投資の大原則「分散投資」とは?1つの籠で卵を運ぶな!?

2024年から新NISAがスタートし、投資を検討されるかたも多いと思います。

投資の初心者から上級者まで共通して言えることが投資は1箇所集中ではなく「分散投資」が大原則ということです。

どのような分散があるのでしょうか。

今回は分散投資についてお伝えしていきます。

分散投資とは

先ずは分散投資について確認しておきましょう。

例として「卵を1つの籠に盛るな」という格言があります。

1つの籠に盛ると、籠をひっくり返してしまった場合、その中の卵は全て割れてしまいます。

いくつかの籠に分けて盛ると、1つの籠がひっくり返っても他の籠の卵は割れずに守ることができます。

投資も同様に、1箇所集中で投資をしてしまうと、値下がりが生じた場合、リスクを負ってしまいます。

いくつかの投資先に分散していることで、それぞれの値動きが異なり、リスクを分散することができるのです。では、どのような分散方法があるのでしょうか。

さまざまな分散方法

今回は4つの分散方法をお伝えしていきます。

1投資対象の分散

投資対象を分散させるとは、例えば次のようなことを指します。

・預貯金だけでなく株式や債券も保有する

・投資をするとき、1社(銘柄)ではなく複数社(銘柄)に投資する

・投資をするとき、投資先は異なる業種から選ぶ

・日本株だけでなく、外国株にも投資する

・株式、債券、不動産、金など別の資産に投資する等

 

2国や地域の分散

投資を国内に限定せずに世界に分散させることでリスクを分散させます。例えば、日本の株価が低迷したとしても、米国や欧州、アジアの株式市場が好況であれば、ポートフォリオ(*1)全体の収益を安定させることができます。

*1:ポートフォリオ

金融用語では、資産構成(金融資産一覧)など

 

3通貨の分散

円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドルなど、様々な通貨に投資することでも分散効果が期待できます。外国の株式や債券などを投資対象とする投資信託をポートフォリオに組み入れることでも同様の効果が得られます。国・地域の分散や通貨の分散を実践することは「国際分散投資」とも呼ばれ、分散投資の柱となります。

 

4時間の分散

すべての投資を一度に行うのではなく、何度かに分けて投資することで、投資のタイミングを外してしまうリスクを回避することができます。投資は値上がりすることもあれば、値下がりすることもあります。例えば、毎月1万円ずつ投資信託などに投資することで、このタイミングによるリスクを低下することができます。毎回一定金額ずつ買い付ける方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、時間分散のメリットとされています。

 

色々な分散があるのですが、投資対象をわける、国や地域をわける、通貨を分ける、時間を分けると覚えておくと良いでしょう。

金融庁のホームページにも「投資の基本」ということで、貯金と投資の違いやリスク、分散投資についての情報が掲載されていますので、こちらも合わせてご参考ください。

分散投資の図(金融庁HPより)

(参考URL:金融庁HPより)

 

目的に合わせた投資

投資の大原則「分散投資」が分かったところで、いざ、投資をスタートする時にもう一つ意識して頂きたいことがあります。それは、「目的に合わせた投資」を行うことです。

やみくもに投資をスタートしても長続きせず、途中でやめてしまうからです。何のための投資なのかを事前に決めておくことで目標金額やゴールを決めることができます。

例えば、株式は優待を受けながら中長期で保有し、退職後から年金受給までの期間の生活資金にする、とか、債券は年2回の配当を税金支払にあてるので長期で保有しよう、など、それぞれの投資で得られる金額を何に使うのか明確にしておくのです。

そうすることで、他の家計とのバランスを見ながら中長期で資産運用することができ、管理もしやすくなります。

最後に

分散投資は投資の初心者から上級者までが心がける大原則となります。これまで投資で失敗してしまったかたのお話しを伺うと、やはり1箇所集中で退職金を投資してしまったり、 特定の銘柄だけに資産を投じてしまったりと分散できていないケースがほとんどでした。

投資に失敗してしまうと、その後の投資が怖く感じてしまい預貯金のみとしてしまうかたも少なくありません。学びながら少しずつ成功体験を積んでいくことで、投資も楽しく長く続けることができます。先ずは大原則の分散投資を意識して、投資をスタートし、徐々にステップアップして頂ければと思います。

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)