投資用でも、居住用でも、ほとんどの方が不動産購入に当たって銀行から住宅ローンの借り入れを行うと思います。
また、すでに借り入れしている人でも、以外に住宅ローンの仕組みについては知らない方が多いのではないでしょうか??
今回はそんな住宅ローンのそもそもの仕組みについて記載していきたいと思います。
目次
3000万円を年利1.0%の金利で35年間ローンを組んだ場合の計算方法
よくある間違い事例
3000万円×1.0%=30万円。
ってことは年間利息は30万円でしょ?
それを35年間支払うんだから・・・。
30万円×35年間=1050万円が総支払利息か・・・ってことは、元金と合わせて・・・3000万円+1050万円=4050万円。
4050万円÷35年間=115万円の年間支払
。これを毎月にすると、9.6万円の支払か!という考え方です。
この考え方は間違いです。そんなに利息は払いませんし、毎月の返済ももっと安いです。
正しい計算事例
まずは、毎月の返済額を算出していきましょう。
以下の計算式に当てはめることで、毎月の返済額が計算できます。
毎月返済額=借入額×{月利(1+月利)返済回数/(1+月利)返済回数-1}
※「月利」とは1ヶ月あたりの金利のことです。
「年利」は1年間の金利のことです。
今回は、月利=1.0%÷12ヶ月で計算します。
「返済回数」は35年間(420回払い)で毎月1回同じ額を、35年×12ヶ月=420回で返済します。
では、実際に計算式に数字を入れてみましょう。
毎月返済額= 3,000万円×{0.01/12(1+0.01/12)420回/(1+0.01/12)420回-1}
上記計算式を計算すると、毎月の返済額=8万4,686円となります。(端数処理のしかたで、異なった値になります)
これを図にするとこんな感じです。↓
金利が変動せず、ずっと1%だったとすると毎月返済額8万4686円(図表では8.46万)を35年間支払う形になる訳ですね。つまり、
8.46万円×12カ月×35年間=3553万円の総支払となります。なので、総支払利息は553万円ですね。
で、ここでもう一つ図表をみて気づくことがあると思います。
利息と元金を分けてる、右上がりの線、何だ??って思いますよね。
実はこれが住宅ローンを住宅ローンたら占める最も大事な線なのです。
この線は利息と元金の内訳を示した線なのであります。
微妙に右上がりになってますよね?ということは・・・
・ローン返済の序盤は利息の割合が多くて、元金の割合は少ない。
・ローン返済の終盤は利息の割合が少なくて、元金の割合が多い。
のです。
金利が一定であれば、毎月の返済額は変わりません。変動するのは支払っているローンの利息と元金の内訳なのです。
つまり、毎月返済額は同じですが、利息と元金の内訳が毎回変動することになるのです。
第①回目の支払利息の計算方法
3000万円×1.0%×1/12=2万5000円
これが第①回目の支払利息です。
第①回目の支払元金の計算方法
毎月の利息、元金を含めた支払いは上記の8万4686円になります。
なので、第①回目の支払い元金を計算するには、毎月支払いから上で計算した利息を引いてあげればいいですね。
8万4686円ー2万5000円=5万9686円
これが第①回目の支払元金です。
よってローン残高は
3000万円ー5万9686円=2994万314円
となります。
この残高が凄く大切なので、注意しておいてくださいね。
そして第②回目の返済が来ると、以下の計算式となります。
第②回目の支払利息の計算方法
2994万314円×1.0%×1/12=2万4,950円
これが第②回目の支払利息です。
第②回目の支払元金の計算方法
8万4686円-2万4950円=5万9736円
これが第②回目の支払元金です。
よってローン残高は
2,994万314円-5万9,736円=2,988万578円
となります。
住宅ローンの利息計算は毎月減っていくローン残高に対して計算しているのがご理解いただけたかと思います。
そして、毎月の返済額は8万4686円と一定ですが、①回目より②回目の方が支払い利息が少なく、且つ、支払い元金が多くなっているのがご理解いただけましたでしょうか?
このような形で、毎月の利息と元金の内訳が支払回数ごとに変動していく仕組みこそが、住宅ローンの正体なのであります。
ただし、住宅ローンはネット上でいくらでも計算できるので、手計算したい!!という人は上記の式に当てはめて計算してみてもいいとは思いますが、あまりに計算が膨大で時間もかかるので、お勧めはできません。
あくまで、住宅ローンの返済額の計算の仕方、という大きな枠組みを理解していただくために、上記のような計算を掲載させていただきました。