不動産の営業をしているとお客様よりたまに「掘り出し物ない?」「お宝ないの?」「未公開ある?」などの質問を受けることがあります。
「高利回り、好立地、買って直ぐに儲かるような超優良物件」を指していると思うのですが、結論から言ってしまいますと、そういった物件は存在はするかもしれませんが、その物件を一般のお客様が手に入れることは難しいです。
ではそれはなぜか?その理由を簡単にご説明しましょう。
目次
お宝物件が手に入らない理由
基本的に「不動産屋」は業者です。
物件情報や大家さんとのつながりも、素人の方に比べれば断然多いのは事実です。
特にワンルームマンションなどになれば、購入者のほとんどはサラリーマン属性となり、自己資金に余裕が無い方が多く、それに対してワンルームを扱う業者の数は非常に多いです。
なので先ず大きく違うのが、
①情報量の圧倒的な差
不動産屋に勤務したことがある方ならご理解頂けると思いますが、仲介会社から日々何百枚も物件資料がメールされてきます。
そのなかで「優良なもの」に買い付け(仕入れ)をしていくわけです。
もちろん売り主のお客さんから直接買い受ける場合もあります。
当然中にはまだ一般公開していないようなものや、ネットで調べても情報が出てこないものもあります。
なので、「本当に好条件の物件」というのは基本的にネットに一般公開される前の段階で、ほぼ買い手が決まってしまうのであります。
しかもその買い手というのは「不動産業者」の割合がほとんどです。
物件を卸す側の仲介会社も買主が不動産業者の方が安心して取引できるので、一般の個人と業者が「同じ価格で1つの物件を競り合った場合」には業者の方に売却するパターンが多いです。
その理由が以下になります。
②圧倒的な資金力の差
なのであります。
投資マンションを購入しようとする方は、サラリーマンが多いと思いますが、基本的にそういった属性の方だと、ローンを使って物件を購入する形になると思います。
ローンがしっかり通ればいいですが、ローンが通らなければ、いくら物件に買い付け申し込みを入れても買うことはできないんですね。
なので、申し込みの際に「もし万が一ローン審査に通らなかったら、この物件の購入はできません!」というローン特約を付けて買い付け申し込みを入れる形になると思います。
それが不動産業者だとどうでしょうか??資金力があると、「現金一括決済」もできますよね??
物件を売却する側の立場になってください。
ローン特約付きで申し込みを貰っても、全然安心できないですよね。
なぜなら、ローン審査に否決になる可能性があるから。
そうなると、物件も売却できませんし、そのローン審査を待っている間の時間も機会損失してしまいます。
早く物件を売却したい!という状態の売り主さんだと、尚更現金購入の方が喜びますよね。
銀行のローン審査もないし、ローン面談もないし、時間的にも非常にエコなんです。
例えば仮に、ネット公開前に業者間で見落とされた「優良物件」が市場に出回るとしますよね?そうなった場合、結局みんなが見れる状態なので、そこでも業者が入ってくるのは想像できると思います。
基本的にインターネットに掲載されている情報は「業者間のやり取りの中で除外されたもの」がほとんどなわけです。
中には一見すると相場より高利回りの物もあったりしますが、「高利回りの裏に潜む‘‘リスク‘‘のせいで購入には至ってない」のです。
リスクとリターンは常にトレードオフの関係性にあります。
リターンが大きくなればなるほど、リスクも大きくなるのが普通なのです。
お宝物件を狙い時間を費やすのは非合理的
なので、一般の素人の方が、業者並みの目利きで、かつ業者並みの資金力でもって、どんどん優良物件を買い進める!というのは非常に厳しいと言わざるを得ません。
もちろん絶対に不可能と言っているわけではないです。
何百、何千という物件を見学して、時間とお金を投資し、努力の末に物件を取得した方もいるでしょう。
ただし、そこまでできるのは「一部の限られた方」です。
ほとんどの方がサラリーマンという本業の仕事がある中で、不動産投資を検討するわけですから、当然使える時間も限られてくるわけです。
ちなみに、日本には12万を超える不動産業者があり、彼らは物件情報を四六時中精査しています。
一般の会社員の方々が、そういった業者に先んじて物件情報を手に入れ、さらに業者を上回る資金力で契約・決済まで持っていける可能性は極めて少ないと言えるでしょう。
なので、そもそも購入できる可能性の極めて少ない「掘り出し物」を血眼になって探すことは、非合理的と言わざるを得ません。