退職金の活用法は?70代で使い切る人が続出!?

長年勤めた会社から支給される退職金。老後の資金として重要なものですが、実は70代で使い切ってしまう人がおおいのです!大きなお金が入ることで、つい使いすぎてしまうとその後の生活を圧迫してしまいます。

今回は退職金の活用法についてお伝えしていきます。

使いすぎの原因

退職金を何に使ったかというアンケートでは、世界1周旅行、家のリフォーム、車の買い換えなど、かなりの金額を使っていることが分かりました。大きなお金が入ることで、気持ちも大きくなり、つい使いすぎてしまうというわけです。

 

もちろん、長くお勤めをして得られた退職金ですので、ご自身やご家族と使いたい気持ちも分かるのですが、その後の生活が圧迫されてしまっては仕方ありません。計画的に使っていくことが重要になってきます。70代で全て使い切ってしまったかたも少なくありません。退職金は使う分とその後の生活用と分けて管理して頂くことをお勧めしています。

 

また、退職金は一括で受取る方法と分割で受取る方法、もしくは一部を一括して受け取り、残りを分割で受け取る方法があります。勤め先により異なりますので、事前に確認しておくと良いでしょう。税金面では一括で受取ると退職所得控除の適用を受けられるため、所得税や住民税が軽くなるのでお勧めなのですが、使いすぎを気にされる場合は一部を分割にするなど受取り方で対策をたてるのも良いと思います。

リタイアメントプラン

先ずは退職後の生活費の確認をしていきます。例えば、毎月の支出が30万円、収入はご夫婦合わせて公的年金で20万円、の場合、毎月10万円のマイナス(年間120万円)が出てしまいます。10年で1,200万円です。退職金が2,000万円でしたら、残額は800万円となります。

 

このように概算でその後の生活費のマイナス分をどのくらいカバー出来るのかを確認しておきましょう。そして、残った分を家のリフォームや旅行などに使うお金として管理していきます。先に使いたいものへお金を投じてしまうと、後々生活費が足りないといったことになってしまうので注意が必要です。70代で退職金を使い切り、その後の生活資金が足りないので、再度、働きに出ているというかたもいます。

 

他の資産(預貯金、株式、年金保険等)も合わせて試算していくと、退職金をどのくらい使えて、どのくらい老後資金にすれば良いか分かりますので、是非、試算してみてください。

 

日本FP協会のホームページには「今からはじめるリタイアメントプランニング~50代から考えるセカンドライフ~」という冊子のPDFが掲載されていますので、こちらも活用してみてください。

日本FP協会HP

参考:日本FP協会ホームページ

退職金の活用法

退職金はまとまったお金が入りますので、他にも活用することができます。例えば、住宅ローンの繰り上げ返済や、資産運用です。借入金には利息がありますので、住宅ローンや車のローンなどで利息の高いものを完済することで、その後の支出を減らすことにつながります。

 

また、まとまったお金で資産運用することもお勧めです。退職後も20年、30年と長いセカンドライフが続きます。分散投資しながら資産を増やしていくために使うことも重要です。このように、退職金の使い道はたくさんあります。その他の資産と合わせて、どのように使っていくのかを検討してみてください。

 

<退職金の活用法>

  • 借入金(住宅ローン、車のローン等)の返済
  • 資産運用
  • 生活費のマイナス分の補塡
  • 家のリフォーム
  • 旅行、趣味の費用など

最後に

退職後の生活は公的年金や私的年金、それまでに貯めた預貯金等、そして退職金が収入源となります。FPはご相談頂ける 6分野を全て使いながらリタイアメントプランをご相談者と一緒に考えていきます。

 

<リタイアメントプラン例>

  • ライフプラン(今後の家計について)
  • 税金(退職金の受け取り方法)
  • 不動産(住宅ローンの繰り上げ返済等)
  • 資産運用(今後の資産運用について)
  • 保険(ご加入の保険内容、年金他)
  • 相続(家をどのように相続していくか)

 

一度に全ての対策をたてるのは大変なので、ご希望やその後の生活について確認し、その後、ご家族のご意向などもふまえて段階的にアドバイスをしていきます。退職金の活用法はじめ、その後のリタイアメントプランのご相談など、FPを活用して頂くことで、良いアドバイスや提案がもらえると思います。

 

ライフイベントの中で、リタイアメントプランが難しい点は

いつまで(何歳まで)計画しておけば良いか分からないという点です。余裕をもったプランが必要です。高齢になった時に資金不足にならないよう、事前に計画をたててお金の管理をして頂ければと思います。

 

 

筆者:藤井亜也(CFP/FP1級)