お一人様のライフプラン第2弾~サポート編~

前回はお一人様のお金についてお伝えしましたが、第2弾はサポート編です。通常はご自身で様々な手続きや事務処理などができますが、病気や介護が必要な時など、お身体が不自由な時にはサポートが必要です。ご家族が近くにいないかたや、ご高齢でサポートできないかたもいらっしゃいます。

今回はお一人様のライフプラン第2弾として、サポートについてお伝えしていきます。

不安を感じる要素

内閣府のホームページには、一人暮らし高齢者に関する意識調査の結果が掲載されています。その中に、「日常生活の不安」について聞いた調査の結果、最も高い不安は「健康や病気のこと」(58.9%)、次いで寝たきりや身体が不自由になり介護が必要となる状態になること(42.6%)となりました。健康や介護についての不安要素が高いということが分かります。特にご家族や知人・友人などが近くにいない、ご近所づきあいも少ないなど、コミュニティが限定されてしまうと、更に不安は高まってしまうようです。健康な時は良いのですが、病気や介護が必要な時はサポートが必要になってきます。

内閣府のアンケート日常生活の不安

病院・施設のサポート

病院や施設に関するご相談先は色々とありますのでご紹介しておきたいと思います。

 

・社会福祉士

・医療ソーシャルワーカー

・社会福祉協議会(地域住民の抱える福祉に関する相談を受け付ける役割)

・地域包括支援センター(介護保険法に基づいて設置されている相談機関)

 

社会福祉士は、日常生活をする上で困ったことや問題を抱えている人の福祉に関する相談にのってくれます。医療ソーシャルワーカーは、病院やリハビリ施設などの保険医療機関で療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助、退院援助、社会復帰援助などをしてくれます。このような専門家へ相談できることは困っているとき、とても心強いでしょう。

また、地域にも社会福祉協議会や地域包括センターといった相談機関があります。お住まいの地域には、どこにあるのか確認しておくと安心です。

他にも民間で信託などの契約により、身元保証や病院・施設の紹介や手続きサポートなどをしてくれる団体や企業も増えてきました。但し、民間の場合はサポートしてくれる内容や費用などが異なりますので、利用する際は資料などを取り寄せて比較し、ご自身に必要なサポート等を検討して頂ければと思います。

また、最近はペットと暮らすかたも増えています。ご自身が入院される際、ペットのことが心配になると思います。入院時にペットを預かってくれるサービス等もあります。こちらも、サービス内容や費用が異なりますので、事前にチェックしておくと良いでしょう。旅行や長期で家を空ける際に、利用しておき、サービス内容等を確認しておくと安心です。こうした情報も事前に得ておくようにしましょう。

保険のサポート

「保険は出口が大切」と言われています。出口とは保険を使うときです。つまり、入院や手術、通院などの給付金を申請する際にサポートしてくれる担当者や保険会社の窓口なども重要になってきます。

お元気なときは、書類の申請など負担に感じないことも、ご病気中などは、とても負担に感じます。給付金がスムーズに支払われることで、治療中もその後の生活も安心です。保険証券を保管しているホルダーに、担当者や連絡先などを記入しておき、もしものとき、すぐに連絡できるよう準備しておきましょう。

注意すべき点

前述で民間のサポート会社についてお伝えしましたが、実は契約に関するトラブルが増加しています。高齢者を対象とする身元保証や日常生活の支援、死後事務等を行うサービスの契約において、「高額な契約をしてしまった」「解約の返戻金に納得できない」などのトラブルが増えているのです。

 

  • 相談事例

―契約内容がよく分からず高額なので解約したい

―事業者に勧められるままにサービスを追加して思ったより高額な契約になった

―契約するつもりのなかったサービスも含まれていた

―約束されたサービスが提供されないので事業者に解約を申し出たところ、説明のないまま精算された

 

このようなトラブルに合わないよう、サービス内容や料金を事前に確認し、契約は慎重に行いましょう。お一人で契約するのが不安な場合は、第三者のかたに同席してもらうのも良いでしょう。急いで契約してしまうことで、こうしたトラブルになるケースもありますので、事前にどの事業者にお願いすべきか、資料を取り寄せたり、相談したりしてから契約を検討されることをお勧めします。

最後に

お一人様のライフプランで不安要素が高いのが、前回お伝えしたお金の不安、そして今回の病気や介護になった場合のサポートについてです。いずれも事前に備えておくことで、かなり不安要素を軽減できます。

今回のサポート編においては、事前に備えられることとして以下があります。

 

  • 事前の備え

―近くの病院、施設等を確認しておく

―入院や入居の手続き(保証人等)の情報を得ておく

―地域の社会福祉協議会や地域包括センターの場所を確認しておく

―加入している保険の担当者や連絡先を明確にしておく

―サポートや代行してくれる事業者の資料を取り寄せ確認しておく

―ペットの預り先等の情報を得ておく(もしくは旅行などの際に利用してみる)

 

他にも、ご友人などの経験談なども参考になりますので、情報を得ておくと良いでしょう。この場合はどこに連絡する、といった連絡先の一覧を作成しておくこともお勧めしています。

サポートが必要なときは、ご自身の体調が悪かったり、介護が必要だったりするときです。いつもは出来ることも困難な場合がありますので、すぐにサポートしてくれるかたへ連絡できるよう準備しておきましょう。情報や備えは、お一人様の生活を安心して過ごせるための重要なツールです。本記事も参考にして頂き、生活にお役立て頂ければ幸いです。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)