アルヒ(ARUHI)で投資用マンションの審査書類改ざんが発覚

アルヒ(ARUHI)で投資用マンションの審査書類の改ざんが発覚したようです。

アルヒは国内最大の住宅ローン専門金融機関です。

投資用マンションへの融資をめぐる仲介案件で、借り入れ希望者の審査資料が改ざんされている新たな事例が日本経済新聞の取材でわかった。年収や職業などが改ざんされた例は少なくとも10人以上にのぼり、その多くは年収300万円に満たない人だった。投資用不動産向け融資の根深い問題が改めて浮かび上がった。

日経新聞より

アルヒに関しては今までにもこのブログで散々注意喚起してきました。

アルヒで投資マンションの審査書類の改ざん

アルヒは実際にお金の貸出は行っておりません。

今回、貸付を行っているのはアプラスです。

あくまで、アルヒは融資の仲介をするだけです。

よって、アルヒで融資の審査をすることはありません。

審査はアプラスとなっております。

以下はアルヒの投資用マンションローンの改ざんに対してのお知らせです。

アルヒ 書類改ざんに対しての文章

審査書類とは申し来みをしたお客さんの「年収」や「勤務先」などのようです。

前にも記事にした「源泉徴収票の改ざん」などです。

基本的に源泉徴収票は改ざんを防ぐために市役所などで取得できる「課税証明書」と照らし合わせて数字に間違いがないかをしっかり確認するのですが、一時のアルヒでは「課税証明書」の提出が義務づけられておりませんでした。

よって、一部の悪徳業者はそれを良いことに、源泉を水増しし、アルヒに持ち込んでいたのです。

改ざん件数10件以上?そんなのは氷山の一角。

報道では不正が10件程度見つかった・・・

とのことですが、そんな数字でおさまるはずありません。

今後まだまだ出てくるでしょう。

当時のアルヒ(アプラス)の審査基準は緩すぎた

アルヒが本格的に投資マンションローンの取次を始めたのは数年前だったと記憶しております。

当時のワンルーム業界では、「とどめのアルヒ」なんて揶揄されていました。

ワンルームマンションは複数件所有する方が多いです。

金融機関は物件を買い増していくごとに融資条件が悪くなります。

例えば年収600万程度の人であれば、投資マンション2~3件が限界なわけですが、その限界がこればその顧客は物件を買い足すことができません。

そこに出てきたのがアルヒです。

審査基準がその他金融機関に比べて非常に緩かったので、既存で買い増しができない顧客などに最後の1件として「アルヒ」で買い増しをかける業者が続出しました。

また、当時は年収500万以上ないと投資用ワンルームを購入することが難しかったわけですが、アルヒであれば低年収でもローンが通りやすい傾向にありました。

なので、過去にローンが通らなかったような見込み客などを引っ張り出して持ち込むのです。

そして何より、勤務先の規模に関して審査基準が非常に緩く、正社員じゃなく契約社員であっても融資が通りました。

キャッシングや消費者ローンがあるような方も金額次第では融資OKだったのです。

アルヒは高い融資評価が出るため、業者も物件を持ち込みやすい

投資マンションを販売するのに、事前に「物件の評価取り」を行います。

つまり、この物件だったらMAXでいくらまで融資してくれますか?

という確認を銀行に取るのです。

高い評価が取れれば、業者もその値段で物件を販売できるのでうれしいです。

当時のアルヒはオリックスやジャックスといった投資用ワンルームの金融機関よりも遥かに高い融資評価がでておりました。

よって、オリックスなどで評価の取れないような物件であってもアルヒを使えば販売できたわけです。

投資マンション購入層の低属性化

アルヒの登場により、投資用ワンルームマンションの購入者層は大きく広がりました。

しかし、基本的に高属性の人はアルヒを使わずとも他にもっと条件の良い金融機関があるのでそちらを使うわけです。

本来であれば、投資用のワンルームを購入できない層にワンルーム投資が広まったのです。

今回問題になっているのは、おそらく低年収層の方だと思われます。

アルヒの改ざん問題は基本的には業者が悪い

アルヒの投資マンションローンは提携している不動産業者からアルヒに書類が持ち込まれます。

そしてその書類をアルヒがアプラスに提出する流れです。

アルヒが書類を改ざんしたのか?

と騒がれていますが、書類を改ざんしてまで融資を通すメリットはアルヒにはありません。

一部報道によれば、アプラスからアルヒに支払われる仲介手数料は10万程度だとか。

よって、その10万円を得るために、アルヒ側がそこまで大きな代償を負うとは思えません。

よって、基本的には提携の一部の悪徳不動産業者が書類を改ざんしていたと推測できます。

裏付けも取らずに融資するほうも悪い

最終的に融資審査をするのはアプラスなわけですから、源泉などの改ざんが無いようにしっかりと裏付け資料(課税証明書)やエビデンス(預貯金の原本など)確認して審査すればよかっただけの話です。

投資用マンションの融資審査に際して「課税証明書」などを提出しない融資審査など聞いたことがありませんからね。

昨今では、アルヒ(アプラス)の融資基準も厳しくなり、書類提出義務はしっかりと審査していたようですが。

どんどん審査基準も厳しくなり、アルヒに持ち込む業者も持ち込み件数も減少していた矢先に今回の事件が発覚しました。

今回のアルヒの件が業界に与える影響は?

そもそも持ち込みしている業者自体が減少してきていたわけで、特に大きな影響は出ないと考えます。

しかし、ワンルーム投資に関しての融資の基準は徐々に厳しくなっていく傾向にあると考えてよいでしょう。

スルガの不正融資問題から、一棟が販売不振となり、多くの一棟業者が区分業界に流れ込んできました

コンプライアンスの低い業者も数多く存在することになりますので、その分不正も増える。

融資の基準が厳格化されるのは業界にとってはプラスだと考えます。

本来あるべき姿ですよね。

そもそもの収入が少ない方や、生活に余裕のない方は不動産投資すべきではありません。