地域・築年・物件別の平均利回りを解説

みなさん‘‘利回り‘‘って聞いてことありますか??

不動産投資を検討されている方であれば、ご存知かもしれませんが、あまり投資に興味の無い方だと、初めて聞く言葉かもしれませんね。

今日はその不動産投資の‘‘利回り‘‘についてお話ししていこうと思います。

※動画でも詳しく解説しております。

利回りは、簡単に言うと投資したお金に対して、どれくらいの収入が得られるのかを表す数値です。

また、投資商品を選ぶ際の重要な指標の1つでもあります。

では不動産投資における利回りはどのように考えればいいのでしょうか?

また、地域・築年数・物件の種類別の利回りを細かく解説していきます。

不動産投資における利回りの考え方

不動産投資における利回りとは

「1年間満室と仮定した場合の賃料収入を購入価格で割ったもの」

です。

つまり、その投資物件の収益性を示す1つの指標です。

不動産投資の利回りは大きく分けて2種類ある

①表面利回り(グロス利回り)

例えば、下記のような物件があったとしましょう。↓

表面利回り算出のためのサンプル物件図面

この物件の場合だと、表面利回りは5.46%です。

表面利回りの計算の仕方は以下の図の通りです。

表面利回りの計算方法の図

この公式に、上記の物件を当てはめると、以下のような計算になります。

表面利回りの実際の計算例

・82,000円(青枠の家賃)×12カ月÷18,000,000円(赤枠の価格)×100=5.46%です。

②実質利回り(ネット利回り)

実質利回り算出のためのサンプル物件図面

実質利回りの計算は、表面利回りの計算に比べると、少し複雑になります。

実質利回りの計算の仕方は以下の図の通りです。

実質利回りの計算方法の図

実質利回りの計算に関しては、上記物件の場合以下の図のようになります。

実質利回りの実際の計算方法の図

簡単に言えば、先ほどの表面利回り計算では毎月の家賃収入(82,000円)をそのまま×12カ月しました。

しかし、実質利回りの場合は家賃収入から経費分(オレンジ部分)を差し引きます。

・82,000円(毎月家賃)-6,500円(毎月の建物管理費)-2,000円(毎月の修繕積立金)=73,500円

そして、さらにここから毎月賃貸管理会社に支払う賃貸管理委託手数料4000円程度を差し引きます。

(※賃貸管理手数料は家賃の5%程度が相場です。賃貸管理委託手数料について詳しくは過去記事を確認してください。)

そうすると、

73,500-4,000(賃貸管理手数料)=69,500円となります。

・82,000円(毎月の家賃収入)-6,500円(管理費)-2,000円(修繕積立金)-4,000円(賃貸管理委託手数料)=69,500円

・69,500円×12カ月÷18,000,000(価格)×100=4.63%

つまり、実質利回りは4.63%ということです。

この物件の表面利回りが5.49%なのに対して、実質利回りが4.63%なので、同じ物件でも利回りが1%近く異なります。

利回りは物件の条件により相場が異なる

利回りは築年数やエリアによって変わってきます。

当然築年が浅ければ利回りは低くなり、築年が経過すると利回りは高くなる傾向にあります。

よって、ひとくくりに東京の不動産投資の利回りは●●%という風に計算するのは不可能です。

利回りに関してはより細かく

  • エリア
  • 築年数
  • 物件種別

でしっかりと調査しなければなりません。

【区分マンション】の地域・築年別の表面利回り

マンションなどの1室を所有するタイプの不動産投資を別名「区分投資」とも言います。

ワンルームマンションはこの区分マンションに含まれます。

以下は不動産ポータルサイトの健美家の四半期レポート(2021年4月~6月)より区分マンションの全国の平均表面利回り(登録ベース)をグラフにしたものです。

※東京23区、東京市部、横浜市、川崎市、埼玉、千葉、札幌、仙台、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡における区分マンションの築年数別の平均表面利回り

 

  • 最も利回りが低いのは「東京23区の築10年未満で4.34%
  • 最も利回りが高いのは「仙台市の築20年以降で12.32%

となっております。

これを見れば一目瞭然ですが、同じ地域でも、物件の築年数が浅いものと古いもので大きく利回りの差がでる地域が多く存在するのが分かります。

よって、物件の利回りを比較する際は、単純に地域だけの利回りではなく、その物件の築年数もしっかりと加味して計算するように注意しましょう。

東京都内のワンルームマンションの平均利回りは?

都内新築ワンルームマンションの表面利回り

2023年現在の東京都内の新築ワンルームマンションの平均的な表面利回りは

  • 3~4%程度

です。

都内中古ワンルームマンションの表面利回り

2023年現在の東京都内の中古ワンルームマンションの平均的な表面利回りは上記健美家レポートを参考にすると

  • 築10年以内の物件⇒4.34%程度
  • 築10~20年以内の物件⇒4.80%程度
  • 築20年以降の物件⇒6.66%程度

です。

都内中古ワンルームマンションの実質利回り

一般財団法人日本不動産研究所の「不動産投資家調査(2021年4月)」によると、投資家のワンルームマンションに対する期待実質利回りは東京都の城南地区では4.2%、城東地区では4.4%という結果となりました。

※実質利回りですから、上記でご紹介した「健美家」のレポートの表面利回りとは異なります。

城南は港区、品川区、目黒区、大田区の4区

城東は中央区、台東区、墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区の6区

城南地区と城東地区の場所(地図)

です。

また、利回りに関しては、家賃収入から経費等を差し引いた実質利回りで計算されています。

  • 交通アクセス:10分以内
  • 築年数5年未満
  • 平均専用面積25~30㎡
  • 総戸数50戸程度

不動産投資家調査2021年4月 東京都城南地区の期待実質利回り

しかし、これはあくまで期待の実質利回りなので、下記の図のように実際の取引利回りはさらに低下する傾向となります。

  • 実際の取引「実質利回り」は、城南地区で3.8%、城東地区で4.0%です。

あくまで、城南地区、城東地区でまとめた利回りなので、例えば港区であれば城南地区ですが3.9%よりもさらに低い取引利回りになると想定されます。

現状の築浅中古ワンルーム市場で考えれば、まさにぴったりな数字かと思われます。

表面利回りと実質利回りはどちらで計算すれば良いの?

では、ワンルームマンション投資に限らず、不動産投資全般に言えることですが、「最終的にいくらお金が残るのか?」という視点が非常に大切です。

表面利回りだけが高くても、それに対して毎月かかる経費が大きいと、手元に残るお金が少なくなります。

手元にのこるお金が少なければ、実質利回りは低くなってしまうのです。

つまり、表面利回りはあくまで読んで字のごとく表面上の利回りなので、実際に投資を行う際は「手元に最終的にいくら残るのか?」という指標を組み込んだ「実質利回り」が非常に大切になってきます。

マンション投資に経費はつきものです。

特にワンルームマンション投資は毎月「建物管理費・修繕積立金・賃貸管理委託手数料など」の固定費が必ずかかります。

建物管理費や修繕積立金は物件によって大きく異なります。

例えば、同じ家賃で同じ価格の物件であれば、「表面利回り」は同じです。

しかし、建物管理費や修繕積立金は物件によって異なるので、「実質利回り」は大きく異なることもあります。

なので、ワンルームマンション投資を考える際には、表面利回りではなく、実質利回りで計算するようにしてください。

不動産サイトなどの「利回り検索」などで表示される物件は、そのほとんどが上記①の表面利回りを基準としております。

なので「利回り10%以上」などの高利回りを売りにした物件の多くは、詳しく言うと「表面利回り10%以上」という意味なのであります。

先ほどもお伝えしましたが、ワンルームマンション投資は必要経費が掛かります。

よって、本当の物件の収益性を計算するためには毎月の管理費、修繕積立金、賃貸管理委託手数料、場合によって固定資産税などの必要経費を家賃収入から差し引かなければなりません。

つまり、実際にオーナーさんの手元に最終的に残る「実質利回り」が最も大切なのです。

利回りの高さとリスクの考え方

そもそも高利回り=高リスクと考える

利回りは一般的に高い方が投資効率は良いと考えることができます。

ただし、これはあくまで机上のお話しです。

利回りの高さは、リスクの大きさに比例します。

つまり、「高利回りの物件を探す」という行為は、「高リスクの物件を探す」のとほぼ同義なのです。

もちろんごくまれにお宝物件(利回りは高く、リスクが低い)も存在するとは思いますが、そういった物件は基本的に川下(一般市場)に流れてくる可能性は非常に低いです。

川上(未公開市場)で、業者同士のやり取りで決まってしまうのが普通ですから。

よって、一般市場に流れてくる「高利回り」物件には何かしらの「リスク」が存在していると考えるのが普通です。

経費率の高い物件(高額な管理費・修繕積立金)は避ける

先ほど「表面利回り」と「実質利回り」の話をしましたが、インターネット上に公開されているような高利回り物件は基本的に表面利回りが高い物件が大半です。

読んで字のごとく、「表面上だけ利回りの高い物件」ということです。

実際蓋を開けてみると、所有するだけで必要経費がたくさん掛かってしまい、せっかくの高利回りも、実質利回りに直すととても投資対象とならないような物件も多数存在します。

代表的なものとして「管理費と修繕積立金が異常に高い物件」があげられます。

管理費と修繕積立金は毎月のランニングコストでワンルームマンション投資で必ず掛かってくる経費です。

ワンルームは区分所有なので、毎月の管理費と修繕積立金の金額を自分で勝手に変更することはできません。

購入してしまったら、毎月支払わざるを得ません。

古いワンルームでは、建築当初(数十年前)、管理組合という概念が存在していないマンションもあり、近年になってようやく修繕計画を立て修繕積立金を徴収し始めているマンションも存在します。

そういったマンションですと、そもそも修繕積立金が十分に積み溜まっていなかったり、管理が行き届いておらずスラム化していたりするので、それを維持するためには当然高い「管理費」と「修繕積立金」が必要となってくるのです。

ワンルームの家賃は都内であっても10万程度が上限でしょう。

築古のワンルームであれば当然それ以下(5万~7万)です。

その家賃に対して、必要経費が毎月数万円も出費してしまうワンルームマンション経営は経費率が高すぎて割に合わないのです。

ワンルームマンション投資の建物管理費と修繕積立金の合計金額は家賃の20%~30%以内に抑えられた物件を選択しましょう。

例えば家賃収入が月10万円の物件であれば、建物管理費と修繕積立金の合計金額は月2~3万円以内が理想です。

空室の物件は避ける(想定利回りに注意)

これもよくあるパターンですが、現状が「賃貸中」ではなく「空室」の物件です。

空室なので賃料は「想定家賃」という形で、売主が勝手に決めることができるのです。

ですので利回りも「想定利回り」ということになります。

まさに絵に描いた餅のような高額な想定賃料を設定し、「超高利回り物件」として広告掲載している物件もよく見ます。

入居者が付かなければ、家賃収入は入ってきません。

購入して、入居者が付かずに、家賃を大幅に下げなければならないような事態になれば購入当初の想定利回りは大きく下落してしまいます。

また、こういった高額の賃料設定に騙されない為にも、必ず周囲の賃料相場を確認するようにしてください。

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まとめ

一般の素人の方が一般市場に流れてくる「高利回り物件」を購入するのは非常にリスクが高いと言わざるを得ません。

しかし、実質利回りの考え方であれば、表面上の高利回り物件をある程度は避けることができます。

マンション投資を検討される方は、必ずこの実質利回りの計算式をマスターしてください。

もちろんマンション投資はそれ以外にも多くのリスクと向き合う必要がありますので、この実質利回りは一種の投資の指標というだけであり、全てではないのでご勘違いされませんようご注意下さい。