サブリース新法とは?4つのポイントを徹底解説(サムネイル画像)

2020年6月にサブリースに関する不当な勧誘の禁止や重要事項の書面での説明義務を事業者に課す新法が成立しました。

このサブリースに関する新法が2020年12月15日より新たに施行されます。

実はこれまで、サブリース契約を直接的に規制する法律が無かったわけですが、2020年の6月に悪質業者排除に向けて新法が制定されたという流れです。

※動画でも詳しく解説しております。

このブログでも散々「サブリースの問題点」については記載してきました。

ようやくか。。。といった感じですね。

今回はそんなサブリース新法について詳しく調べてみました。

「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドラインのポイント」は以下の通りです。

サブリース新法のポイント(国土交通省)

国土交通省HPより

サブリースとは?

サブリース(マスターリース)の図

サブリースは投資用マンションをサブリース会社が借り上げて、それを実際の入居者に転貸する仕組みを言います。

サブリースは空室を避けられるメリットがありますが、それ以上にデメリットが多く基本的にお勧めできません。

サブリース新法の4つのポイント

「勧誘者」は誰なのか?を明確に

サブリースを勧誘するのはサブリース業者だけではありません。

例えば、土地から賃貸物件を建築する場合などは、建築業者や不動産仲介業者などが関わってきます。

  1. サブリース業者(賃貸管理会社)
  2. 建築会社
  3. 不動産会社

は密接にかかわっているわけで、それぞれが自己の利益につなげるためにサブリースの説明や勧誘を行う場合も少なくありません。

その結果、オーナーはサブリース内容を誤認し、後々トラブルになることが多いのです。

このようにサブリース業者以外の者が勧誘をする行為に対して、何の規制も無い状態ですとサブリース業者は第三者にサブリース勧誘を委ねることで規制を免れることができてしまいます。

よって、サブリース業者がマスターリース契約の締結についての勧誘をさせる者を「勧誘者」として位置づけました。

「勧誘者」の考え方

  1. 特定のサブリース業者と特定の関係性を有する者
  2. 当該サブリース業者のマスターリース契約の締結に向けた勧誘をする者

となります。

「1.特定のサブリース業者と特定の関係性を有する者」に関しては、サブリース業者から委託を受けて勧誘を行うものが該当するほか、明示的に勧誘を委託されてはいないが、サブリース業者から勧誘を行うように依頼されている者などが該当します。

依頼の形式は問わず、資本関係も問わないようです。

誇大広告と不当勧誘の禁止

誇大広告等の禁止(第28条関係)

誇大広告とは実際よりも優良と見せかけて相手を誤認させる「誇大広告」のほか、虚偽表示により相手をだます「虚偽広告」についても本条が適用されます。

広告媒体はチラシ、新聞、HP、テレビ、ラジオ等種類は問いません。

以下、サブリース新法における誇大広告の留意点をまとめました。

サブリース新法における誇大広告の留意点

不当な勧誘などの禁止(第29条関係)

  • サブリース業者(勧誘者も含む)はマスターリースの契約の締結、または契約の解除を妨げるために相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項について、「故意に事実を告げず」または「不実のことを告げる行為」を禁止している。
  • サブリース業者等によるマスターリース契約に関して行為で、「オーナーなどの保護に欠ける行為」を禁止している

基本的にはオーナーサイドにとって不利益になるような勧誘を禁止した条項になります。

また、長時間にわたる勧誘や、断っているオーナーに対して再勧誘することなども禁止です。

重要事項説明(第30条関係)

サブリース業者はオーナーになろうとするものに対して、契約内容を正しく理解し、適切なリスク判断の上でマスターリース契約をできるような環境を整えるため、契約締結前にオーナーとなろうとする者に書面を交付し、説明することを義務付けられました。

これは不動産の売買契約をする前の「重要事項説明」と同じようなイメージですね。

  • 重要事項説明→納得→マスターリース契約(サブリース契約)

という流れです。

重要事項説明の記載事項は以下にまとめました。

サブリース新法における重要事項説明の記載事項

契約締結時の書面交付(第31条関係)

サブリース業者は、契約を締結した際に以下の事項を書面に記載し、遅滞なく交付しなければならなくなりました。

サブリース新法における契約締結時の書面に記載する事項

サブリース業者(または勧誘者)が違反した場合は・・・

いままでは罰則規定はありませんでしたが、今回より罰則が明確化されました。

  • 6か月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金、またはこれを併科

併科とは同時に2つが適用されることを言います。

また、3つの行政処分の対象にもなります。

  1. 指示処分
  2. 業務停止処分
  3. 勧誘停止命令

まとめ

スマートデイズのシェアハウス事件に端を発する、「不正融資」や「サブリース」が近年社会問題となりました。

サブリースに関しては「借地借家法」を盾にサブリース業者にとって都合の良い契約となっている事実が存在するにもかかわらず、その契約内容をよく理解しないまま不動産投資に手を出してしまう、新規オーナーが後を絶ちません。

  • 売却時に売却価格が大きく下がる
  • サブリースが解約できず管理を変えられない
  • 多額の違約金を請求されている
  • 保証賃料を大幅に減額される

問題点を挙げればキリがないほど出てきます。

今回の新法によって、1人でも多くのオーナーがサブリースの危険性や問題点について深く理解した上で、適切な行動をとれるよう願うばかりです。