の補償は無制限ではなく、限度額が定められており、自動車事故の賠償費用が高額になった場合、自賠責保険だけでまかなうことは難しくなっています。

 

<払われる保険金の限度額>

死亡:3,000万円

ケガ:120万円

後遺障害:後遺障害の程度に応じた等級によって75万円~4,000万円

 

実際に請求される賠償費用は限度額よりも高額になることがあります。任意保険の中には「対人賠償保険」という自賠責保険と同じく被害者のケガなどを補償する保険があります。自賠責保険は保険金額に上限がありますので、任意保険によって補償を上乗せしておくと安心でしょう。自賠責保険だけでなく対人賠償保険への加入も重要です。

家計簿では、車にかかる費用として毎月の保険料とガソリン代、年1回の税金などを合わせて車関連費用として計上しておくと良いでしょう。車検代も必要になりますので、車検がある年度については別途、費用を準備しておく必要があります。

最近は車の安全機能も増えてきました。車を購入する際は、事故をおこさないよう安全機能などもチェックして選んで頂きたいと思います。また、体調が悪いときなどは運転をしないなど、運転するかたの注意も大切です。保険、車、運転するかた、それぞれで備えていくことで少しでも事故が減ることを願っています。

保険料の運用

保険については自動車やバイクに乗られているかたはご存知かと思います。実はこの自賠責保険の運用益を活用した事業があるのはご存知でしょうか。

通常、保険会社は皆さまからお預かりした保険料を運用しています。自賠責保険の保険料の収入から保険金のお支払いまでの間の滞留資金から生じた収益(運用益)については、その全額を準備金として積立てることが義務づけられています。この運用益は自賠責保険の収支改善にあてるだけでなく、「自動車事故防止対策」や「自動車事故被害者支援」「救急医療体制の整備」などに活用されてるのです。

自賠責保険は損害保険となります。一般社団法人日本損害保険協会のホームページには、様々な損害保険についての情報やデータが掲載されていますので合わせてご参考ください。

事故防止対策や被害者支援

自賠責保険の活用ですが、具体的には飲酒運転防止のための啓発事業支援、交通事故無料法律相談の事業支援や交通遺児育成基金の援助事業の補助、リハビリテーション講習会開催費の補助などがあります。また、救急自動車等の寄贈やドクターヘリ体制整備補助なども行っています。

 

<事故防止対策例>

ASV(先進安全自動車)の普及

運行管理者等指導講習

自動車安全性能の評価

 

<被害者支援例>

重い後遺障害が残った方を専門に治療する病院の設置や運営

介護を受けるかたや家族への介護料の支給

交通遺児等への生活支援

 

事故そのものを少なくするよう車の安全機能を高めるだけでなく、運転する方々への指導や講習も重要です。また、事故にあってしまったかたや、そのご家族への支援も必要です。交通事故を未然に防ぐ対策、事故後の支援、この両輪が重要な役割を持っていると思います。

生活に必要な車ですが、安全に運転できるよう私たち1人ひとりが注意していくことも大切です。

最後に

私は長年、あしなが育英会に寄付をしてきました。寄付をするまでは「交通遺児」への寄付だと知りませんでした。一家を支える親が交通事故で亡くなってしまい、進学ができなくなってしまう子供達を寄付でサポートしています。毎年、多くのかたが寄付をしてくださり、交通遺児たちの進学をサポートしています。こうした個人で出来る寄付やサポートだけでなく、自賠責保険が事故防止対策や被害者支援に活用されていることを知り、とても心強いと感じました。

保険は入っているから安心ではなく、その仕組みや活用法を知ることも重要です。保険会社はお預かりした保険料を保険金の支払いにあてるだけでなく、運用しています。そして保険に加入されているお客様に役立つことへと活用させているのです。

加入している自賠責保険の運用益は事故防止の対策や事故にあわれたかたの支援事業などに活用されています。リスクに備える保険。さまざまな形で活用されていることを知り、よりその重要性を感じることができるのではないでしょうか。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)