
みなさんは物上げ業者ってご存じですか?
物上げというのは物件の仕入れ業者さんのことです。
物件の仕入れをする業者さんのことです。
投資用ワンルームを販売する業者さんがいれば、その販売物件を業者さんに紹介する仕入れ業者が存在します。
今回はその物上げ業者さんから直接物件を購入すると、物件を安く買えるのでは?という質問をよくいただきますので、今回はその解答です。
※動画でも解説しております。
物上げ業者からワンルームを買っても安くありません。
先ずは、結論です。
安くありません。
どこの売主業者から買っても価格は同じです。
ではその理由を順番にお話ししていきます。
金融機関の融資額=定価で販売されているから
業者の売主物件を購入する場合、中古ワンルームに関して言えばそのほとんどが「ジャックス」や「オリックス」といった業者の提携金融機関を使って売買されます。
つまり、提携金融機関の融資額をそのまま「定価」として売主業者は販売しているのです。
中古のワンルームに融資してくれる金融機関は数も限られているので、どこの売主業者もほぼ同じ金融機関を使って物件を販売することになります。
(※もちろんその業者が金融機関としっかりと提携を持っている前提)
業者は違えど、融資の評価額は同じわけですから、エリアによって皆同じ程度の利回りや似たような収支となるのです。
つまり、物上げ業者から直接物件を購入したとしても、結局は銀行の評価額=定価で販売されることがほとんどなので、物上げ業者だから安く買える!というのは単なるポジショントークの場合が多いのです。
物上げと販売会社の関係性相関図
ワンルームの物上げ業者から、販売会社を通じて、エンドユーザーに物件が売却される。
これが一般的なワンルームの売買の流れです。
売りたい人から物上げ業者へ、そしてその物件に利益を載せた売主(三為業者)がエンドユーザへ物件を販売します。
・一般的な物件仕入れから販売までのフロー
売却希望者や販売業者は物上げ業者に仲介手数料を支払います。
購入希望者の買値は2400万です。
そして、下記が
・物上げ業者が直接物件を販売するフロー
先ほどの図に比べ販売専門業者がいなくなりましたね。
物上げ業者が物件を買い取る為、余計な仲介手数料は必要ありません。
しかし、図の通り結局エンドユーザーである購入希望者が購入する金額は2400万です。
そうです。
結局は売主が三為業者である以上は、提携金融機関の評価額を定価として価格設定するので、売値が同じになるのです。
※三為業者に関しては過去に記事にしておりますので以下の記事をご覧ください。
ロジック的には安値販売も可能だが
物上げ業者の直接買い取り、直接販売であれば、余計な仲介手数料もなく、三為売主業者の利益が大きくなります。
なので、その業者の利益を削って敢えて安く売りに出すことも可能といえば可能でしょう。
しかし、私の知る限り金融機関の融資評価をあえて下回る価格で物件を売却している売主業者をほとんど知りません。
また、都心の物件の仕入れ価格の高騰により三為業者としては以前に比べて確実に利益率が悪くなっているのが現状です。
そんな中で敢えて利益を減らすようなこと(価格値引き)はなかなか考えにくいのですね。
業者の見せ方やブランディングに騙されないように
投資用のワンルームマンション販売会社は数多く存在します。
それぞれが自社の強みを競い合っているとは思いますが、結局購入するのは投資用のワンルームです。
いくら業者のバックアップやフォローが強くても、物件そのものがダメなら賃貸経営は成り立ちません。
しかし、物件さえ良い条件で購入できれば、フォローしてくれる賃貸管理会社の変更などいくらでもつぶしがききます。
見た目の豪華さやフォローのポジショントークに惑わされてはいけません。
あくまで投資するのは物件そのものです。