ビジネスプランって何?  起業後の計画が大事

働き方の自由化が進み、副業や起業をするかたも増えてきました。ビジネスを立ち上げたものの、続かなくては意味がありません。ビジネスプランはどのくらいの期間で考えていくのが良いのでしょうか?

今回は起業後の計画、ビジネスプランについてお伝えしていきます。

ビジネスプランとは

ビジネスプランとは、事業を実現させるために作る計画のことをいいます。そのビジネスの目的や目標、サービスや商品内容、収支計画など相対的に計画していく必要があります。

整理すると以下のような内容があります。

 

  • 事業概要

事業の目的(ミッション)、経営戦略、人材採用など

  • 事業戦略

市場分析や競合調査などを行いビジネスの戦略をたてる

  • 収支計画

予算編成、財務計画、資金調達など

 

初めて起業するかたは、ビジネスプランを作るのに苦戦することも多いのですが、関連する書籍など、たくさん出ておりますのでビジネス内容が近いものを参考に、オリジナリティを含めながら計画されると宜しいかと思います。

短期・中期・長期の計画を

では、ビジネスプランはどのくらいの期間で考えておけば良いのでしょうか。資金調達などもふまえると、やはり中長期でのプランはある程度、考えておいたほうが良いと思います。短期計画だけでは、ビジネスの方向性も不明瞭な点が多くなりますし、借入れをする場合は中長期での計画があったほうが審査する側にも分かりやすく、融資が受けやすくなることにつながります。

お勤めされているときは、勤め先の会社の事業計画などがあると思いますので、それも参考になると思います。先ずはご自身のビジネスプランの短期はできるだけ細かく計画をたててください。中長期は想定にはなりますが、○年後、収益いくらになったら、新たなプランを増やすとか、取引先が○件になったら事業部を増やすなど、ある程度の数値化できる 目標をもとにプランをたてておくと良いでしょう。

家計簿と同様にビジネスプランも見直しが大切です。一度、作ったから安心、ではなく定期的に見直しをして計画通りなのか、計画より良い点、逆にできていなかった点などを見直すことでビジネスプランを軌道修正できます。事業内容や収支の見直しにも繋がりますので、作成と見直しが大事と覚えておいてください。

企業の平均寿命

東京商工リサーチが、2022年に倒産した企業6,428件のうち、創業年月が不明の企業を除く5,649件の平均寿命を算出・分析した「倒産企業の平均寿命」に関する調査によると、日本企業の平均寿命は「23.3年」であることがわかりました。

他にも、日経ビジネスWeb版にはベンチャー企業の生存率を示すデータでは、創業から5年後は15.0%、10年後は6.3%、20年後はなんと0.3%ということで、10年生存率が低いとクローズアップされた記事がありました。詳しい統計データがないので、こちらは参考程度にしておくとして、いずれにしても起業してから継続していくことは大変だということが分かります。実際に私が起業サポートさせて頂いた企業様も数年でM&Aや廃業してしまったケースも数%ありました。起業することは簡単ですが、続けることは大変なのです。

年数とともに時代が変わってきますので、ビジネス自体がどのくらいの期間、顧客に受け入れられるかがポイントになってきます。永久的に必要とされるモノやサービスもありますが、時代とともに変化していくこともありますので、ビジネスプランを中長期で変えていく必要があるのだと思います。

想定できる範囲での短期、中長期のプランをたてるとともに、時代の変化にともないビジネス内容も変容させていくこともイメージしながらプランニングされることをお勧めしています。

最後に

ビジネスプランはあくまで計画です。計画通りにうまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。ビジネスを展開する上で、適宜、計画を変更していくこともありますが、主軸となるのはビジネスプランです。

起業する際に、このビジネスプランがきちんと出来ていると、予想と反したときでも計画を修正したり、変更したりしやすくなります。逆にビジネスプランが曖昧だったり、短期でしか計画されていなかったりすると、ビジネスをしていく上で判断がしにくくなるなどマイナスの影響もあります。

初めて起業する際、ビジネスプランをたてるには時間や労力が必要ですが、やる気がピークである時期でもあります。 ご自身が行いたいビジネスを可視化するのがビジネスプランです。ビジネスに関わるかた、サービスを提供するかた向けにも必要な資料の元となります。

これから副業・起業される際、ビジネスプランの作成をすることでその後の活動に役立てて頂ければと思います。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)